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恋々 東山彰良(著/文) - 徳間書店
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恋々 (レンレン)

文庫
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発行:徳間書店
文庫判
縦148mm 横105mm
重さ 183g
384ページ
定価 710円+税
ISBN
978-4-19-894592-3   COPY
ISBN 13
9784198945923   COPY
ISBN 10h
4-19-894592-6   COPY
ISBN 10
4198945926   COPY
出版者記号
19   COPY
Cコード
C0193  
0:一般 1:文庫 93:日本文学、小説・物語
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2020年8月1日
最終更新日
2020年8月27日
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紹介

東山文学の要となる青春小説の金字塔!

元引きこもりの十九歳。中国の砂漠をひた走る!

【20代書店員(女性)感想】

中学時代に告白するもその文章を裏サイトに載せられて引きこもり、Fラン大学に入学しやっと外に出るも今度は中国人の少女を相手に失恋する。
ここで実らない恋だと自覚するも勢いで中国に飛び込む若さゆえの行動は迷走しているとは言え、青春以外の何者でもない。平たく言えば自分探しの旅ですが、その自分探しの舞台が色々な歴史を背負う中国であることや、主人公高良が周りの人々と積極的に混じり合うことによって展開が面白くなっていました。
所々に比喩が混じり、主人公と周りのふとした会話にはどうもさらっと読み進めてはいけない大事なことが見え隠れしていて何回もページで頭をフル回転させました。
好きだったのは森のアトリエのタバコの灰皿のシーンで、『灰皿さえ灰皿でいられない場所で、人間が人間らしく生きられるものだろうか?』
鋭いけど高良らしい視点でこの物語に一貫したテーマがギュッと詰まっていました。

【読者からのメッセージ】
本書の中にみなぎっている活力は読者に走る力を与える。躊躇いをどこかに追いやってくれる。そして、どこかに向かって走りたくなる。バイト先の先輩に誘われた盗難車移送のため、訪れた黄土高原で、偶然目にした、歴史によって狭間に取り残された女性を救うために行動を起こす。結果的にこれは失敗に終わるけれど、高良の中に芽生えた意識は、一連の行動なくして生まれなかった本物の魂だ。彼の恋心は時間を経て人間に対する大きな愛へと成長している。こんな青春パンクを見せつけれて、その場にじっとしていられるわけがない。
『さよなら的レボリューション』改題した作品です。

「どうしてひとりぼっちじゃ駄目なのだろう」

失恋、傷ついた魂、新たな世界への旅、
出会いと諍い、失望と渇望、驚愕、震撼そして
決断――。
主人公、高良伸晃が体験するすべてが愛おしい!

心揺さぶられる物語!

池上冬樹氏『流』や『僕が殺した人と僕を殺した人』で東山彰良に触れた読者は、是非とも本書を手にとって欲しい。東山文学が大きく飛躍するうえで、欠かせない要の作品であることがわかるだろう。

弁当工場でバイトしながら、
三流大学に通う高良伸晃は19歳。

教室で、陸安娜という中国人女子学生に惹かれる。
しかし、安娜に恋心をずたずたに引き裂かれ、
中国に短期の語学研修へ。

その後、上海で偶然出会った
バイト先の先輩に頼まれ、
盗難車の移送のため、一緒に上海から西安、
そして黄土高原の沙漠へと向かう。

中国大陸を疾駆する道中で出会った人々の
凄まじいドラマ。
水漏れした心が旅の中でたどり着いた世界…。

動くことへ熱く駆り立てる長篇青春小説!

著者プロフィール

東山彰良  (ヒガシヤマアキラ)  (著/文

1968年台湾生まれ。中国人の両親とともに5歳まで台北。以降日本育ち。02年第1回『このミステリーがすごい!』大賞銀賞・読者賞を受賞。翌年『逃亡作法TURDONTHERUN』として刊行。2009年『路傍』で第11回大藪春彦賞受賞。2015年『流』で、第153回直木賞受賞。2013年に発表した『ブラックライダー』が大きな話題となる。2016年『罪の終わり』で中央公論文芸賞を受賞。2017年から2018年にかけて『僕が殺した人と僕を殺した人』で、織田作之助賞、読売文学賞、渡辺淳一文学賞を受賞する。『イッツ・オンリー・ロックンロール』『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。』『ラブコメの法則』『キッド・ザ・ラビットナイト・オブ・ザ・ホッピング・デッド』『夜汐』『小さな場所』、エッセイに『ありきたりの痛み』『越境』など著書多数。訳書に『ブラック・デトロイト』(ドナルド・ゴインズ著)『など。

上記内容は本書刊行時のものです。