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オープンダイアローグ 実践システムと精神医療 石原 孝二(編集) - 東京大学出版会
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オープンダイアローグ 実践システムと精神医療 (オープンダイアローグ ジッセンシステムトセイシンイリョウ)

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A5判
208ページ
定価 3,200円+税
ISBN
978-4-13-060415-4   COPY
ISBN 13
9784130604154   COPY
ISBN 10h
4-13-060415-5   COPY
ISBN 10
4130604155   COPY
出版者記号
13   COPY
Cコード
C3047  
3:専門 0:単行本 47:医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年3月
書店発売日
登録日
2021年12月23日
最終更新日
2022年4月1日
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紹介

世界最多の精神科病床、身体拘束の問題などを抱える日本の精神科医療にとって、オープンダイアローグのアプローチは衝撃を与えた。精神科医療一般や臨床心理、地域精神医療との関係をふまえて、この「対話実践」の日本での取り組みや体制づくりの展開を提示する。

目次

はじめに(石原孝二・斎藤 環)

Ⅰ オープンダイアローグのシステムと思想

1 オープンダイアローグのシステムと実践の基盤(石原孝二)
 1 はじめに──7 つの原則の確認
 2 西ラップランドでなぜ可能だったのか?
 3 日本でオープンダイアローグを阻む3つの障壁
 4 日本で何ができるのか、何を目指すべきか
 5 ピアサポートとオープンダイアローグ

コラム1 フィンランドの風土とオープンダイアローグ(森下圭子)
 1 冬戦争の精神と、戦後の復興
 2 気が付けば世界一幸せな国に
 3 ヨーロッパの日本、フィンランド
 4 森の民と個性
 5 フィンランドの風土とオープンダイアローグ

コラム2 障害者運動とオープンダイアローグ(熊谷晋一郎)
 1 recovery movement──アメリカの精神障害者運動
 2 対話と制度化
 3 当事者主導型オープンダイアローグに向けて

II オープンダイアローグと精神科医療・臨床心理

2 オープンダイアローグは日本の精神医療の扉を開くか(高木俊介)
 1 はじめに
 2 オープンダイアローグとの出会い)
 3 日本の精神科医療の行き詰まりとACTの実践
 4 オープンダイアローグのシステムと思想
 5 ポリフォニーへの道は遠く
 6 おわりに

3 ダイアローグ実践の哲学と臨床姿勢(白木孝二)
 1 オープンダイアローグの基本的考え方
 2 ダイアローグは「対話」なのだろうか?
 3 ニード適合型アプローチと自己定義ニード
 4 ダイアローグ実践の基本──話を聞くこと
 5 ダイアローグのプロセスと、決めるプロセスを分けること
 6 ダイアローグ実践におけるセラピストの質問とリフレクティング
 7  セラピストに必要な不確実性への耐性の重要側面、カテゴリー分類を避けること
 8 「ダイアローグモード」と、「問題解決モード」を分けて考えること
 9 オープンダイアローグ実践の二つの捉え方
 10 おわりに

4 開業心理相談とオープンダイアローグ(信田さよ子)
 1 はじめに
 2 当事者から知らされる
 3 突破口としての期待
 4 家族との先行するつながりと介入
 5 OD実施における権力関係
 6 ODは楽しい──お任せと一対一からの解放
 7 心理劇とのつながり
 8 「採算が合うか」という視点
 9 おわりに

III オープンダイアローグと地域精神医療

5 地域精神医療とオープンダイアローグ( 下平美智代)
 1 はじめに
 2 脱施設化の流れの中で
 3 家族は重要である
 4 「ニーズ適応型治療」との出会い
 5 治療ミーティング
 6 治療ミーティングを優先的に実践することを支える組織的体制
 7 おわりに

6  オープンダイアローグから学んだことをACT の実践に取り入れてみて変化として認識されたこと (伊藤順一郎・福井里江)
 1 はじめに
 2 本章の方法
 3 ACTとはどういうプログラムであるか
 4 日本にACTを導入するに際して、何を学び、どのようなことを大切にしたか
 5 ODを学び、その際に何がACTと異なると感じたか、どのような特徴をODに見出したのか
 6 ACTの臨床にODの対話の要素を導入しようという試みが何をもたらしつつあるか
 7 本報告の意義と限界
 8 おわりに

7 認知症とオープンダイアローグ(森川すいめい)
 1 はじめに
 2 「もっと患者さんと話をしなさい」「もっと家族と話をしなさい」
 3 輪になって話す
 4 即時に会う、現場で会う
 5 本人のいないところで本人のことを話さない
 6 訪問診療というNeed-Adapted Approach
 7 それでも精神科医療が必要なときがあった
 8 そして本気の対話が必要なときがあった
 9 おわりに

IV オープンダイアローグのトレーニングと実践に向けた試み

コラム3 トレーニングコース(大井雄一)
 1 はじめに
 2 日本におけるトレーニングコースの紹介
 3 海外におけるトレーニングコース紹介
 4 トレーナー養成コース紹介
 5 結びに代えて──トレーニング体験の振り返り

コラム4 クリニックと訪問看護ステーションを一体化した実践(西村秋生)
 1 オープンダイアローグの実践を想定した開設
 2 オープンダイアローグを実践するとは
 3 「私には怒る権利すらない」

コラム5 精神科訪問看護という、ひととの出逢いかた──オープンダイアローグでつながり深まる世界の中で(三ツ井直子)
 1 出逢いの舞台は暮らしの中にある
 2 オープンダイアローグとの出逢い
 3 聞かれる体験を通じて、主観的世界の中での感情が伝わっていく
 4 統合失調症を持つ弟の姉として、精神科訪問看護師として
 5 オープンダイアローグと出逢って6年経った今、思うこと

コラム6 琵琶湖病院における対話実践の取り組み(村上純一・山中一紗)
 1 はじめに
 2 対話実践との出会い
 3 当院での対話実践
 4 対話実践と出会ってから──私たちには何が必要か?
 5 Aさんの事例
 6 取り組みを通じた変化
 7 おわりに

コラム7 オンライン診療の実態とリモート対話実践プログラム(RDP) (斎藤 環)
 1 オンライン診療のメリット・デメリット
 2 対話実践への応用
 3 リモート対話実践プログラム(RDP)

おわりに──オープンダイアローグとパンデミックと人権 (石原孝二)

著者プロフィール

石原 孝二  (イシハラ コウジ)  (編集

東京大学大学院総合文化研究科教授

斎藤 環  (サイトウ タマキ)  (編集

筑波大学医学医療系教授

上記内容は本書刊行時のものです。