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塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で 猪熊 律子(著/文) - KADOKAWA
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塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で (ヘイノナカノオバアサン ジョセイケイムショ、ケイバツトケアノハザマデ)

新書
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新書判
248ページ
定価 940円+税
ISBN
978-4-04-082470-3   COPY
ISBN 13
9784040824703   COPY
ISBN 10h
4-04-082470-9   COPY
ISBN 10
4040824709   COPY
出版者記号
04   COPY
Cコード
C0295  
0:一般 2:新書 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年3月10日
書店発売日
登録日
2023年1月13日
最終更新日
2023年12月13日
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書評掲載情報

2023-06-18 読売新聞  朝刊
評者: 堀川恵子(ノンフィクション作家)
2023-05-06 朝日新聞  朝刊
評者: 藤田結子(東京大学准教授・社会学)
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紹介

高齢女性受刑者の割合、30余年で10倍に――。罪名の9割は「窃盗」。
お金があっても盗る。出所しても何度も刑務所に戻る。人生の集大成と言える時期を刑務所で過ごす高齢女性らの本音と服役の実態とは?
社会保障問題を追い続けてきたジャーナリストが迫る。

――刑務所に新規に入る受刑者数(男女計)は最近大きく減少しているものの、受刑者全体に占める女性受刑者の割合は戦後から増え続け、今や1割。
中でも伸びが著しいのが65歳以上の女性だ。今では女性受刑者全体の約2割を占める。これは男性受刑者における男性高齢受刑者の割合(約12%)と比べても高い。
(中略)女性の犯罪は「覚醒剤取締法違反」と「窃盗」の二つで8割以上を占める。
これらの罪を犯す受刑者は「これが三度目」「五度目」など、累犯が多い。何度も罪を犯し、繰り返し刑務所に来ることを、現場では「負の回転扉」と呼ぶと聞いた。
実刑を受け、刑務所に来る前には罰金刑や執行猶予など、いくつもの段階があったはずである。それでも繰り返し罪を犯し、「負の回転扉」にはまってしまう女性が多いのは、一体、なぜなのだろう?
(本書「はじめに」より)

本書では高齢女性受刑者の増加を切り口に、「塀の外」が抱える問題や課題をあぶり出す。
さまざまなデータや刑務所の実態のリポートに加え、受刑者たちの生々しい声も収録する。
・70代、入所七度目「トマトやキュウリ1本ぐらいでここに来ちゃった」
・80代、入所三度目「時間が余り過ぎていて、孤独が中心にあった」
・60代、累犯「刑務所は来るとこじゃない。人生を無駄にするところ」
・70代、入所五度目「家族がおらん人は、ここが恋しうなると違うかな」

目次

はじめに――女性たちはなぜ塀の中へ
序章 女性刑務所の実態
第1章 塀の中のおばあさん
第2章 摂食障害に苦しむ女性たち
第3章 覚醒剤にはまる女性たち
第4章 刑務所を支える人々
第5章 「外」と「中」を隔てるもの――塀を低くする試み
終章 「塀の中のおばあさん」はなくせるか――塀の内側から考える社会保障
おわりに――負の回転扉をなくすには

著者プロフィール

猪熊 律子  (イノクマ リツコ)  (著/文

読売新聞東京本社編集委員。1985年4月、読売新聞社入社。2014年9月、社会保障部長、17年9月、編集委員。専門は社会保障。98~99年、フルブライト奨学生兼読売新聞社海外留学生としてアメリカに留学。スタンフォード大学のジャーナリスト向けプログラム「John S. Knight Journalism Fellowships at Stanford」修了。早稲田大学大学院法学研究科修士課程修了。共著に『ボクはやっと認知症のことがわかった』(KADOKAWA)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。