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狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集 藤澤 清造(著/文) - 講談社
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狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集 (オオカミノトイキ アイゾウイチネン フジサワセイゾウ フノショウセツシュウ)

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発行:講談社
文庫判
416ページ
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-06-516677-2   COPY
ISBN 13
9784065166772   COPY
ISBN 10h
4-06-516677-2   COPY
ISBN 10
4065166772   COPY
出版者記号
06   COPY
Cコード
C0195  
0:一般 1:文庫 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年7月24日
最終更新日
2024年1月24日
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紹介


蘇える木枯しの文士

“どうで死ぬ身の一踊り”を実践し、
自ら破滅へと向かった大正・昭和初期の私小説家。
その生涯を賭した、不屈の「負」の結晶。

藤澤清造生誕一三〇周年


貧苦と怨嗟を戯作精神で彩った作品群から歿後弟子・西村賢太が精選し、校訂を施す。
新発見原稿を併せ、不屈を貫いた私小説家の“負”の意地の真髄を照射する。


芝公園で狂凍死するまでの、藤澤清造の創作活動は十年に及んだ。
貧苦と怨嗟を戯作精神で彩ったその作品群から歿後弟子・西村賢太が十九篇を精選、校訂を施す。
不遇作家の意地と矜恃のあわいの諦観を描く「狼の吐息」、内妻への暴力に至る過程が遣る瀬ない「愛憎一念」、新発見原稿「乳首を見る」、関東大震災直後の惨状のルポルタージュ等、不屈を貫いた私小説作家の“負”の真髄を照射する。


西村賢太
登場時すでにして古めかしいと評され、冷笑視されてもいたその文体だが、当然、小説が日記やレポートの類と違うのは、それが読者に読ませるものでなければならない点にある。その上では何んと云っても文体がモノを言ってくるわけだが、清造の場合、自らの古風、かつ独自の文体をより強固に支えるに戯作者の精神を持ってきた。そこが良くも悪くも、凡百の自然主義作品とは大きく異なるところである。
「解説」より

目次

(小説)
一夜
けた違いの事
秋風往来
狼の吐息
刈入れ時
母を殺す
愛憎一念
予定の狼狽
赤恥を買う
雪空
此処にも皮肉がある 或は「魂冷ゆる談話」
土産物の九官鳥

(新発見原稿)
乳首を見る

(戯曲)

愚劣な挿絵

(ルポルタージュ)
生地獄図抄
われ地獄路をめぐる
焦熱地獄を巡る
めしいたる浅草

解説・年譜・著書目録

著者プロフィール

藤澤 清造  (フジサワ セイゾウ)  (著/文

藤澤清造(1889・10・28~1932・1・29) 小説家。石川県鹿島郡(現・七尾市)生まれ。尋常高等小学校を卒業後に市内で働き始めるが、程なくして右脚に骨髄炎を患い手術、自宅療養の期間を過ごす。役者を志して1906年に上京。足の後遺症で断念したのちは各種職業を変遷する。『演芸画報』誌訪問記者時代に、同誌等に劇評や随筆を発表。1922年に長篇小説『根津権現裏』を三上於蒐吉の尽力で書き下ろし刊行し、島崎藤村、田山花袋らの賞讃を得る。以降、精力的に創作を発表するも、作への不評が相次いで凋落。長年の悪所通いによる性病が因で精神に変調を来たし、内妻への暴力行為、彷徨しての警察への勾留等が続いた末に失踪。厳寒の芝公園内ベンチで凍死体となっているのを発見される。当初は身元不明の行路病者として荼毘に付された。

西村 賢太  (ニシムラ ケンタ)  (著/文 | 解説 | 編集

1967(昭和42)年7月12日、東京都江戸川区生まれ。中卒。新潮文庫版『根津権現裏』『藤澤清造短篇集』角川文庫版『田中英光傑作選 オリンポスの果実/さようなら他』を編集、校訂、解題。著書に『どうで死ぬ身の一踊り』『暗渠の宿』『二度はゆけぬ町の地図』『小銭をかぞえる』『随筆集 一私小説書きの弁』『人もいない春』『寒灯・腐泥の果実』『西村賢太対話集』『一私小説書きの日乗』(既刊六冊)『棺に跨がる』『形影相弔・歪んだ忌日』『けがれなき酒のへど 西村賢太自薦短篇集』『薄明鬼語 西村賢太対談集』『随筆集 一私小説書きの独語』『やまいだれの歌』『下手に居丈高』『無銭横町』『夢魔去りぬ』『風来鬼語 西村賢太対談集3』『蠕動で渉れ、汚泥の川を』『芝公園六角堂跡』『夜更けの川に落葉は流れて』『藤澤清造追影』などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。