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ドイツ統一
- 初版年月日
- 2020年9月18日
- 書店発売日
- 2020年9月23日
- 登録日
- 2020年8月10日
- 最終更新日
- 2020年9月17日
書評掲載情報
2020-10-25 |
読売新聞
朝刊 評者: 篠田英朗(東京外国語大学教授、国際政治学者) |
2020-10-10 |
毎日新聞
朝刊 評者: 岩間陽子(国際政治学者) |
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紹介
一九九〇年一〇月三日。第二次世界大戦の敗戦によって東西に隔てられていたドイツは、ふたたび統一された。この出来事は、冷戦末期の変容する世界政治がヨーロッパにもたらしたもっとも大きな成果であり、その後のすべての始まりでもあった。さまざまなアクターの思惑を越えて進む市民革命を、傑出した歴史家が明快に描く。
目次
凡 例
第1章 革命前夜
1 ソヴィエト帝国の終焉
ゴルバチョフの登場とペレストロイカ/ブレジネフ・ドクトリンの放棄/ポーランドとハンガリーの転換
2 東ドイツの構造的問題
体制崩壊の三つの要因/経済の内実/社会における価値観の転換/正統性の欠如と抑圧
3 反対派運動と東ドイツ指導部の危機
地方議会選の歪曲/反対派グループの形成/SED指導部の麻痺
第2章 平和革命
1 難民危機
パンヨーロッパ・ピクニック/ハンガリーによる国境開放/西ドイツ大使館を経由した脱出
2 体制危機
大衆デモの広がり/一〇月九日、ライプツィヒ/ホーネッカー失脚/クレンツの「対話」路線の失敗/市民運動の絶頂
3 国家危機
続く出国問題/一一月九日、ベルリンの壁崩壊/SED支配の終焉
第3章 国民をめぐる転換
1 市民運動の分裂
反対派グループの当惑/ドイツ統一問題の浮上/反対派の指導者たちと大衆の乖離/円卓会議の成立
2 西ドイツ政府とコールの一〇項目計画
西ドイツ国民とドイツ統一問題/コール政権のドイツ政策/ベルリンの壁崩壊と「一〇項目」の発表/東ドイツのムードをつかんだコール
3 各国の反応
ソ連の反応/イギリスとフランスの反応/アメリカの反応/国際的な抵抗
4 終焉に向かう東ドイツ
モドロウ政権の発足/シュタージ本部の占拠/さらなる経済状況の悪化と移民の波/円卓会議の苦渋/西ドイツの優位
5 統一への転換点
西ドイツにおける楽観論/通貨同盟の提案/東ドイツの選挙戦/「ドイツのための同盟」の勝利
第4章 再統一と世界政治 なぜ迅速な再統一が可能だったのか
1 「2+4」と「2+1」――国際的なプロセス
ゴルバチョフの方針転換/ミッテランとサッチャー/「2+4」の始動/西ドイツとアメリカの団結
2 ドイツ=ポーランド間の国境問題
オーデル=ナイセ線をめぐるポーランド側の不安/内政に配慮するコール/三月八日の連邦議会決議をめぐる紛糾/決着
3 同盟問題
米ソ首脳会談での驚き/西ドイツによる経済支援/第二八回ソ連共産党大会とNATOロンドン宣言/独ソ首脳会談での合意
4 ドイツ統一とヨーロッパ統合
経済通貨同盟の歩みと独仏の相違/ベルリンの壁崩壊と独仏の妥協
5 戦後の終わり
「2+4」条約/ドイツ統一プロセスの勝者と敗者
第5章 編入による統一
1 統一への道
デメジエール政権の発足/第一国家条約/第二国家条約(統一条約)/新連邦州の形成
2 通貨同盟と産業空洞化の衝撃
通貨交換レート問題/信託公社の設立/誤算の露呈/信託公社の解散/信託公社の決算/新連邦州の構造的問題/再建の成果
3 変革のなかの社会
急激で徹底的な転換/就業構造の転換と社会的不平等/東ドイツ人の失望と「オスタルギー」
4 統一のコスト
比類なき規模の移転/コストの内実
5 他に選択肢はあったのか?
結 語――歴史のなかのドイツ統一
訳者解説
略語表
解題付き文献表
関連年譜
人名索引
上記内容は本書刊行時のものです。