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在来植物の多様性がカギになる 根本 正之(著/文) - 岩波書店
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在来植物の多様性がカギになる (ザイライショクブツノタヨウセイガカギニナル) 日本らしい自然を守りたい (ニホンラシイシゼンヲマモリタイ)

新書
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発行:岩波書店
新書判
縦172mm 横105mm 厚さ11mm
重さ 156g
190ページ
定価 880円+税
ISBN
978-4-00-500969-5   COPY
ISBN 13
9784005009695   COPY
ISBN 10h
4-00-500969-7   COPY
ISBN 10
4005009697   COPY
出版者記号
00   COPY
Cコード
C0240  
0:一般 2:新書 40:自然科学総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年6月20日
書店発売日
登録日
2023年5月10日
最終更新日
2024年4月4日
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書評掲載情報

2023-07-30 読売新聞  朝刊
評者: 青木千恵(書評家)
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紹介

オミナエシ、キキョウ、カワラナデシコといった在来植物の野生の個体を都会で見ることはほとんどありません。それは生物多様性ほどに、在来植物の多様性の保存は進んでいないからです。日本らしい自然を守るにはどうしたらいいのでしょう? 外来植物との関係は? 各地の保全活動をふまえ、今後の課題と将来を展望します。

目次

 はじめに

1 土手に秋の七草を咲かせたい
 荒川区立汐入小学校五年生児童の挑戦
 隅田川スーパー堤防での試み
 土手の植物社会を観察する
 汐入方式のすすめ
 植物社会をまるごと観察する
 地下茎(根茎)や根の広がりを類型化する
 超多様性シバ地の植物社会
 チガヤ草地の特徴
 ススキのサイズは土壌条件で大きく変化する
 半自然て何だろう
 刈り取り、放牧、火入れが半自然草地をつくる
 半自然草地の植物社会
 光を求めて空間を棲み分ける

  コラム 生産構造図づくりにチャレンジ!

2 外来植物が増えていくメカニズム
 在来植物ってどんな草?
 絶滅の危機にある在来植物
 身近な野草が絶滅している
 在来植物が絶滅するとどうなるか
 攪乱のしすぎは在来植物の生育地を狭める
 在来と外来タンポポの違いを見分けるために
 外来生物は聞いたことがあるけれど
 理解しにくいのは用語濫立のせい?
 外来植物ってどんな草?
 どんな外来(帰化)植物が、いつ持ち込まれたのだろう
 なぜ外来植物は増えているのだろう
 変化する堤防法面の植物社会
 侵略的植物なら問題である

3 在来植物を守るわけ
 「日本の自然」と「日本らしい自然」の違い
 日本列島を覆うモンスーン気候と複雑な地形
 地形や気候の特性はどんな気質の日本人を育てたのだろう
 日本人のきめ細かさが生んだ景観
 草本植物のかたち
 半自然草地群落のかたち
 優占種の役割
 従属種と一時滞在種の特性

4 絶滅の危機にある在来植物を取り戻すために
 なぜ絶滅の危機にあるのだろう
 絶滅の危機から救い出す
 在来野草のタネ播きから苗づくりまで
 多様性のある群落づくり
 各地で試みる「日本らしい自然の復元」
 在来野草の花咲く土手に囲まれた田圃づくり
 浅草七福神・石浜神社は在来野草の花盛り
 在来野草を昔の棲みかに戻したい――日本らしい自然を豊かにするために
 野焼きと草刈りで伊豆・大室山の植物多様性を高める
 キキョウの咲くススキ群落の復元
 大室山の持続可能な開発目標(SDGs)を考える

 参考文献
 おわりに

著者プロフィール

根本 正之  (ネモト マサユキ)  (著/文

根本正之(ネモト マサユキ)
1946年,東京生まれ.東北大学大学院農学研究科修了.
農学博士.専門は植物生態学.農林水産省農業環境技術研究所を経て,東京農業大学教授.定年退職後,2023年3月まで東大院農学生命科学研究科特任研究員.東京農大に移籍するまではタイ,中国,ブラジル等,世界各地の土地荒廃メカニズムについて研究.以後は,国内に目を転じ日本らしい自然を代表する谷津田,河川堤防,ススキ草地の植物社会のしくみを解明.その多様性保全や復元に取り組むと同時に,各地の多様性保全等のプロジェクトに指導役としてかかわっている.
関連著書に『日本らしい自然と多様性』(岩波ジュニア新書),『雑草社会がつくる日本らしい自然』(築地書館),編著に『在来野草による緑化ハンドブック』(朝倉書店)がある.

上記内容は本書刊行時のものです。