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半七捕物帳 年代版〈1〉 岡本 綺堂(著/文) - まどか出版
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半七捕物帳 年代版〈1〉 揺らぐ江戸の泰平―――若き半七、躍動す

発行:まどか出版
四六判
312ページ
上製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-944235-59-9
Cコード
C0093
一般 単行本 日本文学、小説・物語
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2011年11月
書店発売日
登録日
2011年11月1日
最終更新日
2012年2月21日
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紹介

本シリーズは『半七捕物帳』の各編を事件発生順に収録しました。著者である岡本綺堂は明治初年の生まれ。江戸を肌で知る人達のなかで育った故、『半七捕物帳』は江戸情緒を豊かに感じる時代小説として、現在もたくさんの「捕物ファン」の心を惹きつけ離しません。本書は江戸地図、詳細な註釈、年表、舞台となった場所の現在の写真などを添え、半七が生き、躍動した江戸を浮かび上がらせます。散見される多くの難読字にはルビをふり、読みやすさも考慮しています。また本書には歴史時代小説作家として、多くの作品を発表している喜安幸夫氏が解説を寄せています。

目次

■「お文の魂」
■「大阪屋花鳥」
■「石燈籠」
■「熊の死骸」
■「冬の金魚」
■「津の国屋」
■「二人女房」
■「狐と僧」

前書きなど

本文抜粋
「今も云う通り、この秘密は小幡夫婦と私のほかには誰も知らないことだ。小幡夫婦はまだ生きている。小幡は維新後に官吏になって今は相当の地位にのぼっている。わたしが今夜話したことは誰にも吹聴しない方がいいぞ」と、Kのおじさんは話の終りにこう付け加えた。
 この話の済む頃には夜の雨もだんだん小降りになって、庭の八つ手の葉のざわめきも眠ったように鎮まった。
 幼いわたしのあたまには、この話が非常に興味あるものとして刻み込まれた。併しあとで考えると、これらの探偵談は半七としては朝飯前の仕事に過ぎないので、その以上の人を衝動するような彼の冒険仕事はまだまだほかにたくさんあった。彼は江戸時代に於ける隠れたシャアロック・ホームズであった。
 わたしが半七によく逢うようになったのは、それから十年の後で、あたかも日清戦争が終りを告げた頃であった。Kのおじさんは、もう此の世にいなかった。半七は七十を三つ越したとか云っていたが、まだ元気の好い、不思議なくらいに水々しいお爺さんであった。養子に唐物商を開かせて、自分は楽隠居でぶらぶら遊んでいた。わたしは或る機会から、この半七老人と懇意になって、赤坂の隠居所へたびたび遊びに行くようになった。老人はなかなか贅沢で、上等の茶を淹れて旨い菓子を食わせてくれた。
 その茶話のあいだに、わたしは彼の昔語りをいろいろ聴いた。一冊の手帳は殆ど彼の探偵物語でうずめられてしまった。その中から私が最も興味を感じたものをだんだんに拾い出して行こうと思う。時代の前後を問わずに――

版元から一言

◎ここがポイント
・捕物小説の嚆矢『半七捕物帳』が装い新たに登場
・本シリーズは全69作品の各編を事件発生の年代順に収録しました(本書は物語のスタートとなる第一作「お文の魂」を冒頭におき「大阪屋花鳥」「石燈籠」「熊の死骸」「冬の金魚」「津の国屋」「二人女房」「狐と僧」を収録)
・半七の生きた江戸を理解する一助として、註釈を多く付け、また年表、江戸地図を添えました

著者プロフィール

岡本 綺堂  (オカモト キドウ)  (著/文

小説家、劇作家
1872年(明治5年)、英国公使館に勤める旧幕臣の長男として東京に生まれる。1890年(明治23年)、東京日日新聞に入社。やまと新聞社などを経て、24年間を記者として過ごす傍ら、戯曲「維新前後」「修禅寺物語」などを執筆し、新歌舞伎運動の劇作家として名を馳せる。1916年(大正5年)、海外探偵小説からヒントを得た『半七捕物帳』を書き始める。同書は断続しながらも21年間で69篇が発表され、捕物帳の元祖として現在も多くの読者を惹きつけている。1939年(昭和14年)、逝去。

上記内容は本書刊行時のものです。