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鬼才 五社英雄の生涯
発行:文藝春秋
新書判
320ページ
定価
920円+税
- 書店発売日
- 2016年8月19日
- 登録日
- 2016年8月4日
- 最終更新日
- 2016年8月6日
書評掲載情報
2022-09-17 |
朝日新聞
朝刊 評者: サンキュータツオ(学者芸人) |
2020-05-09 |
朝日新聞
朝刊 評者: 呉座勇一(国際日本文化研究センター助教・日本中世史) |
2016-11-20 |
産經新聞
朝刊 評者: 縄田一男(文芸評論家) |
2016-11-06 |
読売新聞
朝刊 評者: 清水克行(日本史学者、明治大学教授) |
2016-10-02 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 佐藤忠男(映画評論家) |
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紹介
『鬼龍院花子の生涯』『極道の妻たち』『陽揮楼』『吉原炎上』『三匹の侍』『人斬り』……極彩色のエンターテイナー、映画監督・五社英雄。
五社作品の持つ情念に魅せられた著者は関係者への徹底した取材を重ねるが、その生涯を描き出すのは困難を極めた。稀代の“ホラッチョ”五社の証言は、背中の彫り物ひとつをとっても同じ人物のものとは思えないほどときにブレる。どこまでが真実でどこからが嘘なのか? これは、全身エンターテイナー──「人を喜ばせる」ことに生涯をかけた男の、ハッタリ上等、虚々実々の物語である。
テレビ界出身だった五社英雄は、長らく日本の映画評論界から不当に無視に近い扱いを受けてきた。その言動は常に毀誉褒貶の対象だった。真っ白なジャケットとズボンで敵だらけの現場に乗り込み、水たまりがあればそのジャケットを脱いで女優にその上を歩かせて周囲の度肝を抜き(しかも翌日にはまた新品同様の白ジャケットで現れる)、80年には銃刀法違反で逮捕され、一時は映画界を追放されて、すべてを失った。
しかし、現在の時代劇やアクションは五社の存在なくしては語れない。今では当たり前の、刀がぶつかり合い、肉を斬り骨を断つ効果音。これらを最初に生み出したのも五社だった。テレビの小さな画面でいかにして映画に負けない迫力や殺気を出すか? 悩んだ末に辿りついた発想だった。
自らの人生も「演出」した男はなぜその背中に鬼を掘り込んだのか? 台本にはなかった「なめたらあかんぜよ!」の秘密とは?
虚実ハッタリ入り乱れた生涯に翻弄されながら、春日太一が渾身の取材で「鬼」の静かで哀切な真実に迫る。
上記内容は本書刊行時のものです。