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バロックの哲学
反-理性の星座たち
- 初版年月日
- 2022年6月16日
- 書店発売日
- 2022年6月20日
- 登録日
- 2022年5月10日
- 最終更新日
- 2022年6月16日
紹介
坂部恵、ドゥルーズ、ベンヤミン、ホワイトヘッド、オルテガ、ベルクソン、ジェイムズ、パース、西田幾多郎、九鬼周造、そしてレヴィ=ストロース。カントから続く哲学の理性的秩序に抗するかのように不合理な力や情念を解放し、非調和的な世界を描こうとした思想家たち。その光芒から思考の西洋を超えていく可能性を探る。
目次
序文
■第Ⅰ部 ヨーロッパ・バロック
│第1章│坂部恵とモデルニテ・バロック
はじめに
アレゴリーの方法論と「理念」の「星座」
唯名論と実在論
「個」と「理念」の位相の捩れ
バロックの時間意識と現在性
バロック哲学の展望
│第2章│ジル・ドゥルーズにおけるバロック
はじめに
曖昧な記号=一意性を示さない記号
述語の論理
暗き物質
明晰な魂
│第3章│ベンヤミン アレゴリー論の拡がり
はじめに
ベンヤミンのアレゴリー
アレゴリーの時間・死の時間
理念と歴史
自然史とアレゴリー
ボードレール論――非意志的記憶
アレゴリー論の行方
│第4章│ホワイトヘッド 数理の彼方のバロック
ホワイトヘッドとドゥルーズ
自然哲学の軛としてのカント
存在論の四つのカテゴリー
創造性とカテゴリー
永遠性と現実性
出来事の知覚
感情と主体の理論
ホワイトヘッド・バロック
身体と生命――サンタヤーナ批判からえられるもの
│第5章│オルテガ スペインバロックの光芒
はじめに
環境とパースペクティヴ主義
背後世界・潜勢性
生の理性について
芸術における非人称性
大衆批判の向こう側・高貴なるもの・スペイン的なるもの
オルテガのバロック
補論 記憶の実在――ベルクソンとベンヤミン
はじめに
機械と人間
複製芸術論
過去イマージュと映像装置
イマージュの装置
現在と縮約
アウラと生の持続
■第Ⅱ部 世界に拡がるバロック
│第6章│ジェイムズの「モザイク」哲学――アメリカ哲学のバロック(1)
はじめに
純粋経験とは何か
モザイクとしての連接的経験
「純粋経験」の意義
ジェイムズと西田─他者性をめぐって
ジェイムズとベルクソン─内包と彼方のあり方について
ジェイムズ哲学の可能性――フェヒナーを通じて
│第7章│パースという多面体――アメリカ哲学のバロック(2)
はじめに
プラグマティズムとプラグマティシズムのあいだ(1)
プラグマティズムとプラグマティシズムのあいだ(2)
記号としての人間
三つのカテゴリー
連続性としての進化
パース的宇宙のバロック
│第8章│西田幾多郎のバロック――自覚論をめぐって
はじめに
自覚論におけるバロック性の源泉
迂回路としてのドゥルーズ
自覚論と生成
客観と主観の分離と動的統合
コーエンと極微の生成――メー・オン(無)からのオン(有)の発生
エラン・ヴィタールとしての経験の高次化とその尖端
西田のバロック
│第9章│九鬼周造の文学論――時間と韻
はじめに
日本のモデルニテ・バロック
「垂直のエクスタシス」と「永遠の今」
西田との同一性と差異
文学の時間性
詩における「永遠の今」
九鬼のバロック
補論 レヴィ= ストロース――『神話論理』のバロック
はじめに
神話素の特異性――感覚の論理学へ
地層とプラトー──「褶曲」という作用
「料理の三角形」について
「料理の三角形」の汎通性
蜜と灰の対立と連関
拡張される「料理の三角形」
料理の三角形と感覚的経験の自然の組織
断片としての日本神話
実践としてのバロック
あとがき
注
初出一覧
人名索引
上記内容は本書刊行時のものです。