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長期腐敗体制 白井 聡(著/文) - KADOKAWA
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長期腐敗体制 (チョウキフハイタイセイ)

新書
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新書判
256ページ
定価 920円+税
ISBN
978-4-04-082422-2   COPY
ISBN 13
9784040824222   COPY
ISBN 10h
4-04-082422-9   COPY
ISBN 10
4040824229   COPY
出版者記号
04   COPY
Cコード
C0231  
0:一般 2:新書 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年6月10日
書店発売日
登録日
2022年4月26日
最終更新日
2022年5月21日
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紹介

衰退途上国から脱け出すために――。
なぜ、いつも頭(トップ)から腐るのか!?
不正で、無能で、腐敗した組織が続く構造的理由を、レジーム分析を続ける政治学者が剔抉する。

悪徳の三拍子がそろった時代。
不正=間違った政治理念を追求。ないしは、その理念に動機付けられている
無能=統治能力が不足している
腐敗=権力を私物化し、乱用している

第二次安倍政権以降の状況は「体制」と呼ぶ方が的確だ。
体制とはトップが入れ替わっても権力構造が基本的に変わらない状態を指し、個人名に重きを置く政権とは違う。
長期腐敗体制と化していった要因を洗い出し、シニシズム(冷笑主義)を打ち破る術を模索する。

■日本は腐敗した衰退途上国だ
■エリートがしっかりすれば国がうまくいくわけではない
■前線だが最前線ではない、という日本の位置 
■日本の戦後レジームの本質は朝鮮戦争レジーム
■日米の「価値観の共有」は空洞化している
■前提からおかしかった「デフレからの脱却」
■リフレ派も反リフレ派も勝者ではない
■中曽根は対米交渉カードをみずから放棄した
■冷戦秩序への回帰は不可能だ
■維新の会とデモクラシー
■二〇一二年体制と近代国民国家の終わり?

【目次】
序 章 すべての道は統治崩壊に通ず――私たちはどこに立っているか?
第一章 二〇一二年体制とは何か?――腐敗はかくして加速した
第二章 二〇一二年体制の経済政策――アベノミクスからアベノリベラリズムへ
第三章 二〇一二年体制の外交・安全保障1――戦後史から位置づける
第四章 二〇一二年体制の外交・安全保障2――「冷戦秩序」幻想は崩壊した
第五章 二〇一二年体制と市民社会――命令拒絶は倫理的行為である
あとがき
参考文献一覧

目次

序 章 すべての道は統治崩壊に通ず――私たちはどこに立っているか?
はじめに/ガバナンスの崩壊/官僚機構への激しい批判が身内から出た二〇〇〇年代/エリートがしっかりすれば国がうまくいくわけではない/日本のコロナ対策――官僚制の宿痾と政治主導の不在/腐敗した衰退途上国/否認の祭典

第一章 二〇一二年体制とは何か?――腐敗はかくして加速した
不正で、無能で、腐敗している政権/「二〇一二年体制」とは/「安倍一強体制」/安倍→菅へのバトンタッチが示すもの/体制死守への固い結束/国際的文脈における歴史的位相/前線だが最前線ではない、という日本の位置/ロッキード事件の本質とは/自主外交路線の放棄と対米従属の自明化/なぜ、ポスト五五年体制は成立しなかったのか?/民主党政権の挫折の意味/戦後の国体の終焉を無制限に引き延ばそうとする/日本の統治機構と社会が崩壊してきている etc.

第二章 二〇一二年体制の経済政策――アベノミクスからアベノリベラリズムへ
「三本の矢」/前提からおかしかった「デフレからの脱却」/リフレ派も反リフレ派も勝者ではない/「雇用増大」「景気回復」は単に人手不足によるものだった/アベノミクスが提起した哲学的問題/日銀の安倍政権への妥協と屈服/中立でなくてはならず、中立であってはならず/安倍政権時代に日本は後進国化していった/トップセールスの失敗/アベノリベラリズムの誕生?/問題の本丸は封建制? etc.

第三章 二〇一二年体制の外交・安全保障1――戦後史から位置づける
対米従属派/自立派という分類は妥当か/「親米保守」の性格変化の考察を/保守本流と保守傍流/吉田茂と岸信介に、大した違いはない/岸信介の屈託/中曾根康弘の挫折/中曽根は対米交渉カードをみずから放棄した/安倍晋三の迷走/「価値観の共有」の空洞化

第四章 二〇一二年体制の外交・安全保障2――「冷戦秩序」幻想は崩壊した
第三次アーミテージ・レポートは脅しで始まる/「ワシントン拡声器」/トランプ政権には唯一、功績がある/日本の戦後レジームの本質は朝鮮戦争レジーム/「消極的」から「積極的」への方向転換/安倍政権は四島返還を実質的に放棄した/プーチンの対日不信/対中戦略をめぐる動揺/前景化した台湾問題/冷戦秩序への回帰は不可能だ/沖縄の抑圧

第五章 二〇一二年体制と市民社会――命令拒絶は倫理的行為である
はじめに/デモクラシーの質/維新の会とデモクラシー/二〇一二年体制と近代国民国家の終わり?/途方もないシニシズムが駆動していた/コロナ禍と医療専門家/おわりに

あとがき
参考文献一覧

著者プロフィール

白井 聡  (シライ サトシ)  (著/文

思想史家、政治学者、京都精華大学教員。1977年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士後期課程単位修得退学。博士(社会学)。3.11を基点に日本現代史を論じた『永続敗戦論 戦後日本の核心』により、第4回いける本大賞、第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞などを受賞。その他の著書に『未完のレーニン』、『「物質」の蜂起をめざして レーニン、〈力〉の思想(増補新版)』、『国体論 菊と星条旗』、『武器としての「資本論」』などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。