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出版者情報
山海記
発行:講談社
四六変型判
274ページ
定価
2,000円+税
- 書店発売日
- 2019年3月22日
- 登録日
- 2019年2月20日
- 最終更新日
- 2024年3月15日
書評掲載情報
2019-12-28 |
朝日新聞
朝刊 評者: 諸田玲子(作家) |
2019-12-15 |
毎日新聞
朝刊 評者: 持田叙子(日本近代文学研究者) |
2019-12-15 |
毎日新聞
朝刊 評者: 三浦雅士(評論家) |
2019-05-19 |
毎日新聞
朝刊 評者: 持田叙子(日本近代文学研究者) |
2019-05-18 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 大澤聡(メディア史研究者) |
2019-05-12 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 宇江敏勝(作家) |
2019-04-21 |
読売新聞
朝刊 評者: 山内志朗(慶應大学教授、倫理学者) |
2019-04-14 | 毎日新聞 朝刊 |
2019-04-13 |
朝日新聞
朝刊 評者: 諸田玲子(作家) |
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紹介
東北の大震災後、水辺の災害の歴史と土地の記憶を辿る旅を続ける彼は、その締めくくりとすべく、大震災と同じ年に台風12号による記録的な豪雨に襲われた紀伊半島に向かった。バスの車窓から見える土砂災害の傷跡を眺める彼の胸中には、クラシック好きで自死した友・唐谷のことなど、さまざまな思いが去来する。現代日本における私小説の名手が、地誌と人びとの営みを見つめて紡ぐ、人生後半のたしかで静謐な姿。
東北の大震災後、水辺の災害の歴史と土地の記憶を辿る旅を続ける彼は、その締めくくりとすべく、大震災と同じ年に台風12号による記録的な豪雨に襲われた紀伊半島に向かう。天嶮の地、大和は十津川村へと走るバスの車窓から見える土砂災害の傷跡を眺める彼の胸中には、かつてこの道を進んだであろう天誅組の志士たちの、これまで訪れた地や出会った人、クラシック好きで自死した友・唐谷のことなど、さまざまな思いが去来する。バスはいよいよ十津川村へと入っていき、谷瀬の吊り橋前で休憩停車する。ここで途中下車した彼は吊り橋を渡る。風に揺れる橋の上で彼は、電気工だったころのこと、中学生時代のことなどを心のなかで唐谷に語りかけるのだった。
二年後、小説の彼の足取りを辿るように、病の癒えつつある「私」はふたたび谷瀬の吊り橋の上に立っていた。橋を渡りながら、「私」は宿のおかみさんと話をした北海道の新十津川町のことを思い出し、唐谷への友情にひとつの答えをみつける。
現代日本における私小説の名手が、地誌と人びとの営みを見つめて紡ぐ、人生後半のたしかで静謐な姿。
上記内容は本書刊行時のものです。