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ポピュリズムの政治社会学 松谷 満(著/文) - 東京大学出版会
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ポピュリズムの政治社会学 (ポピュリズムノセイジシャカイガク) 有権者の支持と投票行動 (ユウケンシャノシジトトウヒョウコウドウ)

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A5判
268ページ
定価 4,000円+税
ISBN
978-4-13-030185-5   COPY
ISBN 13
9784130301855   COPY
ISBN 10h
4-13-030185-3   COPY
ISBN 10
4130301853   COPY
出版者記号
13   COPY
Cコード
C3031  
3:専門 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年9月
書店発売日
登録日
2022年6月21日
最終更新日
2022年9月1日
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紹介

橋下徹、河村たかし、小泉純一郎……
かれらポピュリストを、なぜ人びとは支持するのか?

21世紀初頭の日本に出現したポピュリスト政治家たち。かれらはなぜ、そしてどのような人びとに支持されているのか? 橋下徹、河村たかし、小泉純一郎のいくつかの選挙における有権者への意識調査の実証データをもとに、日本のポピュリズムの独自性を明らかにする。


【「はじめに」より】
私たちの敵は政治のエリートであり、既得権益層である。その腐敗し、停滞した政治を打破できるのは、この私である――そのようなアピールのもと、既存の政治を一掃するかのような勢いで人々の期待を集め選挙に勝利する。橋下徹(元大阪府知事・市長)や小泉純一郎(元首相)ら、いわゆるポピュリスト政治家のイメージはそんなところではないか。

こうしたポピュリスト政治家の力の源泉は、いうまでもなく有権者一人一人の支持の積み重ねである。しかし、その支持層は多くの場合捉えがたい。ポピュリスト政治家が颯爽と登場し、なぜかしらそこに支持が集まっていく。それまでは他の政党を支持していた人、ふだんは政治にも選挙にも関心がなかった人が、ポピュリスト支持層となり、ポピュリズム現象として顕在化する。

ポピュリスト政治家に対する支持は、既存の政党支持構造にまったく制約されないかのごとく広がった。だからこそ、私たちはそのことに驚き、多くの関心を寄せてきた。仮に、その支持がほんの少数にとどまったならば、一風変わった政治家として一時の記憶に残るだけであっただろう。

では、21世紀初頭の日本に現れたポピュリスト政治家を支持したのは、どのような人々だったのだろうか。誰がなぜ、彼らを支持し、彼らに投票したのだろうか。本書の目的は、有権者を対象に行った複数の質問紙調査を分析し、この問いを明らかにすることである。先に述べたように、ポピュリスト政治家の力の源泉は、ただ有権者の支持のみにある。ならば、その支持のしくみを理解することが、この現象の理解をより促すことになるだろう。

目次

序章 ポピュリズムとは何か
 1 はじめに
 2 ポピュリズムとは何か
 3 ポピュリストとは誰か
 4 本書が対象とするポピュリスト政治家
 5 ポピュリズム台頭の背景
 6 本書の構成

1章 誰がポピュリストを支持するのか
 1 誰がなぜ支持するのか
 2 仮説と変数
 3 分析
 4 考察

2章 “橋下流”選挙の勝因
 1 問題
 2 経緯
 3 前哨戦としての統一地方選
 4 ダブル選挙
 5 考察

3章 河村“庶民〈革命〉”
 1 問題
 2 名古屋市議会リコール運動
 3 トリプル投票
 4 出直し市議選
 5 名古屋の〈革命〉とは何だったのか

4章 小泉“劇場型選挙”再訪
 1 郵政選挙とは何だったのか
 2 郵政選挙に関する先行研究
 3 郵政選挙の投票行動分析
 4 考察

5章 ポピュリスト市民
 1 問題
 2 先行研究
 3 ポピュリスト志向の簡易指標に関する検討
 4 ポピュリスト志向は社会意識とどのような関連にあるのか
 5 ポピュリスト志向の帰結
 6 考察

終章 ポピュリズムのゆくえ
 1 本書の知見
 2 結論
 3 課題と展望

著者プロフィール

松谷 満  (マツタニ ミツル)  (著/文

1974年福島県に生まれる。1998年名古屋大学文学部卒業。2004年大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。現在は中京大学現代社会学部准教授。博士(人間科学)。

主要著作に「若者はなぜ自民党を支持するのか」(吉川徹・狭間諒多朗編『分断社会と若者の今』大阪大学出版会、2019年)、『ネット右翼とは何か』(樋口直人・永吉希久子・倉橋耕平・ファビアン=シェーファー・山口智美と共著、青弓社、2019年)、『3.11後の社会運動――8万人のデータから分かったこと』(樋口直人と共編著、筑摩書房、2020年)、「世論は『右傾化』したのか」(小熊英二・樋口直人編『日本は「右傾化」したのか』慶應義塾大学出版会、2020年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。