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地球温暖化はなぜ起こるのか 気候モデルで探る 過去・現在・未来の地球 真鍋 淑郎(著/文) - 講談社
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地球温暖化はなぜ起こるのか 気候モデルで探る 過去・現在・未来の地球 (チキュウオンダンカハナゼオコルノカ キコウモデルデサグル カコ・ゲンザイ・ミライノチキュウ)

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発行:講談社
新書判
312ページ
定価 1,300円+税
ISBN
978-4-06-528081-2   COPY
ISBN 13
9784065280812   COPY
ISBN 10h
4-06-528081-8   COPY
ISBN 10
4065280818   COPY
出版者記号
06   COPY
Cコード
C0244  
0:一般 2:新書 44:天文・地学
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2022年5月16日
最終更新日
2024年2月5日
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紹介

地球温暖化、そして「気候変動」は、どうすれば解明することができるのか? 

2021年、ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎博士。
この受賞は、「気候システム」という複雑系の物理分野に贈られた初のノーベル賞でもありました。

その「気候システム」という遠大な謎への挑戦が、本書では詳細に語られます。

真鍋先生が初期の研究で用いた大気層を18層に区分、その放射・対流を計算する「1次元の鉛直モデル」からはじまり、成層圏までを、さらに雲による太陽放射の反射率の変化、陸上と海上の違い、極域での氷の面積の変化、緯度・経度による変動や季節要因による変化。さらには、海洋の対流による深層への熱の移動、そして土壌や河川における水の移動まで、2万年前の古気候を再現するというプロジェクトから始まった気候システム解明への挑戦は、その努力によって精緻なシミュレーションを可能としました。

この研究の成果は、非常に高い精度で「地球温暖化」の予測を可能にしていることも知られています。
シミュレーションの中で、CO2の濃度を変化させていったときに、どのような結果が表れるのか。
その結果は、カラーの図とともに本書の随所でていねいに解説されています。
地球温暖化とはなにか? それは、どう考えるべきものなのか? 
いま大きな科学、社会的な関心事でもある地球温暖化についても、深い理解を得ることができます。

本書は、プリンストン大学での真鍋博士の講義をもとに構成されています。
また、本書の監訳を担当した、増田耕一博士、阿部彩子博士も、真鍋先生が1983年に東京大学で行った講義や、その講義録で学んだ研究者でもあります。

「気候システム」という大きな謎、そして地球温暖化という人類的な問題に挑む科学者の探求の軌跡として、21世紀を生きる私たちにとって必読の科学書の登場です。

目次

 カラー図版
 序文・謝辞 

第1章 はじめに

温室効果
<黒体放射とキルヒホッフの法則>
地球温暖化

第2章 初期の研究

熱を捉えて閉じ込める大気
定量的推定の始まり
シンプルな代替案

第3章 1次元モデル

放射対流平衡
CO2の変化に対する応答

第4章 大循環モデル

UCLAモデル
GFDLモデル
 年平均モデル
 季節変化のあるモデル

第5章 初期の数値実験

極域での温暖化増幅
 CO2濃度倍増実験
 入射太陽放射照度の変化
季節変化

第6章 気候感度

放射フィードバック
ゲインファクターという指標
第2種フィードバック
 (1)温度減率フィードバック
 (2)水蒸気フィードバック
 (3)アルベドフィードバック
 (4)雲フィードバック
3次元モデルのフィードバック

第7章 氷期・間氷期の比較

地質学的痕跡
氷期と間氷期のコントラストのシミュレーション

第8章 気候変化における海洋の役割

海洋の熱慣性
大気・海洋結合モデル
初期条件づくりとフラックス調整
地球温暖化実験
大西洋
南大洋

第9章 寒冷な気候と海洋深層水の形成

第10章 地球の水循環はどう変わるか?

水循環の加速
数値実験
緯度方向の分布
河川流量
土壌水分
 乾燥地域・半乾燥地域の乾燥化
 大陸内陸部の夏の乾燥状態
これからどうなるのか?

 あとがき
 監訳者あとがき 阿部彩子・増田耕一

 図版目次
 参考文献一覧
 さくいん

著者プロフィール

真鍋 淑郎  (マナベ シュクロウ)  (著/文

まなべ・しゅくろう 
1931年、愛媛県生まれ。プリンストン大学上級気象研究者、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)フェロー。東京大学数物系研究科地球物理専門課程博士課程(気象学)終了。理学博士。1958年、米国気象局(現:米国海洋大気庁)で気候モデル研究に従事するため渡米。その後、プリンストン大学客員教授を兼任。1997年、日本での共同プロジェクト「地球フロンティア研究システム」において地球温暖化予測研究領域・領域長に就任。2001年に再び渡米し、プリンストン大学客員研究協力者を経て、現職。2021年ノーベル物理学賞を受賞。

アンソニー・J・ブロッコリー  (アンソニー J ブロッコリー)  (著/文

(Anthony J. Broccoli)
米国、ラトガース大学環境科学部 環境・生物科学科特別教授 。1977年、ラトガース大学卒業、気象学専攻。同大学博士号取得(環境科学)。主な研究テーマは気候力学。気候系の数値モデルを用い気候の変化のメカニズムの研究を行う。米国海洋大気庁/地球流体力学研究所(GFDL)、ラトガース大学環境科学部教授、ウッズホール海洋研究所非常勤研究員などを歴任し、現職。

阿部 彩子  (アベ アヤコ)  (翻訳 | 監修

東京大学大気海洋研究所教授。東京大学大学院理学系研究課 地球物理学専攻、スイス連邦国立工科大学(ETH)地学科博士課程、博士号取得(Dr.Sc.Nat)。東京大学気候システム研究センター助手、准教授を経て、現職。1998~2001年には、真鍋博士とともに共同プロジェクトでの古気候研究グループ長も務めた。猿橋賞、欧州ミランコビッチメダル、日本学士院賞などを受賞。共著書に『岩波講座 地球惑星科学〈11〉気候変動論』(住 明正ほか共著 岩波書店)、『全地球史解読』(熊沢峰夫 伊藤孝士 吉田茂生 編・共著 東京大学出版会)『地球温暖化 そのメカニズムと不確実性』(日本気象学会地球環境問題委員会・編集 朝倉書店)など。

増田 耕一  (マスダ コウイチ)  (翻訳 | 監修

立正大学地球環境科学部 環境システム学科教授。専門は大気水圏科学、とくに全地球規模のエネルギーと水の循環。東京大学理学部地球物理学教室助手、東京都立大学理学部地理学教室助教授、海洋研究開発機構 地球環境フロンティア研究センター 水循環プログラムサブリーダーなどを経て、現職。共著書に『大気と水の循環 水文気象を学ぶための14講』(松山 洋 共編 朝倉書店)など、訳書に『温暖化の〈発見〉とは何か』(スペンサー・R・ワート 著 熊井ひろ美 共訳 みすず書房)がある。

宮本 寿代  (ミヤモト ヒサヨ)  (翻訳

お茶の水女子大学大学院理学研究科数学専攻 修士課程修了。『ニコラ・テスラ 秘密の告白』(ニコラ・テスラ著 成甲書房)、『ニューヨークタイムズの数学』(ジーナ・コラータ著 共訳 WAVE出版)、『マスペディア 1000』(リチャード・エルウィス著 ディスカヴァー21)、『数学センスが身につく
本』(アルフレッド・S・ポザマンティエ著 ディスカヴァー21) 、『EMF*D』(ジョセフ・メルコーラ著 IMKブックス)など、理系書の翻訳を行っている。
翻訳協力:株式会社トランネット https://www.trannet.co.jp/

上記内容は本書刊行時のものです。