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残酷な進化論 更科 功(著/文) - NHK出版
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残酷な進化論 (ザンコクナシンカロン) なぜ私たちは「不完全」なのか (ナゼワタシタチハフカンゼンナノカ)

新書
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発行:NHK出版
新書判
224ページ
定価 800円+税
ISBN
978-4-14-088604-5   COPY
ISBN 13
9784140886045   COPY
ISBN 10h
4-14-088604-8   COPY
ISBN 10
4140886048   COPY
出版者記号
14   COPY
Cコード
C0245  
0:一般 2:新書 45:生物学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年9月17日
最終更新日
2019年10月7日
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書評掲載情報

2019-12-08 読売新聞  朝刊
評者: 加藤徹(明治大学教授、中国文学者)
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紹介

ヒトは心臓病・腰痛・難産になるように進化した!

複雑な道具を使いこなし、文明を築いて大繁栄した私たちヒトは、じつは「ありふれた」生物だった──。人体は「進化の失敗作」? ヒトも大腸菌も生きる目的は一緒? 私たちをいまも苦しめる、肥大化した脳がもたらした副作用とは? ベストセラー『絶滅の人類史』の著者が「人体」をテーマに、誤解されがちな進化論の本質を明快に描き出した、知的エンターテインメント!

『絶滅の人類史』著者、待望の新作!
心臓病・腰痛・難産になるようヒトは進化した!
最新の研究が明らかにする、
人体進化の不都合な真実──

「人体」をテーマに進化の本質を描く
知的エンターテインメント
・ヒトのほうがチンパンジーよりも、じつは「原始的」だった!
・ヒトは腸内細菌の力を借りなければ、食事も1人でできない!
・人類よりも優れた内臓や器官を持った生物は山ほどいる!
・生物の寿命も進化によってつくられた!

目次

     はじめに

  序章 なぜ私たちは生きているのか
     生きる目的はあるか/台風も「生きて」いる
     生きるようにつくられたのが生物/生きるために食べる

第1部 ヒトは進化の頂点ではない
 第1章 心臓病になるように進化した
     一将功成りて万骨枯る/肺が壊れないための工夫
     心臓を分けて使う/アイスマンが教えてくれること
     心臓は進化の設計ミスか

 第2章 鳥類や恐竜の肺にはかなわない
     なぜキンギョに肺があるか
     釣られた魚がすぐに死ぬ理由
     切ってつなげるのは無理
     魚の血液循環は効率が悪い
     水中生活の苦労/進化のリレー
     哺乳類は日陰者だった

 第3章 腎臓・尿と「存在の偉大な連鎖」
     存在の偉大な連鎖/問題は窒素の捨て方
     卵の中が「尿素辛く」なる
     もっとも優れているのは尿酸
     トカゲと私たちはどちらが優れているか
     ヒトは進化の最後の種ではない

 第4章 ヒトと腸内細菌の微妙な関係
     前と後ろの見分け方
     消化管の中は細菌だらけ
     管腔内消化と膜消化/腸内細菌との競争

 第5章 いまも胃腸は進化している
     大人になってもミルクを飲むなんて
     ラクターゼ活性持続症は自然淘汰で広がった
     ミルクのどこがよいのか
     私たちは旧石器時代の生活をすべきか
     方向性選択と安定化選択/進化は意外に速く進む

 第6章 ヒトの眼はどれくらい「設計ミス」か
     半分できた眼は役に立たない/進化する場合としない場合
     いろいろな眼からわかること
     眼が進化する道はたくさんある
     私たちの眼が進化してきた道/進んだり戻ったりする進化
     私たちの眼は半分できた眼か

第2部 人類はいかにヒトになったか
 第7章 腰痛は人類の宿命だけれど
     昆虫と脊椎動物/魚に脊椎は必要か
     最初の骨は「貯蔵庫」だったか
     脊索があると体が縮まない/「貯蔵庫」から脊椎へ
     立ち上がった脊椎/脊椎の不自然な使われ方
     なぜ5億年も脊椎がなくならなかったか

 第8章 ヒトはチンパンジーより「原始的」か
     足の代わりに手がついている動物
     チンパンジーの手とヒトの手
     私たちの手は独特か/「原始的」と「派生的」
     ヒトとチンパンジーの最終共通祖先

 第9章 自然淘汰と直立二足歩行
     明日のことなど考えない/大きな木に登るには
     小さな木に登るには/なぜチンパンジーはいまも四足歩行か

 第10章 人類が難産になった理由とは
     卑怯なコウモリと骨盤の形/アウストラロピテクスの足跡
     人類はなぜ難産なのか/あちらを立てればこちらが立たず

 第11章 生存闘争か、絶滅か
     ヒト対ウマのマラソン/ヒトは「追いかける」ことは得意
     怠け者のホモ・エレクトゥス/生存闘争の真実
     ダーウィン進化論の誤解

 第12章 一夫一妻制は絶対ではない
     人類が類人猿から分かれた理由/なぜ牙がなくなったか
     直立二足歩行と中間的な社会/人類の本質とは
     類人猿との比較/難産と社会的出産
     ヒトの赤ちゃんは一番世話が焼ける
     私たちは一夫一妻制に向いていないのか

  終章 なぜ私たちは死ぬのか
     細菌は40億歳/寿命は進化によってつくられた
     シンギュラリティはすでに起きている
     「死」が生物を生み出した

     おわりに

著者プロフィール

更科 功  (サラシナ イサオ)  (著/文

1961年、東京都生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。博士(理学)。東京大学総合研究博物館研究事業協力者。明治大学・立教大学兼任講師。専門は分子古生物学で、主なテーマは「動物の骨格の進化」。主な著書に『絶滅の人類史──なぜ「私たち」が生き延びたのか』(NHK出版新書)、『化石の分子生物学──生命進化の謎を解く』(講談社現代新書、講談社科学出版賞受賞)、『進化論はいかに進化したか』(新潮選書)など。

上記内容は本書刊行時のものです。