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共通教化と教育勅語
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年3月18日
- 書店発売日
- 2019年3月18日
- 登録日
- 2019年2月6日
- 最終更新日
- 2019年3月25日
書評掲載情報
2019-12-08 |
毎日新聞
朝刊 評者: 加藤陽子(東京大学教授・日本近代史) |
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紹介
日本の近代教育は欧米の知を導入しながらも,日本の国民教育であらねばならなかった.鈴木雅之,吉田熊次,海後宗臣の言説とその背景の文脈に分け入り,教育勅語に代表される,国民の道徳,国民の情操を教化する制度としての日本近代教育の淵源に再照明をあてる.
目次
まえがき
第1章 共通教化の概念
はじめに
第一節 定義と原像
1 現在のイメージ
2 漢字の二つのイメージ
3 教育と教化の用例
4 定義と原像
第二節 共通教化の析出
1 鈴木雅之の共通教化構想
2 大教院の試行の意義
第三節 共通教化の変容
1 教育勅語
2 国民道徳
3 「皇道ノ道」
おわりに
第2章 残賊の神勅の解釈史
第一節 漢文訓読の隘路
第二節 天壌無窮の神勅の前提としての残賊の神勅
第三節 残賊をめぐって
第四節 孟子問題をめぐって
第五節 中世までの「残賊」の解釈
第六節 近世における「残賊」の解釈
第七節 鈴木雅之と孟子
第3章 国学における事実問題
はじめに
第一節 「事実」の方法論とその矛盾
1 平田篤胤における「事実」概念
2 科学的常識による疑問の発生
第二節 明治国学における教育と教化
1 「共通教化」の析出
2 新しい神学の形成
3 小中村清矩による合理化教化
4 堀秀成における教育と教化の分離
おわりに
第4章 共通教化の析出
第一節 鈴木雅之の位置と研究目的
第二節 教育と教化の位相
第三節 教育=教化的構想から共通教化へ
第四節 まとめ
第5章 東京と大教院
第一節 神仏分離と大教宣布
1 神仏分離と社寺行政
2 大教宣布と宣教徒
3 宗門大意
第二節 神仏合同布教と大教院
1 府下の説教の開始
2 東京府と教部省の対立
3 学校と教院
4 小教院と私宅教導
5 中教院の活動
第三節 合同布教の停止と独自布教
第6章 大教院の教化基準
第一節 章程と条例の内容
第二節 教部省の教書統制
まとめ
第7章 日本教育史学の成立
はじめに
第一節 日本教育史略の成立
第二節 増補としての『文芸類纂』
第三節 『古事類苑』と『日本教育史』
おわりに
第8章 吉田熊次教育学の成立と教育勅語
第一節 教育勅語と教育学の乖離
第二節 教育勅語の浮上
第三節 国民道徳による教育的倫理学の成立
おわりに
第9章 国民道徳論と井上哲次郎不敬事件
はじめに
第一節 学院紛争のなかの不敬事件
第二節 不敬認識をめぐって
第三節 国民道徳論の研究的性格
おわりに
第10章 宗教的情操論の矛盾
はじめに
第一節 文部次官通牒に至るまで
第二節 吉田熊次の評価をめぐって
第三節 宗教教育協議会と文部次官通牒
第四節 各種の審議会における扱い
おわりに
第11章 日本精神論と芸術学
第一節 芸術学の日本精神とその矛盾
第二節 委員の構成
第三節 各回学会の発表内容
1 第一回芸術学会(一九三九年)
2 第二回芸術学会(一九四一年)
3 第三回芸術学会(一九四三年)
小括
国体・日本精神と教学刷新
第12章 「皇国ノ道」概念の機能と矛盾
はじめに――概念としての「皇国ノ道」
第一節 吉田熊次の「国民道徳」論
第二節 聖訓の述義に関する協議会での解釈変更
第三節 「皇国ノ道」の導入
第四節 吉田熊次による批判
第五節 様々な受容
おわりに
あとがき
Kyotsu-kyoka(Common Leading) and kyoiku-chokugo(The Imperial Rescript on Education)
Yoichi TAKAHASHI
上記内容は本書刊行時のものです。