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出版者情報
ワイルド・スワン 下
- 書店発売日
- 2017年11月22日
- 登録日
- 2017年10月27日
- 最終更新日
- 2019年9月27日
書評掲載情報
2020-04-25 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 国分良成(防衛大学校長) |
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紹介
迫害を受け続ける家族。思春期をむかえた著者は、10代の若者が遭遇する悩みや楽しみをひとつも経験することなく急速に「おとな」になった。労働キャンプに送られる両親。著者にも、下放される日がついに訪れた。文化大革命の残虐な真実をすべて目撃しながら生き、「野生の白鳥」は羽ばたく日を夢見続ける。親子3代、70年にわたる運命の記録!
『ワイルド・スワン』は個人の物語ですが、二十世紀中国の歴史を反映しており、そこが問題なのです。中国共産党は自らの支配を正当化するために公式な歴史解釈を発表していますが、『ワイルド・スワン』はその解釈に従っていません。とくに、毛沢東を中国人民に対して犯罪に匹敵する悪政をおこなった人物として描いており、ここが、毛沢東は基本的に善良で偉大な指導者であったとする北京政府の見解と相容れないのです。(新版によせて)
目次
第十五章 「まず破壊せよ、 建設はそこから生まれる」 ――文化大革命、始まる
第十六章 「天をおそれず、 地をおそれず」――毛主席の紅衛兵
第十七章 「子供たちを『黒五類』にするのですか?」――両親のジレンマ
第十八章 「すばらしいニュース」――北京巡礼
第十九章 「罪を加えんと欲するに、 何ぞ辞無きを患えんや」――迫害される両親
第二十章 「魂は売らない」――父の逮捕
第二十一章 「雪中に炭を送る」――姉、弟、友だち
第二十二章 「思想改造」――ヒマラヤのふもとへ
第二十三章 「読めば読むほど愚かになる」 ――農民からはだしの医者へ
第二十四章 「どうか、 ぼくの謝罪を聞いてください」――労働キャンプの両親
第二十五章 「かぐわしい風」――『電工手冊』 、 『六つの危機』 、新しい生活
第二十六章 「外国人の屁を嗅いで芳香と言うに等しい」――毛沢東の時代に英語を学ぶ
第二十七章 「これを天国と呼ぶなら、 何を地獄と言うのか」――父の死
第二十八章 翼をこの手に
エピローグ
訳者あとがき
年譜
上記内容は本書刊行時のものです。