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ナショナリズム入門 植村 和秀(著/文) - 講談社
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講談社現代新書

ナショナリズム入門

発行:講談社
新書判
288ページ
定価 840円+税
ISBN
9784062882637
Cコード
C0237
一般 新書 教育
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2015年8月13日
最終更新日
2015年8月13日
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書評掲載情報

2014-11-30 産經新聞
評者: 先崎彰容(東日本国際大学教授)
2014-07-13 朝日新聞
2014-06-15 日本経済新聞

紹介

人々はなぜナショナリズムにこだわるのか? 日本と中国、ドイツ、ユーゴスラヴィアなどのヨーロッパ世界、南北アメリカなど、世界の様々な地域の多様なナショナリズムの構造を分析し、21世紀世界の最大の問題であるナショナリズムへの基礎的な知識を与える。(講談社現代新書)


尖閣諸島問題を巡る中国との軋轢などによって、「ナショナリズム」という言葉を目にすることが多くなってきました。しかし、では「ナショナリズム」とはいったい何なのでしょうか? 著者は「ナショナリズムとは、『ネイション』への肯定的なこだわり」であると定義します。ネイションは日本語では「国家」「国民」「民族」などと訳されますが、日本語に訳すると日本語独自のニュアンスにどうしても染まってしまうので、やはり「ネイション」と言わざるをえません。本書ではそのため日本語にはあえて翻訳せず、「ネイション」そのものからナショナリズムを理解するというスタンスを取ります。では、なぜ日本人には「ネイション」を理解することが難しいのか? それは日本が、日本列島という「地域」と、日本人というそこの「民族」とが一致している(もちろん、アイヌ、沖縄という例外もありますが)世界的に見てもごく稀な「ネイション」だからです。ですから日本の事例を自明と見なしてしまうと、世界での様々な軋轢が、かえって見えにくくなってしまうのです。例えばドイツは、現在でも日本のように「民族」と「領土」が一致してはいません。ドイツ語を国語とする国としてはドイツ以外にオーストリアがあります。また領土的に言っても、プロシア王国の領土は現在のポーランドに当たる部分を広く含んでいましたので、その地域に住んでいたドイツ系の住民は現在のドイツからは切り離されてしまいました。近代とは「民族」と「領土」が一致しているべきという理念のもと、「近代国家」を形成することが国際競争上も優位だと考える時代です。しかし世界中の国々は、日本のようにはその「ネイション」自体が自明ではありません。いえ、両者がずれている場合の方がほとんどなのです。各地で起こっている民族問題も、この「ズレ」に起因したものがほとんどです。中国の「チベット問題」なども、「チベットも含めた中国全体が一つのネイションである」と「チベットは中国とは別のネイションである」という二つのネイション観の衝突と捉えることができるでしょう。本書は、ネイションという、何でも入れられる「透明で空っぽな袋」に、なぜ人々はこだわるのか?という問題意識の元、世界の様々な地域における多様なナショナリズムの構造を分析し、21世紀の世界における最も大きな問題であるナショナリズムについての基礎的な知識を与えるものです。

目次

第一章 ナショナリズムの作り方
第二章 ナショナリズムの動き方
第三章 ネイションの自明性──日本の形
第四章 ネイションの多義性──ドイツの変形
第五章 人間集団単位のネイション形成(1)──ドイツと東欧
第六章 人間集団単位のネイション形成──(2)ユーゴスラヴィアの滅亡
第七章 地域単位のネイション形成(1)──新世界の状況
第八章 地域単位のネイション形成(2)──ヨーロッパの西と南
第九章 ネイション形成のせめぎ合い──重複と複雑化
第一〇章 ナショナリズムのせめぎ合い──東アジアの未来

上記内容は本書刊行時のものです。