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アメリカ・イン・ジャパン
ハーバード講義録
- 初版年月日
- 2025年1月17日
- 書店発売日
- 2025年1月20日
- 登録日
- 2024年12月10日
- 最終更新日
- 2025年1月15日
書評掲載情報
2025-02-15 |
朝日新聞
朝刊 評者: 高谷幸(東京大学准教授) |
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紹介
一八五四年、日本人に映る世界の見え方は一八〇度転換した。アメリカ人はこれを「ペリー提督の遠征」というが、私たちは「黒船来航」と呼んだ。同様に一九四五年の米軍がおこなった「空爆」を、日本人は「空襲」と呼ぶ。さまざまな出来事や事象を、日本、アメリカそれぞれのまなざしの下にとらえ「日本の中のアメリカ」に迫る。
目次
はしがき
イントロダクション
アメリカ・イン・ジャパン――非対称的なクラインの壺
アメリカで、「日本の中のアメリカ」を語る
膨張し続ける自由
「無主の大地」を所有する自由
太平洋の先にある隣国
西漸運動はどこまでも
ユーラシア東端からの離脱
第1講 ペリーの「遠征」と黒船の「来航」――転位する日本列島
老提督の出航――ノーフォークの港から
テクノロジーを見せつける外交
蒸気船航路――東に向かって西の果てへ
日本人を観察し、日本海域を調査する
米日交渉というパフォーマンス
日本人によって描かれるペリーと黒船
黒船は日本人を乗せてアメリカへ
第2講 捕鯨船と漂流者たち――太平洋というコンタクトゾーン
ナンタケット島の港から
捕鯨船員たちと太平洋の怪物
鯨を追ってジャパン・グラウンドへ
漁師万次郎、鳥島に漂着する
ジョン万次郎、アメリカと邂逅する
コンタクトゾーンとしての小笠原諸島占領され続ける西太平洋の島々
第3講 宣教師と教育の近代――アメリカン・ボードと明治日本
宣教の国
アメリカン・ボードと海外への宣教
アメリカン・ボードと新島襄の同志社、女子教育の展開
熊本バンド、横浜バンド、札幌バンド
神の絶対性の下での国民教育――森有礼
内村鑑三――拝金主義と人種差別
第4講 反転するアメリカニズム――モダンガールとスクリーン上の自己
今や、アメリカ的でない日本がどこにあるか
浮上するモダンガールと職業婦人
ショップ・ガールたちの両義的身体
「或る女」がさまようコンタクトゾーン
スクリーンの中のナオミの増殖
第5講 空爆する者 空爆された者――野蛮人どもを殺戮する
想像される日米戦と敵国への羨望
まなざされる対象としての敵国日本
上空から東京を焼き尽くす
「猿」としての日本
「鬼」としてのアメリカ
大空襲とまなざしを失う人々
第6講 マッカーサーと天皇――占領というパフォーマンス
焼け跡に蘇る表情
新たなる「黒船」――ダグラス・マッカーサーの日本
占領期日本における「マッカーサー」の不在
舞台上の「天皇」と舞台裏の「元帥」
「天皇」としての「元帥」を願望する
第7講 アトムズ・フォー・ドリーム――被爆国日本に〈核〉の光を
老将は去り、部下が核のボタンを握る
アトムズ・フォー・ピース
日本の反核運動を鎮静化させる方法
日本のメディア産業と原子力平和利用
正力松太郎と「だれにもわかる原子力展」
原子力平和利用博覧会の全国展開
ヒロシマを原子力平和利用のモデルにする
被爆国民だからこそ原子力を推進する
第8講 基地から滲みだすアメリカ――コンタクトゾーンとしての軍都
米軍基地周辺のひとびと
世界に拡散する米軍基地
日本軍の街から米軍の街へ――六本木と原宿
基地の街としての湘南海岸
地方都市における基地と観光
基地=観光の島としての沖縄
第9講 アメリカに包まれた日常――星条旗・自由の女神・ディズニーランド
アメリカン・ナショナリズムと星条旗
世界に増殖していった「自由の女神」
日本で増殖する「自由の女神」
ディズニーランド――戦後日本を包み込んでいくアメリカ
ファンタジーとしてのディズニーランド
再演され続ける「アメリカ・イン・アメリカ」
参考文献
上記内容は本書刊行時のものです。