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出版者情報
縄文の思想
- 書店発売日
- 2017年11月15日
- 登録日
- 2017年10月11日
- 最終更新日
- 2024年2月9日
書評掲載情報
2018-01-07 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 小林達雄(考古学者) |
2018-01-07 |
朝日新聞
朝刊 評者: 宮田珠己(エッセイスト) |
2017-12-16 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
縄文人のリアルな思想、彼らの他界観や世界観など生き方を律した思想が、海辺や北海道、南島という日本列島の周縁に生きた人びとの、弥生時代以降の歴史に光を当てることで明らかに。縄文は単なる失われた過去ではなく、周縁の人びとの生を律する思想として、上記の人びとのなかに脈々と生き続けてきた。考古学、神話学、民俗学を綜合し、もうひとつの日本列島人の歴史を描くこれまでにない縄文論。
文字に残されることのなかった縄文人のリアルな思想、かれらの他界観や世界観といった生々しい観念の世界、すなわち縄文人の生き方を律した思想を、どうすれば知ることができるのか──。
本書はこの難問に、考古学と日本列島の様々な神話・伝説といった具体的な資料にもとづき、さらには海辺や北海道、南島という日本列島の周縁に生きた人びとの、弥生時代以降の歴史に光を当てることによって解答しようとする試みです。縄文は単なる失われた過去ではなく、周縁の人びとの生を律する思想として、上記の人びとのなかに脈々と生き続けてきました。その生の様式をとおして、もうひとつの日本列島人の歴史を描くことが本書の目的です。
では、なぜ周縁の人びとなのでしょうか。
かれらは弥生時代以降、縄文伝統である狩猟漁撈のほか多様な生業に特化することで農耕民との共存を実現し、その結果、縄文の習俗や思想をとどめることになったと著者は考えています。周縁の人びとの、弥生時代以降の歴史に注目しようとする理由はこの点にあります。
縄文を「思想」としてとらえようとする場合、これまでは、具体的な手がかりがほとんどないと考えられていたために、どうしても書き手の「ロマン」、思い込み先行になりがちだったのではないでしょうか。本書では、上記の画期的なアプローチにより、いままでに明らかにされることのなかった縄文の核心に迫るものです。
目次
はじめに
序 章 縄文はなぜ・どのように生き残ったか
第一章 海民と縄文──弥生化のなかの縄文
第二章 海民とアイヌ──日本列島の縄文ネットワーク
第三章 神話と伝説──残存する縄文の世界観
第四章 縄文の思想──農耕民化・商品経済・国家のなかの縄文
おわりに
引用文献
上記内容は本書刊行時のものです。