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読むことのアレゴリー ポール・ド・マン(著/文) - 講談社
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読むことのアレゴリー (ヨムコトノアレゴリー)

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発行:講談社
文庫判
576ページ
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-06-530227-9   COPY
ISBN 13
9784065302279   COPY
ISBN 10h
4-06-530227-7   COPY
ISBN 10
4065302277   COPY
出版者記号
06   COPY
Cコード
C0110  
0:一般 1:文庫 10:哲学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2022年10月26日
最終更新日
2024年2月29日
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紹介

批評界に大きな衝撃を与えるとともに、文学批評はもちろん、哲学・思想の領域にも深い影響を与えた巨人ポール・ド・マン(1919-83年)。ド・マンを領袖とする「イェール学派」は、第一世代に属するハロルド・ブルーム、ジェフリー・H・ハートマン、J・ヒリス・ミラー、第二世代に属するバーバラ・ジョンソン、ショシャナ・フェルマンの名とともに無数の輝かしい成果をあげてきた。その原点に位置するのが本書『読むことのアレゴリー』(1979年)であり、そこで全面的に展開されたド・マンの「脱構築批評」は文字どおり世界を震撼させた。
本書の一貫した主題は、言語の「比喩性」の観点から「読むこと」の本質を考察することにある。テクストに普遍的=不変的な意味を見出そうとする「字義性」に基づく発想をド・マンは虚妄として暴き出す。その帰結として高らかに宣言されるのが、言語はすべて比喩的である、というテーゼにほかならなかった。つまり、言語は絶えず自身とずれていく。それゆえ、語りは決定的な終結を迎えることに必ず失敗し、コミュニケーションはディスコミュニケーションとなる。例えば、アメリカのテレビドラマ『All in the Family』の一話で靴紐の結び方を聞かれた男が口にする「What’s the difference?」という言葉に見られるように、言語は常に「字義どおりの意味(literal meaning)」と「比喩的な意味(figurative meaning)」のあいだで宙吊りになり、意味の決定不可能性に直面するわけである。本書は、このことをルソー、ニーチェ、リルケ、プルーストにも見出される本質的な特性として示し、それらのテクストがみずからを脱構築し、さまざまな内部矛盾を遂行してしまうさまを鮮やかに浮かび上がらせる。
ド・マンの主著にして現代批評理論・現代思想の領域に聳え立つ一大金字塔──その定評ある明快な日本語訳を文庫版で手にできる快楽がここに生まれた。

[本書の内容]
序 文

第I部 修辞(学)
 第1章 記号学と修辞学
 第2章 文 彩(リルケ)
 第3章 読むこと(プルースト)
 第4章 生成と系譜(ニーチェ)
 第5章 文彩のレトリック(ニーチェ)
 第6章 説得のレトリック(ニーチェ)

第II部 ルソー
 第7章 隠 喩(『第二論文』)
 第8章 自 己(『ピュグマリオン』)
 第9章 アレゴリー(『ジュリ』)
 第10章 読むことのアレゴリー(『サヴォワの助任司祭の信仰告白』)
 第11章 約 束(『社会契約論』)
 第12章 言い訳(『告白』)

人名・作品名索引

目次

序 文

第I部 修辞(学)
 第1章 記号学と修辞学
 第2章 文 彩(リルケ)
 第3章 読むこと(プルースト)
 第4章 生成と系譜(ニーチェ)
 第5章 文彩のレトリック(ニーチェ)
 第6章 説得のレトリック(ニーチェ)

第II部 ルソー
 第7章 隠 喩(『第二論文』)
 第8章 自 己(『ピュグマリオン』)
 第9章 アレゴリー(『ジュリ』)
 第10章 読むことのアレゴリー(『サヴォワの助任司祭の信仰告白』)
 第11章 約 束(『社会契約論』)
 第12章 言い訳(『告白』)

訳者あとがき
学術文庫版訳者あとがき
人名・作品名索引

著者プロフィール

ポール・ド・マン  (ポール ド・マン)  (著/文

1919-83年。ベルギーに生まれ、アメリカで活躍した批評家。主な著書に、本書(1979年)のほか、『盲目と洞察』(1971年)、『ロマン主義のレトリック』(1984年)など。

土田 知則  (ツチダ トモノリ)  (翻訳

1956年生まれ。千葉大学名誉教授。専門は、フランス文学・文学理論。主な著書に、『ポール・ド・マン』ほか。主な訳書に、バーバラ・ジョンソン『批評的差異』ほか。

旧版ISBN
978400025463

上記内容は本書刊行時のものです。