版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
国宝の政治史 家永 真幸(著) - 東京大学出版会
.
【利用不可】

国宝の政治史 (コクホウノセイジシ) 「中国」の故宮とパンダ (チュウゴクノコキュウトパンダ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
A5判
352ページ
価格 5,400円+税
ISBN
978-4-13-026156-2   COPY
ISBN 13
9784130261562   COPY
ISBN 10h
4-13-026156-8   COPY
ISBN 10
4130261568   COPY
出版者記号
13   COPY
Cコード
C3022  
3:専門 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年8月1日
書店発売日
登録日
2017年8月31日
最終更新日
2018年4月13日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2017-10-29 読売新聞  朝刊
評者: 出口治明(ライフネット生命創業者)
2017-10-07 日本経済新聞  朝刊
MORE
LESS

紹介

近代国家「中国」が,どのようにして故宮とパンダを国宝と呼ばれるようにしたのか? その歴史的変遷を考察し,本来的には恣意的な線引きにすぎない近代国家の「領土」や「国民」の境界線が,現代においていかに固定化され,維持されているのか,本書を通じてその一端を解明する.

目次

はじめに
序 章 
1 問題はどこにあるのか
2 本書の目的と意義
3 どのような視点で分析するのか
4 本書の構成

I 中国の近代国家建設と国宝形成

第1章 ミュージアム概念の受容――清末中国における「博物館」(一八四〇年代─一九〇〇年代)
1 「博物館」という語の登場
2 外来文化としての「ミュージアム」 
3 清末の博物館創設事業
おわりに
     
第2章 「保護」の思想と歴史の継承――清朝皇室コレクションの「博物館」化(一九〇〇年代─一九二八)
1 清末期の文物「保護」
2 北京政府期の清朝皇室コレクション
3 「故宮博物院」の成立 
おわりに

第3章 文物の移動と「国宝」化――南京国民政府による接収と「故宮文物」形成(一九二八─一九四九)
1 故宮博物院の接収と文物選別
2 海外出展と「国宝」化
3 故宮文物の台湾移転
4 毛公鼎の接収――中央博物院との合流
おわりに

第4章 近代的シンボルの創出――南京国民政府期における「パンダ外交」の形成(一九二八─一九四九)
1 海外発のパンダ・ブーム
2 無関心から禁猟へ
3 国際宣伝戦とパンダ
4 「パンダ外交」のルーチン化
おわりに

II 分断国家の国宝をめぐる中台関係の展開

第5章 国際冷戦体制下の文化内戦――故宮文物をめぐる国共対立の展開(一九四九─一九七二)
1 台中における保管
2 中国共産党による北京故宮の接収
3 分断国家問題の「文化内戦」化
4 故宮文物の海外出展に込められた期待
5 「台北故宮」の成立
おわりに

第6章 文化内戦の脱冷戦化と国際レジーム化――中華人民共和国による「パンダ外交」の継承(一九四九─二〇一一)
1 首都北京におけるパンダの飼育・展示
2 国際冷戦下のパンダ外交
3 対日パンダ外交
4 パンダの新たな政治的地位
おわりに

第7章 分断の解消,肯定,迂回をめぐる力学――「台湾化する台湾」における中国国宝問題(一九七二─二〇一六)
1 台湾の政治変動と故宮博物院
2 台湾に対するパンダ「贈呈」
3 「分断」故宮の現況
おわりに

終 章
1 故宮文物とパンダの国宝化過程の共通点
2 「国境の存否」を政治問題化し続ける「国宝の移動」
3 複数の「国宝」観を並存させる政治
4 国宝を国宝たらしめてきた政治力学

あとがき

Redefining“Chinese”National Treasures: A Political History of the Palace Museum and Pandas
Masaki IENAGA

著者プロフィール

家永 真幸  (イエナガ マサキ)  (

東京医科歯科大学准教授

上記内容は本書刊行時のものです。