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迫りくる核リスク 〈核抑止〉を解体する 吉田 文彦(著/文) - 岩波書店
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迫りくる核リスク 〈核抑止〉を解体する (セマリクルカクリスクカクヨクシヲカイタイスル)

新書
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発行:岩波書店
新書判
縦173mm 横107mm 厚さ11mm
重さ 174g
270ページ
定価 900円+税
ISBN
978-4-00-431946-7   COPY
ISBN 13
9784004319467   COPY
ISBN 10h
4-00-431946-3   COPY
ISBN 10
4004319463   COPY
出版者記号
00   COPY
Cコード
C0236  
0:一般 2:新書 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年11月18日
書店発売日
登録日
2022年10月10日
最終更新日
2024年4月9日
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書評掲載情報

2023-02-25 朝日新聞  朝刊
評者: 保阪正康(ノンフィクション作家)
2023-01-07 日本経済新聞  朝刊
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紹介

ウクライナ侵攻以降、核兵器が使用されるかもしれないというリスクが急激に高まり、このリスクはアジアにも迫ってきている。核保有が核を使用しないことになるという〈核抑止〉が長年言われてきたが、著者はその現実を一つ一つ明らかにし〈核抑止〉を解体する。そして未来のために、今何をすべきなのかを提言する。

目次

 はじめに

第一部 ウクライナ危機のインパクト

 第1章 「核による恫喝」があぶりだしたもの
  プーチン大統領の「掟破り」
  「核による恫喝」の衝撃
  「核のタブー」への打撃
  ハイリスク地域の拡大
  核軍縮混迷
  NPTへの不信
  核抑止の脆弱性論
  核抑止依存の強化論
  「核の共有」
  強固になった二項対立的な構図

 第2章 核不拡散条約と核兵器禁止条約
  NPTの第六条と第四条
  NPTへの評価
  核拡散防止で相次いだ試練
  NPTのふたつの顔
  核兵器禁止条約の採択・発効
  NPTとTPNWをめぐる四つの選択肢
  ウィーン宣言
  NPT再検討会議の頓挫
  核抑止依存派と批判派の間の深い溝

第二部 核抑止に潜む巨大リスク

 第3章 グローバル巨大リスク
  「想定外」にしてはいけない
  人間由来の、人類の存亡にかかわる脅威
  核兵器禁止条約が示したこと
  「すべての人類の安全保障」
  核兵器の人道上の影響
  非人道的な影響の「鳥瞰図」
  破滅リスクと常に隣り合わせ
  賽は投げられた

 第4章 常在する偶発的な核戦争のリスク
  世界が震撼したキューバ危機
  機械の誤作動が、米国大統領補佐官に破滅を覚悟させた
  システムエラーによるソ連核報復の危機
  誤解にもとづいてソ連が核の臨戦態勢へ
  科学実験ロケットを核攻撃と誤解して報復準備に動いたロシア
  「誤解ゼロ、誤警報ゼロ」は夢物語
  「人間は間違いを犯し、機械は壊れる」

 第5章 新興リスクの台頭
  核戦争の発生リスクと結果リスク
  サイバー攻撃によるリスク
  宇宙システム攻撃によるリスク
  対宇宙能力での軍拡競争
  AI導入と、核・通常戦力両用システムに潜むリスク
  通常戦力の攻撃が核戦争につながる大誤算
  地球寒冷化のリスク
  「地域的な核戦争でも地球寒冷化」の予測
  逃げ場のないグローバルな惨事

 第6章 北東アジアでの核使用のリスク
  北東アジアでの「核使用想定ケース」研究
  二五の「現にありうる」核使用想定ケース
  北朝鮮による「核使用想定ケース」
  米国による「核使用想定ケース」
  ロシア・中国による「核使用想定ケース」

第三部 核抑止を解体する

 第7章 核抑止の限界と脆弱性
  冷戦期は核抑止で安定したのか
  懐疑的な立場
  「非合理的な判断は想定外」という脆弱性
  常に相手は合理的な判断をするのか
  リスクの多様化が進む世界
  警報下発射態勢
  ふたつの宣言
  新興技術による新たなリスク
  核抑止依存への疑念が拡がる
  核戦争の結果と「不都合な真実」
  「戦略的安定」とは
  軍備管理をともなわない核抑止

 第8章 核抑止での日本の役割
  「お任せ核抑止」から、「自分もかかわる核抑止」へ
  懲罰的抑止と拒否的抑止
  ミサイル防衛
  懸念される悪影響
  現実化する懸念
  「懲罰的抑止」でのかかわりが拡大する
  日米間の拡大核抑止
  国際人道法上での問題点
  日米間の差
  米国の核使用への同意
  核先制使用と「約束の罠」
  日本はどうするのか
  「核の共有」と新たなリスク

第四部 新たな安全保障へ

 第9章 ポスト核抑止への戦略
  核時代における逆説
  「フクロウ派」のアプローチ
  軍備管理コミュニティの努力と知識
  変化する脅威に対応する
  安全保障としての軍備管理
  軍備管理の手段の多様化
  政策レベルでの「発明」へ
  交渉対象外だった兵器の軍備管理
  米中、米中ロによる「戦略的安定」
  核の危険を低減できるのか
  「核兵器不使用の記録」を永遠に

 第10章 「人新世」で核兵器を淘汰する
  長崎からの言葉
  ふたつの「発明」
  「人新世」での安全保障
  「人間の心」
  心のなかの核武装解除
  みんながスーパーパワー
  「すべての人類の安全保障」の効用と限界
  地球の未来
  核兵器を「人類の敵」に
  核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならない
  「使えない兵器」へと追い込んでいく
  「最小限抑止」の暫定的な活用
  「ゼロ抑止力」
  レイキャビクでの米ソ首脳
  レイキャビクの教訓
  「困難な問題」への知恵
  「ストックホルム宣言」の宿題

 おわりに
 主要参考文献

著者プロフィール

吉田 文彦  (ヨシダ フミヒコ)  (著/文

吉田文彦(よしだ ふみひこ)
1955年京都市生まれ.東京大学文学部卒業,朝日新聞社入社.ワシントン特派員,ブリュッセル支局長などを経て,2000年より論説委員,論説副主幹.その後,国際基督教大学(ICU)客員教授,米国のカーネギー国際平和財団客員研究員などを経て,2019年から長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)センター長・教授.2018年から国際学術誌『Journal for Peace and Nuclear Disarmament』(Taylor & Francis)の創刊編集長.大阪大学にて博士号(国際公共政策)取得.
主な著書は『核解体』(岩波新書),『証言・核抑止の世紀』(朝日選書),『核のアメリカ』(岩波書店).共編著は『第三の核時代』(長崎大学核兵器廃絶研究センター).

上記内容は本書刊行時のものです。