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青い砂丘にて―復刻版
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2026年7月1日
- 書店発売日
- 2026年9月5日
- 登録日
- 2026年8月19日
- 最終更新日
- 2026年9月16日
書評掲載情報
| 2026-09-15 | 北海道新聞 朝刊 30063 |
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紹介
彫刻家・砂澤ビッキは、眠りの中で見た夢を約10年にわたって記録し続けていた。駅、昆虫、雪、風、身体の一部。夢の中で見た光景や、耳にした音、肌で感じた感触が、現実の論理から解き放たれた不思議な物語として書き留められている。
その膨大な夢の記録から文章を選び、ビッキ自身が15章にまとめ、装幀を手がけたのが『青い砂丘にて』である。1976年7月、限定300部の私家版として刊行された。そこに収められた文章は、夢日記とも散文詩とも異なる。ビッキが無意識の中で捉えた像を、言葉によって紙の上に定着させた「夢のデッサン」ともいえるものだ。後年の彫刻作品へつながる形象を思わせる記述も随所に現れる。
原本の多くは、刊行当時、ビッキの知人らへ直接手渡された。現在では入手が極めて困難で、古書市場でも高額で取り引きされている。刊行から50年を迎えるにあたり、砂澤凉子夫人監修のもと、原本の姿を可能な限り忠実に再現。ビッキによる装幀を生かし、本文も原本に沿って新たに組み直した。165×147ミリの変形判、本文96ページ、箱入り。
付録には、シュルレアリスム研究の第一人者であり、澁澤龍彦とも親交の深かったフランス文学者・巖谷國士と、本書を北海道立文学館で展示したキュレーター・淺川泰による書き下ろし解説を収録。巖谷は、夢の記述とシュルレアリスム、そして彫刻家としての創作がどのようにつながるのかを論じ、若き日のビッキが鎌倉で交流した澁澤龍彦から受けた影響などにも言及している。淺川は、これらの文章がなぜ一冊の本にまとめられ、1976年に私家版として刊行されたのかを、過去の資料から読み解いている。
彫刻だけでは捉えきれない砂澤ビッキの創作の源に、読むことによって触れる一冊。50年の時を経て、幻の私家版が初めて復刻される。
【解説者・巖谷國士氏のXポスト】
1976年に出た300部限定の瀟洒な稀覯本で、しかも実際に見た夢をそのまま書いているめったにない「夢の記述集」(詩集ではありません)を、復刻版で刊行するというすばらしい冒険。きっかけもすてきですね。
目次
Ⅰ ・・・・・・・・ 1
Ⅱ ・・・・・・・・ 3
Ⅲ ・・・・・・・・ 7
Ⅳ ・・・・・・・・15
Ⅴ ・・・・・・・・19
Ⅵ ・・・・・・・・27
Ⅶ ・・・・・・・・37
Ⅷ ・・・・・・・・45
Ⅸ ・・・・・・・・51
Ⅹ ・・・・・・・・53
Ⅺ ・・・・・・・・57
Ⅻ ・・・・・・・・63
ⅩⅢ・・・・・・・・69
ⅩⅣ・・・・・・・・75
ⅩⅤ・・・・・・・・79
版元から一言
砂澤ビッキは、生涯にわたって抽象彫刻を制作し、遺された絵画の多くも抽象的な表現によるものです。それらの作品を前にすると、その造形の力に圧倒されます。しかし同時に、「なぜ、この形が生まれたのか」「ビッキの頭の中では、何が起きていたのか」という思いが湧いてきます。
その問いへの手がかりとなるのが、『青い砂丘にて』です。
本書には、ビッキが約10年にわたって書き留めた夢の記録が収められています。無意識の中でも、ビッキは独特の光景を目にし、音を聞き、さまざまなものに触れています。その記述を読み進めると、後年の彫刻作品へつながる造形の萌芽に触れられるように感じます。ビッキの頭の中をのぞき、その創作が生まれる前の世界を読者にも体験してほしい。その思いから復刻に踏み切りました。
原本は1976年、私家版として限定300部のみ刊行され、その多くはビッキの知人らに直接手渡されました。一般の目に触れる機会がほとんどなかった作品です。今回の復刻版が、砂澤ビッキ研究の貴重な資料として活用されることを願っています。同時に、ビッキを愛する方々には、「読むことのできるビッキ作品」として、長く手元に置いていただきたいと思っています。
付録には、シュルレアリスム研究の第一人者である巖谷國士氏と、キュレーターの淺川泰氏による書き下ろし解説を収録しました。本書の背景や、夢の記述とビッキの創作との関係を読み解く二人の文章を通して、『青い砂丘にて』だけでなく、ビッキの彫刻作品そのものも、より身近に感じていただくことを意図しています。
原本の装幀もビッキ自身によるものです。復刻にあたっては、その姿を可能な限り忠実に再現するため、紙選びから力を注ぎました。特に布製カバーの再現には試行錯誤を重ねました。見本が完成したときには、監修の砂澤凉子氏にも深く感動していただくことができました。
一人の芸術家の無意識には、どのような世界が広がっているのか。そこから作品の形は、どのように生まれるのか。『青い砂丘にて』は、砂澤ビッキという作家を知るための本であると同時に、芸術家の創作の源を探るという普遍的な問いに応える一冊であると確信しています。
関連リンク
htpps://aoisakyu.com
上記内容は本書刊行時のものです。

