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反自然主義の教育思想 今井 康雄(著) - 岩波書店
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反自然主義の教育思想 (ハンシゼンシュギノキョウイクシソウ) 〈世界への導入〉に向けて (セカイヘノドウニュウニムケテ)

社会科学
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発行:岩波書店
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ21mm
重さ 460g
218ページ
定価 4,500円+税
ISBN
978-4-00-061557-0   COPY
ISBN 13
9784000615570   COPY
ISBN 10h
4-00-061557-2   COPY
ISBN 10
4000615572   COPY
出版者記号
00   COPY
Cコード
C3037  
3:専門 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年9月14日
書店発売日
登録日
2022年8月10日
最終更新日
2024年4月9日
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紹介

教育はもはや「世界」がいかなるものかという実在論的な問いを子どもに提示できず、ただ子どもの「自然」な発達を科学的に分析し、学習を効率化することしか目指せないのだろうか。昨今の自然主義的な教育観の思想的淵源を、「自然」概念の変遷を軸に古典古代からアレント、ベンヤミンにいたるまで再検討する。壮大な教育思想史。

目次

 はじめに

第1章 現代の教育論とその困難
 第1節 教育論の現況――「能力」と「学習」への焦点化
  (1) 「能力主義」の変容
  (2) 自然主義的反実在論?
 第2節 「人間形成」から「学習能力」へ――ニクラス・ルーマンの教育論
  (1) 教育のメディアへの問い
  (2) 技術欠如と不確定性処理定式
  (3) 不確定性の歴史的根源へ

第2章 教育思想における「自然」と実在論
 第1節 「自然」の目的論的構造のなかで
  (1) 自然の模倣としての技術――アリストテレス
  (2) 教えることの可能性――アウグスティヌスからトマス・アクィナスへ
 第2節 「表象」の構図――コメニウスと教育学的実在論
 第3節 〈自然の模倣〉の意味転換
  (1) 自然の類比とその帰結
  (2) モーゼ的自然学と錬金術
  (3) 「自然」による技術の拡張
 第4節 小括と展望

第3章 自然主義的教育論の源流
 第1節 原型としてのスペンサー――ペスタロッチ批判に着目して
 第2節 進化論と教育論――ドイツ語圏における展開
  (1) ミュラー= リップシュタット事件と「生物学禁令」
  (2) ヘッケル・フィルヒョウ論争と実在論の困難
  (3) 進化論の導入と教育論の変容――ミュラーの主張から
  (4) 進化論の目的論化と作用の空間の退縮
 第3節 進化論の非目的論的受容――ニーチェとデューイ
  (1) ニーチェの場合
  (2) デューイの場合
 第4節 小括と展望

第4章 反自然主義の教育思想
 第1節 アレントの教育論における反自然主義と実在論
 第2節 「教育人間学」とその困難
  (1) 教育人間学の二つのモチーフ――ノールからランゲフェルトへ
  (2) 教育論における保守主義――ランゲフェルトとアレント
  (3) 教育人間学の経験科学化と保守主義の失墜――H・ロートの試み
 第3節 アレントの教育論再訪
  (1) 哲学的人間学とハイデガー
  (2) ハイデガー批判におけるアレントとボルノウ
  (3) 〈世界への導入〉としての教育
 第4節 アレントからベンヤミンへ
  (1) アレント教育論の困難
  (2) ベンヤミンの教育論瞥見
  (3) メディアによる屈折――〈世界への導入〉の可能性の条件としての

回顧と展望――結論に代えて

 補論 経験の貧困と教育の未来

 注
 あとがき
 参照文献
 人名索引

著者プロフィール

今井 康雄  (イマイ ヤスオ)  (

今井康雄(イマイ ヤスオ)
1955年生.1982年広島大学大学院教育学研究科博士後期課程単位取得退学.博士(教育学).広島大学,東京学芸大学,東京都立大学,東京大学を経て,現在,日本女子大学教授・東京大学名誉教授.専門は教育哲学および近現代ドイツを中心とした教育思想史.著書に『メディア・美・教育――現代ドイツ教育思想史の試み』(東京大学出版会,2015年),『メディアの教育学――「教育」の再定義のために』(東京大学出版会,2004年),『ヴァルター・ベンヤミンの教育思想――メディアのなかの教育』(世織書房,1998年),編著書に『モノの経験の教育学――アート制作から人間形成論へ』(東京大学出版会,2021年),『教育思想史』(有斐閣,2009年),訳書にモレンハウアー『忘れられた連関――〈教える-学ぶ〉とは何か』(みすず書房,1987年)など.

上記内容は本書刊行時のものです。