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人生は、日々の当たり前の積み重ね 曽野綾子(著/文) - 中央公論新社
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人生は、日々の当たり前の積み重ね (ジンセイハ、ヒビノアタリマエノツミカサネ)

新書
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新書判
192ページ
定価 800円+税
ISBN
978-4-12-150780-8   COPY
ISBN 13
9784121507808   COPY
ISBN 10h
4-12-150780-0   COPY
ISBN 10
4121507800   COPY
出版者記号
12   COPY
Cコード
C1295  
1:教養 2:新書 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2022年11月9日
最終更新日
2022年12月5日
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紹介

夫の三浦朱門が亡くなって2年が経つ。知り合いには「私は同じ家で、同じように暮らしております」といつも笑って答えている。見た目の生活は全く変わらないが、夫の死後飼い始めた2匹のネコだけが、家族の数を埋める大きな変化である――老後の日常と気構えを綴るエッセイ集。
●母も夫も亡くなった今、私は監督される人もいないから、思うままに暮らすことにした。生まれてこの方味わったことにない自由の境地である。猫を抱いたまま、「二人」で眠ってしまうこともある。
●与えねばならない仕事があるということは幸せなことだ。それがないと「自分がしてもらう」だけの立場になり、運動能力、配慮、身の処し方、すべてが衰えてくるだろう。
●年を取ってしなくてよくなったものには、お金の計算もある。百歳まで生きるとしても、その間にかかる費用は一瞬のうちに「目の子」でわかるようになったからだ。
●人間は与えられているものの価値は、すぐに忘れるか、評価しない。しかし「ないものを数えるより、あるものを数えたほうがいい」という幸福の極意は忘れないようにするべきだ。そして更にあるものを増やしていけば、日本人は幸福な国民になれるはずなのである。
●死期だけは、人間の分際で介入してはいけない。治癒するために一応努力してみて、その結果はもはや「人間業」ではないのである。だから人間は、その個人として最も適切な年齢に死ぬようになっている。その自然な運命を乱すのが、事故と戦争だから、この二つの社会現象だけは起こさないように、社会は努力すべきなのである。
●私が常に人生で「最悪」を想定して生きるようになったのは、自分を守るためだったのだと思う。現実が想定していたより幾分でもマシであれば、絶望せずにすむからだ。それに、しょせん人生なんてその程度のものだと、私は思ったのだ。完全なんてありえない。何かがいつも欠けている。どれかを諦め続ける。それが私の人生だろうと、考えるようになった。
●人生とは、日々の当たり前のことの積み重ねで、充分なのである。

著者プロフィール

曽野綾子  (ソノアヤコ)  (著/文

曽野綾子
1931年、東京に生まれる。作家。53年、三浦朱門氏と結婚。54年、聖心女子大学英文科卒。同年に「遠来の客たち」で文壇デビュー。主な著作に『誰のために愛するか』『無名碑』『神の汚れた手』『時の止まった赤ん坊』『砂漠、この神の土地』『夜明けの新聞の匂い』『天上の青』『夢に殉ず』『狂王ヘロデ』『哀歌』など多数。79年、ローマ教皇庁よりヴァチカン有功十字勲章を受章。93年、日本芸術院・恩賜賞受賞。95年12月から2005年6月まで日本財団会長。

上記内容は本書刊行時のものです。