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デジタル社会の日本語作法
- 初版年月日
- 2007年7月
- 書店発売日
- 2007年7月26日
- 登録日
- 2016年4月22日
- 最終更新日
- 2016年4月22日
目次
この本のねらい
序章 デジタル社会の作法
アナログとデジタル
メールの機能拡大と「無形の刃物」
ことば殺人事件と作法の習得法
メールの語彙――パソコンメールとケータイメール
メールの経済言語学
Ⅰ章 デジタル出世論――メール作法の通時論
1 メールの登場
電子(パソコン)メール発展史
電子メールの便利さと普及
電子メールが置き換えたもの
2 メールの地位
通信手段の丁寧さスケール
メール文の地位上昇と作法確立
メール文と上からの変化
山出しの男の出世としてのメール文変化
Ⅱ章 デジタル行動論――談話としての電子メール
手紙とメールの2重の3分割
手紙とメールの定型性と独創性
2つのネチケット
談話・対話としての電子メール
Ⅲ章 デジタル書簡論――電子メールの共時的構造
1 電子メールの基本構成
手紙との共通性
2 メールの外側(封筒の表書き)
a 宛先・メールアドレスは必須
b 差出人は自動的
c 件名(題名,タイトル)を付ける
3 メール本文の冒頭――宛先と挨拶文
d 本文冒頭の宛名は有効
e 本文冒頭の名乗りは省略可
f,g,h,i 頭語・前文・末文・結語は省略可
4 メール本文の主文
j1 主文(用件)は簡潔に
j2 主文の文体は丁寧に
j3 主文は改行で読みやすく
5 メール本文の末尾
k 署名(シグネチャー)の勧め
6 メールの付加機能の活用
l Cc:の有効性
m Bcc:の使い方
n 添付ファイルの便利さ
7 メールの注意――文面・交信
o 返信での引用に用心
p 送信前の読み直し・点検は必須
q データのバックアップ
Ⅳ章 デジタル文体論――ケータイメールの新言文一致体と方言
1 文体とメディア
書きことばと話しことばの挨拶の違い――もしもし
ケータイメールの文体スケールの下降
2 ケータイメールの文体
ケータイメールにおける新言文一致体の出現
ケータイの方言メールと方言の復権
顔文字の文体スケール
電子メールの丁寧さスケールの交叉
Ⅴ章 デジタル談話論――電子民主主義の作法
1 メーリングリスト
メーリングリストの特徴
メーリングリストで議論は可能か?
メーリングリストの管理者
隠れたメーリングリストの活用
2 電子掲示板
掲示板の匿名性
匿名性の特徴――実社会との対比
掲示板の発言の記録性
掲示板と民主的な議論
3 ネット会議――情報保存の重要性
ネットで相談し,決定する
ネット会議の注意点
ネット会議と対面相談
4 トラブルはこうして避ける
誰に伝えるか――個人メールとMLの使い分け
MLに名前を消して伝える
何を伝えるか,伝えないか
Ⅵ章 デジタル表現論――デジタル空間を浮遊することばとコミュニケーション
1 ケータイメールのコミュニケーション
ネオ・メーラーとしての若者
メールアドレス登録数とメール送受信数
通話よりメールがいい
ケータイはメール送受信機
2 ウェブ日記文体論試論
誰もが読める「日記」
括弧付き文字列の機能
感情伝達機能
「ツッコミ」機能
サブカルチャー的表現形式
3 電子掲示板における「名無し」コミュニケーション
「名無しさん」って誰?
名無しとコテハンの違い
「開いた」談話
伝言ダイヤルから電子掲示板へ
無名性コミュニケーションの功罪
「電車男」が意味するもの/電子掲示板からSNSへ
4 「未承諾広告」のポライトネス
スパムメールの氾濫
「詫び」で始まるメール
親しさを演出するメール
ネガティブ・ポライトネスとポジティブ・ポライトネス
Ⅶ章 デジタル対話論――イエ電からケータイへ
1 留守電付きイエ電からケータイへ
ケータイ以前の時代
2 イエ電の冒頭対話
冒頭対話の機能
着信場所の提示
発信者の名乗り
取り次ぎの依頼
3 ケータイの冒頭対話
すぐに用件に入る対話
電話番号登録機能
電話番号通知機能
個人所有物としてのケータイ
4 ケータイの新しい作法
ケータイの留守電をめぐる行動
ワン切り
電話に出ないという選択
電話かメールか
Ⅷ章 デジタル敬語論――デジタル社会の敬意表現
1 世界的な「敬語の民主化」傾向
第三者敬語から聞き手敬語へ
上下関係から親疎関係へ
デジタル社会と敬語の変化
2 パソコミ,ミディコミと敬語
パソコミとしてのメール
ミディコミとしてのメーリングリスト,メルマガ,ウェブ
ミディコミとしての議論のあり方
ミディコミと敬語
3 情報縁と敬語
情報による人間の新たな結びつき
情報縁集団における敬語
4 時間圧と情報の完結性・簡潔性
メールの爆発的増加
高まる「時間圧」
丁寧さの新しいルール
「丁寧な」メールとは?
Ⅸ章 デジタル作法論――メディアの中の人間関係
1 迷ったら一番丁寧に
手間暇の法則
2 日本社会が共有するコミュニケーション原則
社会が前提にしている原則
コミュニケーションの原則は変わらない
3 メディアの使い分け
新しいメディアの登場
「相手にどのように伝えるか」を考える
社会の変化への適応
言語行動としてのメディアの使い分け
終章 電子メールとケータイによる情報革命
あとがき
参照文献
索引
上記内容は本書刊行時のものです。