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伊勢神宮と斎宮
- 書店発売日
- 2019年3月21日
- 登録日
- 2019年3月2日
- 最終更新日
- 2024年4月25日
書評掲載情報
2019-05-19 | 東京新聞/中日新聞 朝刊 |
2019-05-04 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
天皇の宗教的権威の源泉は、皇祖神・天照大神を祭る伊勢神宮だけではなく、神宮に奉仕する皇女が住まう斎宮と、伊勢で取り行われた祭祀にある。記紀神話のなかに両者の起源を探り、朝廷の遠隔地に置かれた政治的理由、古代国家の展開との関わりを解明する。祭祀と制度の全貌と、現代にまで続く不思議な力に迫る最新の成果。
目次
序 章
皇祖神を祭る伊勢神宮
斎宮と祭主
史料について
第一章 神話・伝承のなかの天照大神
1 皇祖神としての天照大神
神話伝承の特徴と成立
記紀神話の全体構造と発展段階
四神出生章・瑞珠盟約章
宝鏡開始章
天孫降臨章の本文・異伝
皇祖神の登場
登由宇気神の性格
2 伊勢神宮の成立と斎王
起源伝承
垂仁紀二五年三月丙申条の異伝
成立年代
なぜ伊勢だったのか
在地の神としての登由宇気大神
考古学・建築学から見た神宮成立
斎王のはじまり
第二章 律令制国家とともに
1 伊勢神宮と斎宮の確立
日神の祭祀
伊勢地域の神話伝承
大化前代の伝承
公郡(評)化のなかの神宮
造替式年遷宮の成立
斎王大来皇女
持統天皇の伊勢行幸
多気大神宮とは何か
律令に直接規定されない神宮
2 神宮の構造と神域
内宮の構造
外宮の構造と内宮別宮の変遷
大宮院の構造
広大な神宮神域と両宮四至
第三章 制度と人々
1 神宮の職制
大神宮司の役所とその長官
宮司の仕事
職制と触穢
2 職員たちの由来伝承と氏族
祢宜の由緒
神主の由緒
内人・物忌の制度
職員たちの多様な職掌
3 斎宮寮の職制
主神司
斎宮跡の遺構
墨書土器に見る斎宮
離宮院の移転と離宮院跡
第四章 伊勢に赴いた人々
1 祭主と奉幣使
中臣氏の天皇祈禱代理職
中臣氏の四度使占有
公卿勅使の登場
奉幣使や使者をもてなす
2 斎王,伊勢への道
伊勢への行路
帰京と伊勢での生活
3 斎王たちの人生
奈良時代の卜定状況
平安時代初期の充実化
度会離宮が斎宮だった時代
『伊勢物語』に描かれた斎王
群行ルートの変更
醍醐天皇時代の斎王
六人の斎王
斎宮女御
4 斎王をめぐる事件
神懸かり託宣事件
事後顚末とその背景
斎宮内侍の託宣
天皇を悩ます外宮正殿顚倒
狼藉事件
白霊狐射殺事件
第五章 祭祀・禁忌と仏教
1 祭祀の実態
神宮の祭祀
天照大神と等由気(止由気)大神の食事
斎宮の祭祀
神事と御体平穏
2 遷宮祭と神宝・心御柱
遷宮祭の概要
神宝の数々
心御柱とその意味
3 神宮の祓・禁忌と仏教
犯罪準拠法としての祓法
仏教にかかわる忌詞
罪と祓
神仏隔離
第六章 経済・財政基盤を探る
1 神宮の経済基盤
神宮の最重要地,神田(御田)
神宮の封戸
志摩国の封戸
多様な支出
人々の特殊な負担
2 斎宮寮の財政基盤とその変容
収入と支出
財政改革
3 神郡をめぐる争い
宮司と国司の二重支配構造
国司との争いの本格化
神郡雑務を宮司へ委任
田租の検査納入も宮司へ
神郡雑務を国司へ
終 章
神宮と斎宮の誕生
律令制国家と伊勢
神宮・斎宮が天皇にもたらしたもの
神宮側史料解説
参考文献
あとがき
付 表
上記内容は本書刊行時のものです。