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出版者情報
さくら、うるわし 左近の桜
発行:KADOKAWA
文庫判
256ページ
定価
640円+税
- 初版年月日
- 2021年1月25日
- 書店発売日
- 2021年1月22日
- 登録日
- 2020年12月1日
- 最終更新日
- 2020年12月10日
紹介
小旅館「左近(さこん)」の長男・桜蔵(さくら)は、母と弟が暮らす家を離れ、父・柾(まさき)の元から大学に通っている。柾の庶子ではあるが特に不自由はなく、柾の本妻である遠子(とおこ)とは、気軽に連れ立って出かけられるほどだ。複雑な家族関係に不満はないが、誰からか継いだ、不可思議な体質は困りものだ。見えないはずのものを見てしまうだけでなく、その者たちに魅入られ、身体をほしいままにされてしまう。それも、集まってくる者たちはいずれも桜蔵を「いい女」と呼んではばからないのだ。
耳を求めさまよう犬、男か女か判然としないマネキン――この世ならぬものたちが桜蔵の身体を求め……。生と性、死の気配が絡み合う珠玉の連作幻想譚。
目次
その犬に耳はあるか
この川、渡るべからず
ありえないことについての、たとえ
その犬の飼い主に告ぐ
解説・門賀美央子
上記内容は本書刊行時のものです。