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新種発見物語
足元から深海まで11人の研究者が行く!
- 初版年月日
- 2023年3月17日
- 書店発売日
- 2023年3月22日
- 登録日
- 2023年2月10日
- 最終更新日
- 2023年3月15日
紹介
発見の裏には、たくさんのドラマがある! 子どもの頃から追い求めて、偶然見かけて――ちょっとした疑問が、深い探究へとつながっていく。舞台は身近な環境から遠く危険な未踏の地まで。虫、魚、貝、鳥、植物、菌など未知の生物との出会いにワクワクしながら、研究者たちの歩みを追体験。分類学の基礎も楽しく身につく、濃厚な入門書。
目次
はじめに
第1章 コケのじゅうたんのなかで生きる、誰も知らない虫たち………今田弓女
──ジャゴケシトネアブとイカワタカネコバネ
多様性を秘めたミクロな森
進路は「昆虫学者」
予想外に幕を開けた研究生活
太古のガの暮らしを探る
見習いフィールドワーカーになる
食性の進化という壮大な歴史を追う
誰もやっていないことをおもしろくする
コケのなかにトンネルを掘るシトネアブ
初めての記載論文
日本地図の空白を埋める旅
博士になってから
第2章 既知種をよく見たら新種だった!………渡部晃平
──チュウガタマルケシゲンゴロウ、オニギリマルケシゲンゴロウ
私が発見した新種
普通の昆虫少年
運命の出会い
昆虫を殺すのがつらい
後悔をバネにして
学芸員へのあこがれ
脱サラからの学芸員
現実は甘くない
大発見の知らせ
ゲンゴロウの島で起きた奇跡
種を特定する
外国の大家へ相談
新種チュウガタマルケシゲンゴロウ
新たな隠蔽種
本物はどっち?
苦渋の決断
研究は続く
第3章 冬虫夏草少年、長じて菌根菌の起源にせまる………山本航平
──ウィノシチュニカ・インジェンス
沼にはまる
殺虫きのこ、冬虫夏草
恩師との出会い
地中にきのこをつくる、地下生菌
冬虫夏草と地下生菌の、切っても切れない関係
巨大な胞子
エンドゴン、再び
共生する樹木と菌類
挽回のチャンス
菌根菌の異端児、アツギケカビ目
半世紀越しの証明
「超」巨大な胞子の新種
最古の菌根菌かつ地下生菌?
第4章 生まれて初めて見たかたつむりが45年後、新種に………福田 宏
──チョウシュウシロマイマイ、クサイロクマノコガイ、そしてサザエ
今も現役! 保育園時代の標本
初めて出会うのに懐かしい
生まれて初めて見たかたつむりの正体
山口県の貝類文献の名著
じつは新種だった!
保育園時代に見出した、もう一つの新種
サザエもホモニムのせいで新種
近所どころか、室内で見つかる新種
永遠に終わらない夏休みの宿題
第5章 赤いボウズハゼの謎………前田 健
──キジムナーボウズハゼとブナガヤボウズハゼ
赤いボウズハゼとの出会い
迷宮入り
どんどん見つかるボウズハゼ
赤いボウズハゼとの再会
フィリピンへ
パラワン島の赤いハゼ
結論は?
論文の発表──キジムナーとブナガヤ
残された多くの謎──ボウズハゼ類の謎の解明に向けて
第6章 遺跡でみつけた恐竜の新種!?………江田真毅
──センカクアホウドリ
遺跡と恐竜と私の思いこみ
「アホウドリの骨」との出会い
礼文島周辺から消えたのはどの種?
古代DNA解析
尖閣諸島のアホウドリはどこから来たのか?
DNA解析から考えるアホウドリの歴史
謎解きの鍵は、遺跡出土のアホウドリ!
もしかして、別種?!
尖閣諸島から、デコちゃんがやってきた!
尖閣諸島からきたアホウドリたち
最後の1ピース
新種発見物語!?
第7章 新種、また新種。いつになったら終わるのか?………田金秀一郎
──東南アジアの植物の新種140種超
東南アジアに植物が多様なワケ
地域の植物相の調べ方──植物インベントリ
植物標本よもやま話
いざ東南アジアへ!
調査で再確認、東南アジアの植物多様性
調査は行くだけでも大変!
楽しい同定作業
植物の新種を記載する
より多くの新種を記載するために
第8章 探検する生物学・海底洞窟で「新種」に出会う………藤田喜久
──イラブドウクツウサミミゴカイ、ウリガーテナガエビなど
陸域での洞窟探検──ウリガーテナガエビの発見
「備え」が大切! 海底洞窟研究にとりくむ
続々見つかる新種や珍種
南の島のクリスマス・イルミネーション?──新種の光るクモヒトデを発見!
「見えない」動物を探す──イラブドウクツウサミミゴカイの発見
おわりに
第9章 深海には変わった生物しかいないのか?………渡部裕美
──ネオレパス・マリスインディカ、ツノツバサゴカイなど
じつは行かない? 深海生物を調べる方法
深海に潜る
深海温泉にすむ生物たち
足の裏で子育てする貝
新たに繁栄する「生きた化石」
深海の方がフツウ?な生き物
最終章 新種発見から、種の絶滅と保全を考える………島野智之・脇 司
──トキウモウダニとリュウジンオオムカデ
ほとんどの生物には、学名が付いていない
日本でトキが絶滅
トキにだけ付くダニ
島野委員、「召喚」される。そして事件が
脇先生、「召喚」される
トキの自然復帰、ダニはどうなった?
トキのダニを、永遠に記録するために
日本最大の陸上節足動物「ヤンバルオオムカデ」
インターネットで、高値で売買
立ちはだかる難問
いよいよ学術誌に論文を送る
なぜリュウジンと名付けた?
知識メモ
① 種とは何か?
② 学名とは何か?
③ 論文・記載とは何か?
④ タイプ標本とは
⑤ 隠蔽種とは何か?
⑥ 進化・種分化とはどういうことか?
⑦ 系統樹とは何か?
⑧ 遺伝情報とは何か?
⑨ 絶滅したけど、新種発見?
⑩「○○屋」とは?
執筆者紹介
上記内容は本書刊行時のものです。