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凶暴老人
認知科学が解明する「老い」の正体
- 初版年月日
- 2018年10月8日
- 書店発売日
- 2018年10月3日
- 登録日
- 2018年8月31日
- 最終更新日
- 2018年10月2日
書評掲載情報
2018-11-10 | 朝日新聞 朝刊 |
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紹介
キレる高齢者の脳のメカニズムを解き明かす
駅やコンビニなどでやたらと駅員や乗客、そして店員を怒鳴りつけている高齢者が目立つ。こと暴行犯に限っては右肩上がりで増え続け、平成8年に比べて20倍もの逮捕者が出る始末だ。しかも、こうした「キレる高齢者」というのは、日本だけに見られる傾向であり、世界ではそのようなことはない。欧米では年齢を重ねるごとに幸福度が増すという研究結果があるにもかかわらずだ。
一般的には、男性ホルモンであるテストステロンがピークになる20歳前後がもっとも暴力的になり、他人に暴言を吐いたり、暴力を振るったりするのが普通なのだ。いったいなぜ、日本だけにこのようなお年寄りが増えたのだろうか。
もちろん、孤独や貧困といった外的要因があるのは事実だろう。しかし、本書では認知科学という研究分野から多くの実証実験を重ねて、「キレる高齢者」になりやすい脳のメカニズムを解き明かす。同時に精神的にも追い込まれていく高齢者を取り巻く日本の課題についても言及する。
高齢者にとっての3大不安要素は「カネ・健康・孤独」と言われる。そのあたりも本書を読めば、謎が解けるはずだ。
【編集担当からのおすすめ情報】
最近、やたらと大声で他人を罵倒する高齢者が増えていると思いませんか?駅やコンビニでキレているのはほとんどが分別がつくとされる高齢者です。いったいなぜなのか?著者の川合先生は認知科学の第一人者で高齢者をテーマに様々な実証実験を行っています。豊富な実験データなども余すところなく公開し、その謎に迫ります。
目次
第一章 キレる高齢者は本当に増えているのか
第二章 前頭葉の「機能低下」が感情のブレーキを壊す
第三章 怒りと前頭葉の深い関係
第四章 認知能力は鍛えられる
第五章 冷たい視線に晒される高齢者の社会的存在
第六章 「孤立」が高齢者を追いつめる
上記内容は本書刊行時のものです。