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歴史論集
巻次:2
〈戦後知〉を歴史化する
- 初版年月日
- 2021年5月14日
- 書店発売日
- 2021年5月18日
- 登録日
- 2021年4月10日
- 最終更新日
- 2021年5月12日
紹介
敗戦から現在に至る思考の総体を〈戦後知〉として把握しようとする企てに、歴史学はいかに関わりうるのか。松本清張、司馬遼太郎、大江健三郎らの作品から、加藤周一、山口昌男、見田宗介らの思索まで、同時代の想像力を尖鋭に表現する文学や思想の読解を通じて、歴史学を専門知の閉域から解き放つ試み。現代文庫オリジナル編集。解説=戸邉秀明。
目次
歴史論集2 まえがき
問題の入口 なぜ〈戦後知〉を問うのか
第1章 〈戦後知〉のありか
第2章 「戦後七〇年」のなかの戦後日本思想
はじめに
1 「戦後」を論じる環境と条件
2 「戦後」の二つの時期区分――直線型と物語型
3 「悔恨共同体」の内と外
おわりに
Ⅰ 「戦後文学」の歴史意識――歴史学からの対峙
第3章 大佛次郎の明治維新像――半世紀後に読む『天皇の世紀』
はじめに
1 大佛次郎の明治維新
2 大佛次郎の認識と叙述――論点の提示
3 大佛次郎の作法
おわりに
第4章 司馬遼太郎と松本清張
1 「近代」の明るさと謀略と
2 歴史に対面するか対峙するか
3 戦後社会の理念に賭ける
4 二一世紀の「手持ちの資源」として
第5章 松本清張の「大日本帝国」――文学者の想像力と歴史家の構想力
はじめに
1 一九六〇年代・松本清張へ向かう視線
2 『象徴の設計』と『火の虚舟』
3 歴史家の文体をめぐって――むすびにかえて
第6章 「歴史と文学」の来歴
はじめに
1 「歴史と文学」の一九七〇年代
2 「文学史」というアリーナ
Ⅱ 「戦後知識人」から「現代知識人」へ
第7章 「戦後知識人」としての加藤周一
1 加藤周一(その一)
2 加藤周一(その二)
3 戦後を生きた知識人
第8章 大江健三郎・方法としての「記憶」――一九六五年前後
1 記憶の場所/場所の記憶
2 記憶をめぐるテクストとしての『万延元年のフットボール』
3 記憶と表象
4 語りの位相――むすびにかえて
第9章 井上ひさしの「戦後」――出発点、あるいは原点への遡行
はじめに
1 作品のなかの「戦後」認識 Ⅰ
2 作品のなかの「戦後」認識 Ⅱ
3 「再帰的戦後」
第10章 「東京裁判三部作」の井上ひさし
はじめに
1 「東京裁判三部作」まで
2 「東京裁判三部作」におけるデモクラシーの構造
3 「戦後」民主主義者/「後ポスト戦後」民主主義者としての井上ひさし
おわりに
第11章 辻井喬のしごと――日中友好の井戸を掘る
はじめに
1 さまざまな辻井喬
2 辻井喬の肖像――小説『彷徨の季節の中で』
3 辻井喬の中国
4 辻井喬の主張――『茜色の空』をめぐって
Ⅲ 「現代思想」への〈転回〉を歴史化する
第12章 山口昌男の一九七〇年前後――「歴史学的思考」への挑発
はじめに
1 国史から「人類学的思考」へ
2 一九七一年・「知」のモデル
3 「歴史」への接近とその作法
おわりに――「八〇年代」の知に向けて
第13章 見田宗介をめぐってのこと二つ、三つ
はじめに
1 一九七〇年代半ばまでの見田宗介
2 見田宗介と「戦後」認識
おわりに
第14章 山之内靖と「総力戦体制」論
第15章 「日本文化」の文化論と文化史――日本研究の推移
はじめに――「日本文化論」と「日本文化史」
1 「日本文化論」の推移をめぐって
2 「日本文化史」の推移をめぐって
おわりに
初出一覧
解 説……………戸邉秀明
上記内容は本書刊行時のものです。