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四国辺土 幻の草遍路と路地巡礼 上原 善広(著/文) - KADOKAWA
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四国辺土 幻の草遍路と路地巡礼 (シコクヘンド マボロシノクサヘンロトロジジュンレイ)

文芸
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四六判
328ページ
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-04-109074-9   COPY
ISBN 13
9784041090749   COPY
ISBN 10h
4-04-109074-1   COPY
ISBN 10
4041090741   COPY
出版者記号
04   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年11月26日
書店発売日
登録日
2021年10月9日
最終更新日
2021年11月5日
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書評掲載情報

2022-01-16 産經新聞  朝刊
評者: 門賀美央子(文筆家・書評家)
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紹介

辺土(へんど)とは、遍路で生活する者である。
時に放浪者として迫害される彼らに密着取材!
誰も書けなかった「日本最後の聖と賤」たるもう一つの遍路を、5年をかけて描いた唯一無二のルポ!

【辺土(へんど)とは】
草遍路、乞食遍路、プロ遍路、職業遍路、生涯遍路とも呼ばれる。
長い歴史の中、「へんど」はやがて乞食を意味するようになるが、昭和三〇年代までは遍路といえば「へんど」だった。
一方で、八八ヵ所を経文を唱えて回る遍路は、ときに畏敬と畏怖の目で見られた。彼らは聖と賎を同時にそなえる存在だったのだ。

現代の草遍路を探し、共に托鉢修行も著者は行うだけでなく、福田村事件(関東大震災で起きた日本人による日本人虐殺)をはじめ、
路地の歴史もたどりながら5年をかけて遍路を続けた。
最後の聖域の本質を大宅賞作家が抉り出す、類書なき紀行ルポ!

「帰るところもなくなった生活を賭けて、托鉢と接待、野宿だけで何年も何周も巡礼することによって、その人は確実に浄化され昇華されていく。本質的な何かを取り戻すか、もしくは欠けていた何かを得ることができるようになる。
 四国遍路で人は変わることも、再生することもできるのだ。私はこの目で、確かにその一例を目撃した」(本文より)



【目次】
第一章 辺土紀行 徳島――高知
第二章 幸月事件
第三章 辺土紀行 高知――愛媛
第四章 托鉢修行
第五章 辺土紀行 松山――香川
第六章 草遍路たち
おわりに
参考文献一覧

目次

第一章 辺土紀行 徳島――高知
呪われた出立/遍路とへんど/板野町の路地/行方不明/通夜堂/鮎喰川の路地/本来の遍路/素潜り漁をする老人/元極道の遍路/路地の人々/善根宿の酒乱/遍路と路地/遍路を世話した路地/ハンセン病者の遍路/キリシタンと路地

第二章 幸月事件
死んだとて泣く人もなし草遍路/草遍路の死/幸月との出会い/草遍路を世話した人/逮捕/接待する人/草遍路の生い立ち/「安定した生活を手に入れると、きまってそれを壊してしまいたくなる」/全国放送/裁判/遍路と贖罪/激高/判決/入獄/刺した手です祈る手です/出所それから

第三章 辺土紀行 高知――愛媛
闇金融王/出自は脚色だった/融和の人/女遍路/ラッキョウの路地/お祓いの川/唐言/コクビの土地蔵/警吏のなりわい/強盗亀/おとし宿/宇和島の高級善根宿/八幡浜/漢字にフリガナをつけるところから始めた/マリア観音/猫島

第四章 托鉢修行
第二の幸月/弟子入り志願/托鉢の種類/善根宿には泊まらない/同行二人/托鉢見学/初めての托鉢/途中で中止する/初めての門付/托鉢の現実/パフォーマンス

第五章 辺土紀行 松山――香川
石田波郷のこと/遊郭跡と劇場/道後温泉の馬湯/女相撲/八八ヵ寺騒動/結願/福田村事件/事件の再発見/生存者の話1/生存者の話2/事件現場の反応/被害にあった路地/泥色の川

第六章 草遍路たち
ケンちゃん事件/我聞/歩き遍路一〇〇回のカラクリ/草遍路のナベさん/毎日巡礼ヒロユキの場合/ホームレス詩人/「野宿はつらいけど、自由だし仲間もいた」/遍路の本質/浄化

おわりに
参考文献一覧

著者プロフィール

上原 善広  (ウエハラ ヨシヒロ)  (著/文

(うえはら よしひろ)1973年大阪府生まれ。ノンフィクション作家。大阪体育大学卒業後、ノンフィクションの取材・執筆を始める。日本各地の被差別部落を訪ねた『日本の路地を旅する』で、2010年第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2012年、「孤独なポピュリストの原点」(特集『「最も危険な政治家」橋下徹研究』、新潮45)で第18回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞大賞受賞。『一投に賭ける』2016年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。著書に『路地の子』、『発掘狂騒史』など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。