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なし
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心淋し川
発行:集英社
四六判
縦188mm
横131mm
厚さ20mm
重さ 334g
248ページ
定価
1,600円+税
- 書店発売日
- 2020年9月4日
- 登録日
- 2020年7月14日
- 最終更新日
- 2024年3月11日
書評掲載情報
2021-06-26 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 細谷正充(文芸評論家) |
2021-01-30 |
朝日新聞
朝刊 評者: 諸田玲子(作家) |
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紹介
「誰の心にも淀みはある。でも、それが人ってもんでね」
江戸、千駄木町の一角は心町(うらまち)と呼ばれ、そこには「心淋し川(うらさびしがわ)」と呼ばれる小さく淀んだ川が流れていた。川のどん詰まりには古びた長屋が建ち並び、そこに暮らす人々もまた、人生という川の流れに行き詰まり、もがいていた。
青物卸の大隅屋六兵衛は、一つの長屋に不美人な妾を四人も囲っている。その一人、一番年嵩で先行きに不安を覚えていたおりきは、六兵衛が持ち込んだ張方をながめているうち、悪戯心から小刀で仏像を彫りだして……(「閨仏」)。
裏長屋で飯屋を営む与吾蔵は、仕入れ帰りに立ち寄る根津権現で、小さな唄声を聞く。かつて、荒れた日々を過ごしていた与吾蔵が手酷く捨ててしまった女がよく口にしていた、珍しい唄だった。唄声の主は小さな女の子供。思わず声をかけた与吾蔵だったが――(「はじめましょ」)ほか全六話。
生きる喜びと生きる哀しみが織りなす、著者渾身の時代小説。
【著者略歴】
西條奈加(さいじょう・なか)
1964年北海道生まれ。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノべル大賞を受賞し、デビュー。2012年『涅槃の雪』で第18回中山義秀文学賞、2015年『まるまるの毬』で第36回吉川英治文学新人賞を受賞。近著に『亥子ころころ』『せき越えぬ』『わかれ縁』などがある。
上記内容は本書刊行時のものです。