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情熱でたどるスペイン史
- 書店発売日
- 2019年1月23日
- 登録日
- 2018年12月22日
- 最終更新日
- 2019年1月18日
書評掲載情報
2019-03-03 |
読売新聞
朝刊 評者: 山内志朗(慶應大学教授、倫理学者) |
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紹介
フラメンコや闘牛に表出する情熱的な国民性、異文化が融合する傑出した建築、パプリカやトマトで彩られた真っ赤な食べ物――。他のヨーロッパ諸国とはピレネー山脈にさえぎられ、長い年月をイスラームとキリスト教が影響しあい、特異な文化が育まれたスペイン。衝突と融和の歴史を、情熱的な国民性からひもときます。(カラー口絵8頁)
目次
はじめに
第1章 ローマ属州から西ゴート支配へ─―先史時代~中世初期
アフリカの一部としてのスペイン/中央台地(メセタ)と乾燥した貧しい大地/イベリア人とケルト人/ローマの一属州として/都市の復興と鉱山開発/言語・宗教の統一/猛烈な気性/西ゴート時代とその遺産/大知識人セビーリャのイシドルス
第2章 国土回復運動の時代─―八世紀~一五世紀
イスラーム時代のスペイン/後ウマイヤ朝時代の文化/レコンキスタ(国土回復運動)の進展/封建(ほうけん)制度の浸透度/タイファ(群小諸王国)の乱立/ムラービト朝からムワッヒド朝へ/トレドでの文化交流/巡礼地サンティアゴ・デ・コンポステーラ/スペイン・ロマネスク/中核としてのカスティーリャ/地中海に雄飛するアラゴン連合王国/コルテス(議会)の役割/叙事詩『わがシッドの歌』/宗教騎士団設立/異文化交流の果実/アルハンブラ宮殿造営/賢王(けんおう)アルフォンソ一〇世/破格の知識人ラモン・リュイ/質素な貴族と郷士然たる職人/情熱としての名誉/カトリック両王によるグラナダ解放とレコンキスタの完成/異端審問制(いたんしんもんせい)の開始とユダヤ人追放
第3章 スペイン黄金世紀―─ 一六・一七世紀前後
見知らぬ土地への冒険の魅力/エンコミエンダ制/ラス・カサスの告発/太陽の沈まぬ国の形成/複合君主制の統治体制/経済の消長/イエズス会と海外布教活動/カトリックでのスペイン統一/「血の純潔」規約/鍋なべ釜かまに神を見る神秘家/十字架のヨハネの場合/ロマンセーロとピカレスク小説/国民文学としての『ドン・キホーテ』/古典演劇の開花/奇知主義と文飾主義/コンベルソの文化創造力/スペイン・バロックの装飾性/パーソ像と幻視絵画/民衆宗教の展開/「画家のなかの画家」ベラスケス/完璧な赤色を求めて/赤い食べ物/一七世紀の政治と経済
第4章 ブルボン朝の時代―─ 一八世紀前後
スペイン継承戦争から対フランス宣戦へ/経済復興と貧しい農民/カトリック的啓蒙(けいもう)/闘牛の貴族的起源・民衆的起源/三場面の展開と規則・様式の確立/情熱の愛とドン・フアン伝説/愛される画家ゴヤ/民衆文化の勝利
第5章 社会分裂と領袖(りょうしゅう)政治―─ 一九世紀前後
スペイン独立戦争からカルリスタ戦争へ/多発するクーデター宣言(プロヌンシアミエント)/スペイン帝国の崩壊/魂の音楽としてのフラメンコ/全一的な楽器,ギター/ロマン主義文学/地方の政治・社会を牛耳(ぎゅうじ)る領袖(カシーケ)たち/工業発展のきざし/王政復古と米西戦争/国民意識形成の難しさ
第6章 内戦・自治州・EU―─二〇世紀以降
アルフォンソ一三世の親政と第二共和政/スペイン内戦からフランコ時代へ/ヨーロッパのなかのスペイン/地域ナショナリズムと自治州国家の完成/詩人ロルカ/ピカソ,ミロ,ダリ/建築家ガウディ/現代スペインの情熱はどこに?/本書のまとめ
あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。