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精読 アレント『人間の条件』 牧野 雅彦(著/文) - 講談社
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精読 アレント『人間の条件』 (セイドク アレント ニンゲンノジョウケン)

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発行:講談社
四六判
320ページ
定価 1,900円+税
ISBN
978-4-06-531428-9   COPY
ISBN 13
9784065314289   COPY
ISBN 10h
4-06-531428-3   COPY
ISBN 10
4065314283   COPY
出版者記号
06   COPY
Cコード
C0310  
0:一般 3:全集・双書 10:哲学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2023年1月27日
最終更新日
2024年4月5日
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紹介

ハンナ・アレント(1906-75年)の『人間の条件』(英語版1958年)は、「人間」とは何か、とどまるところを知らない科学と技術の進歩は人間をどう変化させるのか、といった課題を考える際に不可欠の書として多くの人によって手にされてきた。待望の新訳(講談社学術文庫)刊行に際し、その訳者を務めた第一人者が決定版となる解説書を完成。定評ある『精読 アレント『全体主義の起源』』(講談社選書メチエ)の姉妹篇。『人間の条件』全6章のエッセンス、その背景や可能性を徹底解説!

【本書の内容】
序 章 マルクスと西洋政治思想の伝統
1 古典的政治哲学の成立
2 ソクラテス
3 存在への問いとプラトン
4 近代の転換
5 自然と人間の物質代謝

第I章 観照的生活と活動的生活
1 アウグスティヌスと古代世界の没落
2 不死と永遠

第II章 公的なものと私的なもの
1 アテナイにおける古典的ポリスの成立
2 古代における公私の区分
3 社会的なるものの勃興
4 公的領域の光の喪失
5 私有財産の意味
6 公私の区分の意味

第III章 労 働
1 「労働」と「仕事」
2 「世界」と労働、仕事の位置
3 人間の生と労働の意味
4 労働と生産力
5 私有財産の源泉としての労働
6 労働の労苦からの解放は何をもたらすか
7 大衆消費社会という不幸

第IV章 仕事と制作
1 産業革命における「消費」の無限拡大
2 制作過程の変容
3 功利主義批判
4 工作人と交換市場
5 世界の永続性と芸術

第V章 行 為
1 第二の「出生」
2 行為と人間事象の脆さ
3 ギリシア人の解決としてのポリスと「権力」概念
4 ヘーゲルからマルクスへ
5 行為の代替としての制作
6 人間関係を修復する「奇蹟」としての「許し」
7 行為の「予測不能性」に対する救済としての「約束」
8 自然過程への「行為」の介入

第VI章 近代の開幕と活動のヒエラルキーの転換
1 近代の起点
2 ガリレオによる望遠鏡の発明
3 近代数学と経験からの解放
4 デカルトの懐疑
5 デカルト的内省と共通感覚の喪失
6 観照と活動の伝統的なヒエラルキーの解体
7 制作から過程へ
8 「工作人」の敗北と功利主義の限界
9 労働と生命の勝利
10 展 望

目次

はじめに――地球からの脱出と「人間の条件」の変容

序 章 マルクスと西洋政治思想の伝統
1 古典的政治哲学の成立
2 ソクラテス――自己の内なる対話
3 存在への問いとプラトン
4 近代の転換――ヘーゲルからマルクスへ
5 自然と人間の物質代謝

第I章 観照的生活と活動的生活
1 アウグスティヌスと古代世界の没落(第2節)
2 不死と永遠(第3節)

第II章 公的なものと私的なもの
1 アテナイにおける古典的ポリスの成立(第4節)
2 古代における公私の区分(第5節)
3 社会的なるものの勃興(第6節)
4 公的領域の光の喪失(第7節)
5 私有財産の意味(第8~9節)
6 公私の区分の意味(第10節)

第III章 労 働――自然と人間の物質代謝
1 「労働」と「仕事」(第11節)
2 「世界」と労働、仕事の位置(第12節)
3 人間の生と労働の意味(第13節)
4 労働と生産力(第14節)
5 私有財産の源泉としての労働(第15節)
6 労働の労苦からの解放は何をもたらすか(第16節)
7 大衆消費社会という不幸(第17節)

第IV章 仕事と制作
1 産業革命における「消費」の無限拡大(第18節)
2 制作過程の変容(第19~20節)
3 功利主義批判(第21節)
4 工作人と交換市場(第22節)
5 世界の永続性と芸術(第23節)

第V章 行 為
1 第二の「出生」(第24~25節)
2 行為と人間事象の脆さ(第26節)
3 ギリシア人の解決としてのポリスと「権力」概念(第27~28節)
4 ヘーゲルからマルクスへ──「潜勢力」概念の継承と断絶
5 行為の代替としての制作(第31節)
6 人間関係を修復する「奇蹟」としての「許し」(第33節 その一)
7 行為の「予測不能性」に対する救済としての「約束」(第34節)
8 自然過程への「行為」の介入(第33節 その二)

第VI章 近代の開幕と活動力のヒエラルキーの転換
1 近代の起点──三つの「出来事」(第35節)
2 ガリレオによる望遠鏡の発明──アルキメデスの点の発見(第36節 その一)
3 近代数学と経験からの解放(第36節 その二)
4 デカルトの懐疑──内面世界への逃避(第38節)
5 デカルト的内省と共通感覚の喪失(第39~40節)
6 観照と活動の伝統的なヒエラルキーの解体(第41節)
7 制作から過程へ(第42節)
8 「工作人」の敗北と功利主義の限界(第43節)
9 労働と生命の勝利──キリスト教と近代(第44節)
10 展 望──「労働する動物」の勝利と行為の行方(第45節)


文献一覧
あとがき

著者プロフィール

牧野 雅彦  (マキノ マサヒコ)  (著/文

1955年、神奈川県生まれ。京都大学法学部卒業、名古屋大学大学院法学科博士課程単位取得。名古屋大学助教授、広島大学法学部教授を歴任。現在、広島大学名誉教授。専門は、政治学・政治思想史。
主な著書に、『歴史主義の再建』(日本評論社)、『マックス・ウェーバー入門』(平凡社新書)、『国家学の再建』(名古屋大学出版会)、『ヴェルサイユ条約』(中公新書)、『ロカルノ条約』(中公叢書)、『精読 アレント『全体主義の起源』』、『危機の政治学』(以上、講談社選書メチエ)、『アレント『革命について』を読む』(法政大学出版局)、『ハンナ・アレント』(講談社現代新書)ほか多数。
主な訳書に、ハンナ・アレント『人間の条件』(講談社学術文庫)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。