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悪魔の細菌 ステファニー・ストラスディー(著/文) - 中央公論新社
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悪魔の細菌 (アクマノサイキン) 超多剤耐性菌から夫を救った科学者の戦い (チョウタザイタイセイキンカラオットヲスクッタカガクシャノタタカイ)

社会一般
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四六判
416ページ
定価 3,200円+税
ISBN
978-4-12-005403-7   COPY
ISBN 13
9784120054037   COPY
ISBN 10h
4-12-005403-9   COPY
ISBN 10
4120054039   COPY
出版者記号
12   COPY
Cコード
C0047  
0:一般 0:単行本 47:医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2021年1月11日
最終更新日
2021年2月8日
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書評掲載情報

2021-05-01 日本経済新聞  朝刊
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紹介

か弱い細菌ごときの策略に引っかかるなんて、思ってもみなかった。


私は大陸を股にかけて殺人ウイルスを追跡し、AIDSに対する戦争を仕掛けてきた。ある時は戦いの最前線に立ち、ある時は世界規模での政策立案に携わる人々と議論のテーブルを囲みながら。そう、ウイルスは恐るべき存在だった。では、細菌は? 大した敵ではない。少なくとも、この細菌は恐れるに値しない相手のはずだった。


私は感染症を専門とする疫学者だ。アメリカの大きな大学で国際保健研究所の所長も務めている。他の誰でもなく私こそ、この細菌から自分の夫を守ることができてしかるべきだった。最後にこの細菌を見たのは、大学院に入る前の学部生時代のことだ。私たち学生は、研究室での初歩的な実験で、この細菌を気軽に扱っていた。いつの日か、この細菌の変異体がお前たちを死の淵に追いやり、お前はそのうち、殺し屋ウイルスの大群を注射して夫を救おうとする……。当時、誰かにそう言われていたら、私は相手の頭がおかしくなったのかと思っただろう。だが今、私たちはまさにその言葉通りの状況を迎えていた。              ――本書より

著者プロフィール

ステファニー・ストラスディー  (ステファニー・ストラスディー)  (著/文

公衆衛生学者、疫学者。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校医学部教授。本書の題材となったファージ療法の考案経験から、現在、同大学で「革新的ファージ応用・治療研究センター」の長を務める。『タイム』誌により「ヘルスケアにおいて最も影響力の大きい人物50 名」に選出。

トーマス・パターソン  (トーマス・パターソン)  (著/文

進化社会学者、心理学者。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校精神医学科教授。貧困地域等でのフィールドワークにより、エイズウィルスへの感染リスクを高める行動を明らかにした。統合失調症患者の生活機能を評価する国際的基準を確立し、二十六の言語に翻訳される。本書の執筆においては、闘病中の回想部を担当。

テレサ・H・バーカー  (テレサ・H・バーカー)  (著/文

ジャーナリスト。医師・研究者らのインタビューや、専門家との共著による書籍執筆を得意とする。共著を担当したノンフィクション書は『ニューヨーク・タイムズ』紙等で高い評価を受けており、ウォールストリートジャーナル紙で「今年のノンフィクション書10 選」に選ばれた実績を持つ。

坪子理美  (ツボコサトミ)  (翻訳

1986年栃木県生まれ。翻訳者。博士(理学)。東京大学理学部生物学科卒業、同大学院理学系研究科生物科学専攻博士課程修了。 東京大学ライフイノベーション・リーディング大学院修了。訳書に『なぜ科学はストーリーを必要としているのか--ハリウッドに学んだ伝える技術』(ランディ・オルソン著、慶應義塾大学出版会)、『性と愛の脳科学--新たな愛の物語』(ラリー・ヤング、ブライアン・アレグザンダー著、中央公論新社)等。『自閉症遺伝子--見つからない遺伝子をめぐって』(ベルトラン・ジョルダン著、中央公論新社)の解説を担当。

上記内容は本書刊行時のものです。