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出版者情報
黒い裾
発行:講談社
文庫判
224ページ
定価
1,300円+税
- 初版年月日
- 2007年12月
- 書店発売日
- 2007年12月11日
- 登録日
- 2017年8月13日
- 最終更新日
- 2020年1月10日
書評掲載情報
2017-08-13 |
読売新聞
朝刊 評者: 三浦瑠麗(東京大学講師、国際政治学者) |
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紹介
千代は喪服を著(き)るごとに美しさが冴えた。……「葬式の時だけ男と女が出会う、これも日本の女の一時代を語るものと云うのだろうか」――16歳から中年に到る主人公・千代の半生を、喪服に託し哀感を込めて綴る「黒い裾」。向嶋蝸牛庵と周りに住む人々を、明るく生き生きと弾みのある筆致で描き出し、端然とした人間の営みを伝える「糞土の墻」ほか、「勲章」「姦声」「雛」など、人生の機微を清新な文体で描く、幸田文学の味わい深い佳品8篇を収録した第一創作集。
◎出久根達郎ーー自分をダシにして、巧みな虚構の世界を築く。エッセイ風小説、とでも称したら適切だろうか。描写が小説のそれでなく、エッセイの筆致なのである。大体、幸田作品の書き出しが、エッセイ風の文章である。身近な事柄の説明から、始まる。いつの間にか、仮構の世界に、読者は誘いこまれている。そして、結びの文章は、これは完全に小説のそれである。――<「解説」より>
上記内容は本書刊行時のものです。