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日本近・現代史研究入門 松沢 裕作(著/文) - 岩波書店
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日本近・現代史研究入門 (ニホンキンゲンダイシケンキュウニュウモン)

歴史・地理
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発行:岩波書店
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ25mm
重さ 502g
366ページ
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-00-061561-7   COPY
ISBN 13
9784000615617   COPY
ISBN 10h
4-00-061561-0   COPY
ISBN 10
4000615610   COPY
出版者記号
00   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年10月27日
書店発売日
登録日
2022年9月2日
最終更新日
2024年4月9日
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紹介

日本近代史・現代史の論文を書く、すべての初学者のために――。テーマの決めかた、史料について、調査の方法、目次のつくりかたなど歴史研究の基盤を、論文執筆の作業フローに即して基本から解説。第一線の研究者たちが提供する大きな見取り図が、研究史と向き合うあなたを助けてくれる。必要なことは、この一冊で分かる!

目次

 はじめに 何が悲しくて研究するのか?
  この本は何のために書かれているのか 
  なぜこんな本が必要なのか
  それでも研究するのか?

第Ⅰ部 研究を始めよう 論文を書き終えるまで……松沢裕作・高嶋修一

 1 とりあえずテーマを決める
  テーマとは何か
  最初は思いつきでもよい
  史料の有無
  たいていのことは誰かが研究している ──先行研究の有無
  なぜその研究対象・研究テーマを思いついたのか
  何も思いつかない場合
  テーマの見直し

 2 先行研究をつくる
  何がどう「先行」するというのか
  とりあえず検索してみよう
  入門書から読んでみよう
  専門的な文献を読む
  もっと探す
  先行研究整理を書く

 3 史料とは何か
  同時代人に原則として開かれていた史料
  同時代人の一部が目にすることができた史料
  史料集
  史料の種類と所蔵機関・閲覧方法
   新聞  雑誌  法令  統計  企業史料 書籍  公文書  政治家・官僚・軍人の個人文書・日記 「家」の史料  帝国議会議事速記録・国会会議録 国外所在史料
  辞書・事典・年表

 4 データベースを使う
  データベースにはどのような情報が入っているのか
  すでに知っている文献を探す場合と未知の文献を探す場合
  どのようなデータベースがあるか

 5 所蔵機関を探して訪ねる
  史料調査に行こう
  公的な所蔵機関を訪ねる
  史料を閲覧する
  史料を撮影する
  行政文書の情報公開
  史料を「見せていただく」場合
  記録と整理
  そのほか注意しておくとよいこと

 6 史料を読む
  作業としての「史料を読む」
  文字史料の場合
  数字の場合
  史料の内容を疑ってみることが必要な場合

 7 目次構成を考える
  目次は論文の見取り図
  「論」と「文」
  とりあえず「文」を目指す
  「論」を立てる① ──事柄同士の関係
  「論」を立てる② ──先行研究との関係
  人に説明する

 8 書 く
  あとは書くだけ
  図表をそろえる
  材料を配置してつなげる
  注を付ける
  「はじめに」と「おわりに」
  仕上げて提出する

第Ⅱ部 先行研究の見方 あなたはどこにいるのか

 総論
 研究者たちは何に関心を持ってきたのか……松沢裕作
  (1)何かきっかけがある──研究の潮流を眺めよ
  (2)明治時代を歴史にする──吉野作造と明治文化研究会
  (3)明治時代に起源を探る──日本資本主義論争
  (4)その後の明治維新論
  (5)ふたたび、「何が悲しくて(嬉しくて)研究するのか?」

 近代と現代 いまひとたびの時代区分論……高嶋修一
  (1)昔と違う「いま」
  (2)帝国主義と現代化
  (3)戦後社会と現代化論
  (4)「いつだったか」から「どうであったか」へ
  (5)時代区分は時代遅れか──まとめにかえて

 政治史1
 政党政治研究の意義と昭和史研究への課題……米山忠寛
  (1)日本政治史研究の評価軸──敗戦による「失敗した近代」評価と現実とのギャップ
  (2)「政党政治」研究の意義と古典的研究との摩擦の回避
  (3)「政党政治」研究の限界①──成果の普及と意義の喪失
  (4)「政党政治」研究の限界②──「崩壊論」の破綻と残された課題
  (5)現在の研究──「崩壊論」の克服と昭和立憲制
  (6)今後へのポイント

 政治史2 政治史研究の射程の広がり……若月剛史
  (1)政治過程論的な政治史研究への批判
  (2)組織への着目
  (3)国家と社会との関係の再検討
  (4)象徴天皇制への関心の高まり

 経済史
 経済活動のありようを通して社会の変容を捉える……日向祥子
  (1)経済史学の基本的な問い
  (2)源流かつ深層「潮流」としての唯物史観
  (3)明治維新期研究
  (4)産業革命期研究
  (5)帝国主義史研究
  (6)「経済史」研究の射程

 農業史 なぜ地主制が重要だったのか……小島庸平
  (1)農業史と地主制
  (2)日本資本主義論争と地主制
  (3)寄生地主制論争と世界史的法則
  (4)地主制確立論争──異質なウクラードを結びつける
  (5)後退期地主制史研究と農民層分解
  (6)地主制と経済発展──まとめにかえて

 民衆史・社会史1
 「民衆」の歴史叙述──明治期の民衆運動を描く……藤野裕子
  (1)戦後歴史学と「民衆」
  (2)民衆思想史の出発
  (3)社会史との接点
  (4)国民国家論との接点

 民衆史・社会史2
 「いま」を知るための現代史……原山浩介
  (1)現代史研究の展開
  (2)社会史研究の難しさと醍醐味──用語・概念の問題
  (3)消費者=女性という認識
  (4)消費者運動/消費社会の変容
  (5)消費者問題の混沌
  (6)「いま」に立ち戻る

 女性史・ジェンダー史
 家族・女性運動・性売買を軸として……坂井博美
  (1)女性史・ジェンダー史の変転
  (2)女性史論争と女性史研究の確立
  (3)ジェンダー概念と近代家族論の登場
  (4)家族・女性運動・性売買研究の現在
  (5)ジェンダー構造の立体的把握へ

 都市史1 複数の波が生んだ大きな潮流……松山 恵
  (1)研究潮流としての日本近現代都市史
  (2)国家主導の近代化(西欧化・工業化)政策に関する研究──第一の波
  (3)人びとの生活世界へ──第二の波
  (4)前提の変化とあらたなアプローチの模索──1990 年代以降の展開
  (5)近年の注目すべき動向──「都市」の拡張、研究体制などについて

 都市史2 「都市史の自立」とその展開……中村 元
  (1)「都市史の自立」のうねり──1970 年代末から80 年代/第一の波
  (2)「都市史の自立」の到達と分岐──1990 年代から2000 年代/第二の波
  (3)寄せ返す「都市史の自立」──2010 年代~/第三の波

 植民地研究 「植民地性」を探究する学問……竹内祐介
  (1)植民地研究という研究潮流はない?
  (2)支配に対する反省と植民地研究の再開
  (3)地域の通史を描く──植民地近代化論の登場
  (4)近代化論批判からの二つの転回──植民地近代論と帝国史研究
  (5)植民地性とはなにか──経済史研究からみた植民地研究

 日本政治思想史
 用法用量を守って正しくお使いください……河野有理
  (1)「日本政治思想史」の卒論は書けない?
  (2)日本政治思想史は「実証」的ではないか?
  (3)日本政治思想史は「理論」的なのか?
  (4)丸山眞男を先行研究にするということ

 歴史社会学 歴史学から近くて遠い社会科学……野上 元
  (1)社会史と歴史社会学、「社会」とは何か?
  (2)歴史社会学の歴史
  (3)日本の歴史社会学

 むすびに 卒論のその先へ

 あとがき
 執筆者紹介
 索引

著者プロフィール

松沢 裕作  (マツザワ ユウサク)  (著/文

松沢裕作(まつざわ ゆうさく)
1976年生まれ。慶應義塾大学経済学部教授。
『明治地方自治体制の起源──近世社会の危機と制度変容』(東京大学出版会、2009年)、『日本近代村落の起源』(岩波書店、2022年)、『近代日本のヒストリオグラフィー』(編著、山川出版社、2015年)。

高嶋 修一  (タカシマ シュウイチ)  (著/文

高嶋修一(たかしま しゅういち)
1975年生まれ。青山学院大学経済学部教授。
『都市近郊の耕地整理と地域社会──東京・世田谷の郊外開発』(日本経済評論社、2013年)、『都市鉄道の技術社会史』(山川出版社、2019年)、『20 世紀の都市ガバナンス──イギリス・ドイツ・日本』(共編著、晃洋書房、2019年)。

上記内容は本書刊行時のものです。