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落とされなかった原爆――投下候補地の戦後史 鈴木裕貴(著) - 中央公論新社
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【利用可否不明】

落とされなかった原爆――投下候補地の戦後史 (オトサレナカッタゲンバクーートウカコウホチノセンゴシ)

社会一般
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四六判
280ページ
定価 2,000 円+税   2,200 円(税込)
ISBN
978-4-12-110164-8   COPY
ISBN 13
9784121101648   COPY
ISBN 10h
4-12-110164-2   COPY
ISBN 10
4121101642   COPY
出版者記号
12   COPY
Cコード
C1321  
1:教養 3:全集・双書 21:日本歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2025年9月27日
最終更新日
2026年1月14日
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書評掲載情報

2026-01-10 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 佐藤卓己(上智大学教授)
2025-12-27 毎日新聞  朝刊
2025-12-21 読売新聞  朝刊
評者: 福間良明(京都大学教授・歴史社会学者)
2025-11-30 産經新聞  朝刊
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紹介

■書評掲載■
『産経新聞』(2025年11月30日)
『福島民報』『福島民友新聞』『山陰中央新報』『沖縄タイムス』(2025年12月6日)
『中国新聞』(2025年12月7日)
『千葉日報』(2025年12月9日)
『新潟日報』(2025年12月12日)
『読書人』(2025年12月12日)
『中部経済新聞』(2025年12月13日)
『埼玉新聞』『下野新聞』(2025年12月14日)
『京都新聞』(2025年12月18日)
『読売新聞』(2025年12月21日)
『毎日新聞』(2025年12月27日)
『東京新聞』『中日新聞』(2026年1月10日)



原爆が落とされるかもしれなかった、小倉、新潟、横浜、京都。
この史実は、どのようにして発掘され、受け止められ、継承されてきたか。
日米双方の史資料にもとづく空襲記録運動や自治体史編纂、あるいは環境運動、文学・映画等も含め、足元の郷土を知ることから原爆への想像力は始まった。
47都道府県の被団協に注目し、広島・長崎以外の被爆問題も考える。
戦後世代は、どうすれば戦争に当事者意識を持てるのか。
投下候補地からヒントを探る。

目次

はじめに―原爆投下候補地の戦後史

第1章 被爆地以外に残る被爆の痕跡

1 各地に散った被爆者たち
被爆地以外の被爆者/各地の被団協/被爆地との「距離」/「被爆地以外の被爆者」に支えられた被団協/被爆地以外の被爆二世/湖国のカープファン

2 落とされなかった原爆の記憶
ヒロシマ・ナガサキへの道程/投下候補地の存在/落とされなかった4都市/米軍資料のインパクト/「上空の意図」と「地上の証言」

第2章 長崎への贖罪意識―小倉

1 命運を分けた曇天
Primary target KOKURA/「上空」と「地上」の証言/「救われた小倉! 気の毒な長崎!」

2 小倉の原水禁運動
第五福竜丸事件と小倉/投下候補地こそが訴えるべき原水爆禁止/退潮と変容

3 カネミ油症、風船爆弾、そして原爆
北九州市の発足と公害写真展/真夏に降った「雪」/記録作家「林えいだい」の誕生/林えいだいの8・9/足尾から五島へ/「むなしく奇蹟を待つ人々」/油症と原爆の二重被害/風船爆弾と小倉/証言と史料の収集/「地上」と「上空」の視点から/「投下候補地小倉」への推察/風船爆弾と小倉の被爆者たち

4 並存する二つの平和資料館
被爆二世の市長/被爆地以外の原爆関連資料館/二つの資料館/北九州平和資料館をつくる会/公設資料館の開館、民間資料館の閉館/小倉と長崎/続く慰霊

第3章 原爆疎開の伝承―新潟

1 落とされなかった原爆
北国の平和式典/無傷の新潟、焦土の長岡/「予約された都市」としての新潟/原爆への「肩すかし」/官吏たちと一斉疎開/疎開先で迎えられた8・15/新潟日報社と終戦前後

2 新潟版「火垂るの墓」
戦後復興と「戦争体験」の記録/戦中戦後を架橋する「死児」の記憶/一斉疎開と妹の死/野坂昭如と新潟/原資料の不在

3 自治体史の編纂と知事布告資料の発掘
新潟大史学と県史編纂の始動/初の近代史叙述/知事布告資料の発掘/「上空」からの補足資料/投下候補地の「発見」/反核時代の原爆投下候補地/投下候補地に住まう被爆者たち/投下候補地での「原爆展」

4 新潟の被爆者たちと非核平和都市宣言
一通の投書/非核平和都市宣言の策定へ/岡田茉莉子の「被爆体験」/続けられる資料発掘

第4章 大空襲の記録から原爆の記録へ―横浜

1 予約解除された横浜
横浜大空襲/「excellent bombing results」/5月29日が意味するもの

2 空襲記録運動の展開と横浜
「戦場」としての銃後/二重写しとなったベトナム戦争と日本空襲/横浜の記録運動と飛鳥田市政/記録の不在/集められた「地上の証言」/戦災誌の刊行

3 横浜市立大学による米軍資料の発掘
記録運動と横浜市立大学/海外調査と目標検討委員会資料の発見/空襲の記録から原爆の記録へ

4 横浜とヒロシマ・ナガサキ
『資料マンハッタン計画』/祈念碑の建立/横浜の「被爆体験」/横浜大空襲下の峠三吉/横浜からの想像力

第5章 無空襲都市からの想像力―京都

1 「無空襲都市」「非戦災都市」の誕生
AA級目標・京都/スチムソンの「お気に入り」/グローブズと京都/「非戦災都市」の復興/ウォーナー伝説/複数の「神話」「伝説」との挌闘

2 オーテス・ケーリと京都神話
小樽出身のアメリカ人/激戦の裏にあった「日本語講習」/「英霊たち」によって作成されたビラ/「江戸弁」のアメリカ人/デントン神話への疑念/ケーリが迫った「上空の意図」/スチムソン日記と神話の打破/〝爆心地〟羅生門/ケーリへの再批判?/残された課題

3 空襲記録運動と吉田守男
京都の空襲記録運動/『かくされていた空襲』/それでも少なかった空襲/「地上」と「上空」の手がかりをもとに/スチムソン神話への批判/「無空襲」と「無原爆」の意味/打ち破られていく「伝説」/「研究者の認識」と「世間の常識」

4 再生産される古都神話
ケーリと吉田の遺産を継承する/学術出版と反核運動に吉田が与えた影響/サスペンス小説から古典まで/日文研の京都論/続く神話、続けられる抵抗

終章 実証的な想像力の構築へ向けて

出発点としての郷土史/今日の継承策に見られる「飛躍」/「われらみなヒバクシャ」/普遍化への違和/霧散する具体文脈/「朝鮮にも原爆が落とされたんですか?」/普遍と具体の緊張関係の中で/ジャーナリスト金井利博の問いかけ/核権力論と白書運動・目録作成の内接点/ローカル・ヒストリーの可能性/「まだら」の世界の構築へ

おわりに
謝 辞

著者プロフィール

鈴木裕貴  (スズキユウキ)  (

鈴木裕貴

1994年広島県生まれ。2016年立命館大学産業社会学部卒業、21年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得退学。日本学術振興会特別研究員DC1、広島大学原爆放射線医科学研究所研究員、企業勤務等を経て、23年より立命館大学衣笠総合研究機構研究員。

上記内容は本書刊行時のものです。