版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
国策会社の経営史 台湾拓殖から見る日本の植民地経営 湊 照宏(著/文) - 岩波書店
..
【利用不可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

受注センター:
貴店担当者:
注文電話番号:
注文FAX番号:
注文サイト:

国策会社の経営史 台湾拓殖から見る日本の植民地経営 (コクサクガイシャノケイエイシタイワンタクショクカラミルニホンノショクミンチケイエイ)

歴史・地理
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:岩波書店
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ23mm
重さ 502g
278ページ
定価 7,400円+税
ISBN
978-4-00-022976-0   COPY
ISBN 13
9784000229760   COPY
ISBN 10h
4-00-022976-1   COPY
ISBN 10
4000229761   COPY
出版者記号
00   COPY
Cコード
C3021  
3:専門 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2021年3月17日
書店発売日
登録日
2021年2月10日
最終更新日
2024年4月11日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

従来の国策会社の研究では、国策の形成・遂行過程における軍部や政府等の利害の角逐に重きがおかれ、株式会社という組織形態がもつ意味については等閑視されてきた。本書は、典型的な国策会社「台湾拓殖」の設立や資金調達、経営実態等にかんする経済・経営史的分析を通し、国策会社の本質と日本の植民地経営の特質を描き出す。

目次

序 章 分析対象としての台湾拓殖……………湊 照宏・齊藤 直・谷ヶ城秀吉
 1 本書の課題と位置づけ
 2 国策会社のあり方を問う今日的意味
 3 分析対象としての台拓
 4 研究史の整理と本書の課題

第1章 国策会社の概念規定と分析視角――国策会社の本質は何か……………齊藤 直
 1 はじめに
 2 先行研究の批判的検討
 3 国策会社の概念規定
 4 国策会社の分析視角
 5 おわりに

第2章 設立経緯と政府――何が期待され,どのように制度設計がなされたか……………谷ヶ城秀吉
 1 はじめに
 2 プロトモデルの提起と継承
 3 台拓の設立と台湾総督府
 4 おわりに

第3章 事業展開と金融構造の概観――どこから資金を調達し,何に使ったのか……………湊 照宏
 1 はじめに
 2 事業内容
 3 資金調達
 4 収益性
 5 おわりに

第4章 株式による資金調達と株式市場――国策会社の資金調達は容易であったのか……………齊藤 直
 1 はじめに
 2 設立時における制度設計と株式割当
 3 台拓株主と株価の動向――概観
 4 株主行動の分析
 5 法人株主の動向
 6 台拓の対応
 7 おわりに

第5章 社債発行と金融機関・政府――金融機関・政府は協力的であったのか……………齊藤 直
 1 はじめに
 2 台拓の社債発行
 3 1937年度における予備交渉と挫折
 4 1938年9月における交渉
 5 1938年11月以降における交渉と社債発行の決定
 6 おわりに

第6章 国策性事業の展開(1)――いかに低収益であったのか……………湊 照宏
 1 はじめに
 2 増資前の各事業「利益率」
 3 台拓の仏印事業
 4 仏印事業の収益性
 5 隠された低収益と負担の分散
 6 おわりに

第7章 国策性事業の展開(2)――「国益」と「私益」をどのように両立させようとしたのか……………谷ヶ城秀吉
 1 はじめに
 2 台拓の華南占領地計画
 3 華南占領地経営の展開と後退
 4 海南島事業の展開と補助金
 5 おわりに

第8章 政府出資と補助金――低収益はどのように補われたのか……………谷ヶ城秀吉
 1 はじめに
 2 台拓設立時における収支計画と実績
 3 台拓の社有地経営と収益性
 4 台拓と国庫補助金
 5 おわりに

第9章 内部資本市場としての国策会社――どのような機能を果たしたのか……………湊 照宏
 1 はじめに
 2 内部資本市場の形成
 3 増資前における「投資及事業益」
 4 内部資本市場の変容
 5 増資後における「投資及事業益」
 6 おわりに

終 章 台湾拓殖から見る日本の植民地経営……………湊 照宏・齊藤 直・谷ヶ城秀吉
 1 終戦と台拓の終焉
 2 総括
 3 結語――国策会社の本質と戦後への遺産


参考文献
あとがき
索 引

著者プロフィール

湊 照宏  (ミナト テルヒロ)  (著/文

湊照 宏(みなと てるひろ)
1974年広島県生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。現在、立教大学経済学部教授。台湾経済史・産業史。著書に『近代台湾の電力産業――植民地工業化と資本市場』(御茶の水書房、2011年)、「台湾の高成長と経済政策」武田晴人・林采成編『歴史としての高成長――東アジアの経験』(京都大学学術出版会、2019年)など。

齊藤 直  (サイトウ ナオ)  (著/文

齊藤 直(さいとう なお)
1974年愛知県生まれ。早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程修了。博士(商学)。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授。日本経営史・金融史。著書に『産業経営史シリーズ11 金融業』(共編)(日本経営史研究所、2019年)、「戦前日本における「変態増資」と株式時価発行」『証券経済研究』(第103号、2018年)など。

谷ヶ城 秀吉  (ヤガシロ ヒデヨシ)  (著/文

谷ヶ城秀吉(やがしろ ひでよし)
1975年福島県生まれ。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士後期課程修了。博士(学術)。現在、専修大学経済学部教授。日本経済史、アジア経済史。著書に『帝国日本の流通ネットワーク――流通機構の変容と市場の形成』(日本経済評論社、2012年)、「高度成長下における日本の貿易と総合商社」堀和生・萩原充編『世界の工場への道――20世紀東アジアの経済発展』(京都大学学術出版会、2019年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。