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森鷗外,自分を探す
- 初版年月日
- 2022年12月20日
- 書店発売日
- 2022年12月22日
- 登録日
- 2022年11月10日
- 最終更新日
- 2022年12月16日
書評掲載情報
2023-03-04 | 毎日新聞 朝刊 |
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紹介
文豪で軍医の、歴史上の天才? 「舞姫」って本当は何が書いてあったんだろう? 江戸時代の終わりに生まれ、明治の激動のさなかに勉強して留学し、自由恋愛を経験して、一人称小説を書くとはどういうことだったのか。その時代の感覚に立って、作品や資料を読み解けば、悩んで悩んで自分を探した、鴎外の横顔が見えてくる。
目次
はじめに
第一章 鷗外少年の勉強──自分は何を学びたいのだろう?
勉強しなさい! ……でも何を?
鷗外少年の書いた漢字
鷗外という名前
鷗外の手習い
江戸が終わった!
森家の上京
勉強が役に立たない!?
十一歳で東大医学部合格……!?
医学生、鷗外
漢詩文への思い
陸軍入り
第二章 鷗外の恋と「舞姫」の事情──自分の思いは貫けるか?高校現代文の四天王
「舞姫」なんて最悪だ!
鷗外の恋人
「エリス」の実像
結婚をめぐって
エリーゼとの別離、登志子との離婚
現実の体験から「舞姫」へ
自己を見つめる豊太郎
家族に読み聞かせられた「舞姫」
エリーゼへの思い
コラム① 自分を書く小説──「文づかひ」から「舞姫」を考える
第三章 古文と現代文のあいだ──自分の言葉で書くのは難しい!
古文と現代文の接続点
言葉は変化する
江戸後期の文体のいろいろ
明治の言語改革
文語なんて必要か?
言文一致で小説は書けるか
書き言葉と描写の問題
話し言葉を話すのは誰?
言文一致小説の難しさ
「舞姫」の文体ふたたび
新しい文体を探して
一人称小説という新しさ
一人称は書きやすい
「舞姫」の奥ゆき
コラム② 一人称小説の難しさ──夏目漱石「吾輩は猫である」と鷗外の「雁」
第四章 文学者にはなったけど──ジャンルとスタイルの自分探し
森鷗外は小説家か?
文学者鷗外の自己認識
多種多様だった「文学」
鷗外の立ち位置
翻訳家、鷗外
「ミニヨンの歌」
「オフエリヤの歌」
評論家、鷗外
「没理想論争」
西洋思潮の紹介者
匿名合評「三人冗語」
樋口一葉「たけくらべ」の絶讃
明治文学者としての自分探し
第五章 引き裂かれる鷗外──分裂してしまう自分
明治二十年代の森鷗外
鷗外や露伴たちの飲み会
小倉への「左遷」
あらためて勉強をはじめる
二度目の結婚
妻に厳しい遺言
母と妻との狭間で
家庭内の問題を描いた「半日」
陸軍での栄達と文壇への復帰
派閥を超越した存在として
二重の自分
引き裂かれる鷗外
大逆事件と「沈黙の塔」
暴行する日本兵と「鼠坂」
狭間に立つことの苦闘
第六章 自己更新を続ける文学者──自分探しのゆくえ
江戸と明治
明治天皇の崩御と乃木大将の殉死
「興津弥五右衛門の遺書」
鷗外の突きあたった問題
「歴史そのままと歴史離れ」
ふたたび文学的想像力の問題
「渋江抽斎」
自己更新を続ける文学者
軍医を辞して
最後の公務
家庭状況と「蛇」
しげの立場の難しさ
理想的な父を向こうに
鷗外の遺言
最後の自分探し
おわりに
森鷗外年譜
主要参考文献
上記内容は本書刊行時のものです。