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歴史論集
巻次:1
方法としての史学史
- 初版年月日
- 2021年3月12日
- 書店発売日
- 2021年3月15日
- 登録日
- 2021年2月10日
- 最終更新日
- 2024年4月11日
紹介
歴史学は現代社会において何をなしうるのか。「戦後歴史学」が提示した歴史像が再検討を迫られ、さらに歴史修正主義の登場により歴史観の相克が深まるなかで、歴史学の方法、立場、叙述のスタイルなどをめぐる模索が様々に積み重ねられてきた。それらを批判的に検討することを通じて、歴史学のこれからのあり方を考察する、史学史的な視点からの歴史評論を集成する。現代文庫版オリジナル。解説・戸邉秀明。
目次
歴史論集1 まえがき
問題の入口 「歴史の語り方」のメタヒストリー
第1章 〈正典〉なき時代
1 〈正典〉と歴史学
2 前田愛の作品をめぐって
第2章 二〇世紀歴史学の「古典」
1 近代歴史学の誕生と変化
2 実証主義の懐疑
第3章 歴史の「語り方」がなぜ問題となるのか
Ⅰ 「歴史学」という近代の装置
第4章 「歴史学」という言説
はじめに
1 三つの論争/三つの史学史
2 一九三〇年代の歴史学の風景
⑴ 明治維新像・一九三五年前後Ⅰ
⑵ 明治維新像・一九三五年前後Ⅱ
おわりに
第5章 ナショナル・ヒストリーへの「欲望」
はじめに
1 ナショナル・ヒストリーの形成――一八九〇年前後
2 焦点としての「歴史」とナショナル・ヒストリー――一九三〇年代後半以降
第6章 文学史の饗宴と史学史の孤独
Ⅱ 鏡あるいは座標軸としての「民衆史研究」
第7章 違和感をかざす歴史学
はじめに
1 はじまりの違和感
2 民衆思想史研究の成立――前期・民衆思想史研究
3 民衆思想史研究の転回
むすびにかえて――「社会史研究」との距離
第8章 民衆史研究と社会史研究と文化史研究と――「近代」を対象とした
はじめに
1 民衆史研究/社会史研究/文化史研究にかかわるいくつかの前提
2 民衆史研究を軸とした歴史学の光景――社会史研究への親和と文化史研究への違和
第9章 三つの「鳥島」
はじめに――史学史という領域
1 『「鳥島」は入っているか』とその三つのヴァージョン
2 自己と他者
3 「六八年」の転換と「九〇年代」への対抗
Ⅲ 歴史学の認識論的転回へ向かって
第10章 歴史意識の八〇年代と九〇年代
第11章 「評伝」の世界と「自伝」の領分――史学史のなかの個人史研究
はじめに
1 民衆史研究のなかの個人史研究
2 自伝をめぐって
3 自伝と歴史叙述のあいだ
むすびにかえて
第12章 史学史のなかのピエール・ノラ『記憶の場』
1 「記憶の場」となった『記憶の場』
2 「記憶の場」の構成
3 一九七〇年代と一九九〇年代の歴史学
むすびにかえて
第13章 現代歴史学の「総括」の作法――民衆史研究・社会運動史・社会史研究を対象として
はじめに――『成果と課題』の成果と課題
1 「総括」の現在とその作法
2 「民衆史研究」をめぐって
3 「社会運動史」グループの「総括」
4 「戦後歴史学」の姿勢
5 「第二世代」「第三世代」による総括
おわりに
初出一覧
解 説……………戸邉秀明
上記内容は本書刊行時のものです。