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移動と帰属の法理論 広渡 清吾(著) - 岩波書店
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移動と帰属の法理論 (イドウトキゾクノホウリロン) 変容するアイデンティティ (ヘンヨウスルアイデンティティ)

社会科学
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発行:岩波書店
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ25mm
重さ 542g
310ページ
定価 5,200 円+税   5,720 円(税込)
ISBN
978-4-00-061555-6   COPY
ISBN 13
9784000615556   COPY
ISBN 10h
4-00-061555-6   COPY
ISBN 10
4000615556   COPY
出版者記号
00   COPY
Cコード
C3032  
3:専門 0:単行本 32:法律
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年8月30日
書店発売日
登録日
2022年7月10日
最終更新日
2024年4月9日
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紹介

グローバル化のなか、人々の活動が国境の内部で完結しなくなって久しい。しかし法学は、今日も近代国民国家の枠組みに準拠し続けている。国境を越えて移動する人々はどこに帰属し、アイデンティティはどう変容するのか。多様化する移動のあり方、移動する人々の権利保障、移動を制御する国内法的・国際法的枠組みを考察し、法学のフロンティアを切り拓く。

目次

序 章 人・移動・帰属を問い直す……大西楠テア
  はじめに
  第一節 移動と帰属――ドイツ法からのアプローチ
  第二節 国際移動と国籍・市民権――シティズンシップ論の転回
  第三節 国境の意義とドイツの出入国管理政策
  おわりに

第Ⅰ部 移動と帰属の基礎的な考察

 第1章 前近代における移動と帰属……佐藤 団
  はじめに
  第一節 前近代における「境界」と「帰属」の概念
  第二節 中世までの人の移動と帰属の実態
  第三節 近 世――人の移動に対する制限の増大
  おわりに

 第2章 帰属でなく移動を――移動と帰属の規範理論……瀧川裕英
  はじめに
  第一節 移動と帰属の区別
  第二節 移動は重要である
  第三節 帰属は重要か?
  おわりに

 第3章 「人・移動・帰属」をフィールドから問い直す――現代ヨーロッパにおける労働移動とジェンダー・世代……松前もゆる
  はじめに
  第一節 「人・移動・帰属」の再検討
  第二節 現代ヨーロッパにおける労働移動――ブルガリア出身者の実践から
  おわりに

第Ⅱ部 移民法制の構造分析

 第4章 日本の外国人法史における「在留資格」概念の肥大化……小畑 郁
  はじめに――二〇一八年入管法改正による法目的の追加をめぐって
  第一節 在留資格の「イデオロギー」構造
  第二節 在留資格「概念」の肥大化――論点別の展開
  おわりに――越境移動という新しい生活様式と「在留資格」制度

 第5章 日本における移民・難民の包摂と排除……長谷川貴陽史
  はじめに
  第一節 日本の入管政策と在留外国人の概況
  第二節 排除の契機――日本の入管法制と実務
  第三節 包摂の契機――難民関連訴訟における下級審裁判所の判断
  おわりに――包摂に向けた方策と理念

 第6章 出入国管理及び難民認定法(入管法)の構造と行政的理解……福山宏
  はじめに
  第一節 現代の日本における状況
  第二節 在留資格制度
  第三節 外国人の人権享有主体性と在留資格制度との関係
  おわりに

 第7章 外国人の公務就任と国民主権……興津征雄
  はじめに
  第一節 国籍要件に関する現行法の状況
  第二節 平成一七年判決における国籍の位置づけ
  第三節 公務就任能力の制限根拠としての国籍
  おわりに

第Ⅲ部 移動する人と変容するアイデンティティ

 第8章 家族関係における複層的法秩序をめぐって……西谷祐子
  はじめに
  第一節 本国法主義の生成と展開
  第二節 国家法と非国家法の協働
  おわりに

 第9章 移民受け入れと社会統合――シンガポールの「ワーク・パーミット」労働者をめぐって……横濱竜也
  はじめに――新型コロナウイルス感染症と「ワーク・パーミット」労働者
  第一節 WP労働者の「階層化」
  第二節 「階層化」克服への手がかり
  第三節 「一時的労働者も重要である」
  おわりに

 第10章 移民の奔流と国民国家――米国の不法移民問題を中心に……嶋津 格
  はじめに
  第一節 米国の南側国境をめぐって
  第二節 我々は誰なのか
  第三節 ヒスパニックは人為的に作られたカテゴリー
  第四節 若干の理論的考察
  おわりに

 終 章 国際移住の比較法社会論――日本とドイツの問題史的考察……広渡清吾
  はじめに――国際移住の法的構図
  第一節 国際移住問題の日独比較の起点
  第二節 移民国と非移民国の法類型
  第三節 非移民国型の問題対応――一九八九年日本の入管法改正および一九九〇年ドイツ新外国人法制定
  第四節 ドイツの積極的移民国化の道
  第五節 日本における国民と外国人の二分法の展開
  おわりに――制御困難な国際移住としての難民問題

 あとがき

著者プロフィール

広渡 清吾  (ヒロワタリ セイゴ)  (

広渡清吾(ヒロワタリ セイゴ)
1945年生まれ.京都大学法学部助手を経て,東京大学社会科学研究所教授,ミュンヘン大学客員教授,日本学術会議会長などを歴任.現在,東京大学名誉教授.ドイツ法.『ドイツ法研究――歴史・現状・比較』日本評論社,2016年,『学者にできることは何か――日本学術会議のとりくみを通して』岩波書店,2012年ほか.

大西 楠テア  (オオニシ ナミテア)  (

大西楠テア(オオニシ ナミテア)
1982年生まれ.東京大学法学政治学研究科 総合法政専攻修士課程修了.現在,専修大学教授.ドイツ法.『政策実現過程のグローバル化』(共著)弘文堂,2019年,『ヨーロッパ・デモクラシー 危機と転換』(共著)岩波書店,2018年ほか.

上記内容は本書刊行時のものです。