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染めものがたり 丹羽 花菜子(著/文) - NHK出版
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染めものがたり (ソメモノガタリ)

ムック
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発行:NHK出版
AB判
112ページ
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-14-228852-6   COPY
ISBN 13
9784142288526   COPY
ISBN 10h
4-14-228852-0   COPY
ISBN 10
4142288520   COPY
出版者記号
14   COPY
Cコード
C9477  
9:雑誌扱い 4:ムック・その他 77:家事
雑誌コード
6228852
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2023年4月15日
最終更新日
2023年5月23日
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紹介

環境への関心が高まる中、四季の移ろいに寄り添い、植物の持つ色や力強さを染める「草木染め」。ジャパンブルーと呼ばれ世界的に人気のある藍や、夕暮れの色に例えられる茜など、その美しい色は古来より愛好されてきました。本誌では、従来の渋いイメージを一新するような、モダンな染め作品をつくる染色家を訪ねます。同じ植物でも年や季節によって色のゆらぎがあることや、経年変化があることもいとおしみながら作品づくりをする様子、染めた作品を生活の中にさりげなく生かす方法などを紹介。また、自宅のキッチンでできる、身近な材料で染める手法や、端切れを生かした小さな作品づくりも学びます。
内容紹介
1.丹羽花菜子「藍 暮らしを彩る手ぬぐい」
筑波山のふもとに自宅兼藍染工房を構える。絞りやろうけつ染めで幾何学的なデザインに染められた手ぬぐい、子どものために染めたおくるみやワンピースのほか、インテリアに藍染を生かすアイデアも。
2.小室真以人「桜 色も、人も、一期一会」
草木染めのアパレルアイテムを展開する小室さん。桜の枝を煮出し、回数とともに変化する様子をレポート。また、家庭にあるものだけでできる基本の草木染めについて、たまねぎの皮を例に教わる。
3.中野紘子「栗 色を紡ぐ”座繰り“」
「上州座繰り」と呼ばれる伝統的な手法で蚕から糸を繰り、その糸を染め、作品を織るところまですべて手作業で行う中野さん。栗のいがで染色した糸で織られたストールなど、座繰りならではの手触りのある作品を紹介する。
4.関将史・関裕子「黄 “もったいない”が彩りに」
工房を構える茨城県の農家より譲り受けた農業廃棄物を使用し、ワンピースやカーディガンを制作。収穫後のピーマンの葉や枝を使って、鮮やかなイエローに染め上げる。
5.青木正明・tomoko「貝紫 古代の色に魅せられて」
京都で2人が営むアパレルショップで染め上げられるのは、コットンのTシャツ。古代からの染色を研究する正明さんが染めるのは、ローマ帝国時代から珍重され、その希少性に帝王や法王しか身に着けられなかったと言われる、貝紫。
6.野村春花「柿渋 かばんは時を刻む」
京都で草木染めかばんを制作している野村さん。使い込んで色や質感に変化が出たものもいとおしみ、染め直しや重ね染めもしている。年齢や性別を問わずに使える柿渋染めのバッグの制作過程を追う。
7.山崎和樹・山崎広樹「日本茜(あかね) 親子4代で受け継ぐ心」
初代は「草木染め」の名前の生みの親、2代目は日本画家として活躍しながら、草木染めを広めた山崎家。植物を工房の庭で育てて染料にし、その手法を広く教えている。庭で育てた日本茜で染める様子や、代々の作品を紹介する。
8.山本淑子「山吹 畑で育てた色をつなぐ」
自然農で自ら育てた植物を染料として布を染め、モダンキルトを制作。マリーゴールドで黄色く染めた上に藍を重ね染めし、美しい緑色に。また、紅茶で染めたメッセージカードの作り方を紹介。

目次

1.丹羽花菜子 藍 暮らしを彩る手ぬぐい
2.小室真以人 桜 色も、人も、一期一会    
3.中野紘子 栗 色を紡ぐ‟座繰り”      
4.関将史・関裕子 黄 ‟もったいない”が彩りに
5.青木正明・tomoko 貝紫 古代の色に魅せられて
6.野村春花 柿渋 かばんは時を刻む
7.山崎和樹・山崎広樹 日本茜(あかね) 親子4代で受け継ぐ心
8.山本淑子 山吹 畑で育てた色をつなぐ  

著者プロフィール

丹羽 花菜子  (ニワ カナコ)  (著/文

染色家。北海道札幌市生まれ。武蔵野美術大学在学中から藍染め工房に通い、卒業後そのまま就職。9年後に独立。結婚を機に茨城県つくば市に移り住み、藍染風布として作家活動を開始。2020年に今の地に移り住み、作品づくりにいそしむかたわら畑も耕す。2022年に生まれた長男も加わり、家族4人で賑やかに暮らしている。

小室真以人  (コムロ マイト)  (著/文

染色家。1983年福岡県生まれ。染色工房を営む父のもとで、幼い頃から草木染めを手伝いながら育つ。ものづくりの楽しさを感じ、東京藝術大学美術学部工芸科へ進学。さまざまな手法や素材を使った工芸を学びながら自分の道を模索したが,草木染めの世界を選択。多くの人に届くよう、アパレルブランド「Maito Design Works」を設立し、草木染めの間口を広げている。色の研究も並行して続け、ワークショップも開催。

中野 紘子  (ナカノ ヒロコ)  (著/文

染色家。群馬県生まれ。上州座繰りの歴史や繭から糸を生み出す作業に魅了され、製糸技術を学ぶ。2003年に工房「canoan」を開き、座繰り染織家として活動を開始。12年より各地のギャラリーや百貨店などで定期的に個展を開催している。13年からは座繰り染織の教室を開催、技術の普及にも努める。

関 将史・関 裕子  (セキ マサフミ セキ ユウコ)  (著/文

染色家。将史氏は茨城県生まれ、裕子氏は長崎県生まれ。東京の服飾専門学校時代に出会って結婚、2018年から茨城を拠点に「futashiba248」というユニット名で活動を開始。県内の農業廃棄物を生かしてつくる色を「農カラー」と名づけて作品を生み出している。農作物の生産者と消費者をつなぐ染色体験イベントや、地域での染色講師なども行う。

青木 正明・tomoko  (アオキ マサアキ トモコ)  (著/文

染色家。青木氏は関東、tomoko氏は兵庫出身。ともに大手インナーメーカーに就職。青木氏は奈良にある益久染織研究所勤務を経て、2002年に独立し「tezomeya」をスタート。tomoko氏は前職の経験を生かして当初から工房運営に携わる。現在、青木氏は大学で准教授を務めるかたわら、古代の色の研究を進めている。Tomoko氏は個人の作品も発表。

野村 春花  (ノムラ ハルカ)  (著/文

染色家。長野県出身。京都の芸術大学を卒業し、同大学で博士号まで取得。学部生の頃に講義で草木染めに出会い、草木染めによるかばん制作を開始。自身のアトリエ工房「haru nomura」を構えて制作を続けている。年に数回の個展を開催するほか、百貨店などの催事にも出店。染め直しやメンテナンスも積極的に受けている。

山崎 和樹・山崎広樹  (ヤマザキ カズキ ヤマザキ ヒロキ)  (著/文

染色家。和樹氏は草木染研究家、学術博士。1957年群馬県高崎市生まれ。父・青樹氏のもとで草木染の研究を始め、1985年に川崎市麻生区の草木工房を開設。作品制作をしながら、講習を通して草木染普及のために尽力。著書も多数。広樹氏は草木染作家、草木染研究家。1988年神奈川県生まれ。2013年から草木染の研究を始め、教鞭をとるかたわら型染帯を中心に多数の展示会に出品し、好評を得ている。

山本 淑子  (ヤマモト シュクコ)  (著/文

染色家、草木染めキルト作家。神奈川県鎌倉市出身。小田原市在住。会社勤めをしながらキルト教室に通って技術を身につけ、独学で草木染めを始める。2度渡米し、キルト作家のナンシー・クロウ氏のもとで学ぶ。2015年に独立し、「Shukuko Quilt」として草木染めのモダンキルトと生活雑貨を制作。畑を借り、無農薬で、かつ化学肥料や有機肥料などを使わない「リジェネラティブ農業」を実践。草木染めの原料となる植物や日々の野菜を育てながら、制作活動をしている。

上記内容は本書刊行時のものです。