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復興支援ボランティア、もう終わりですか? 中原健一郎(著) - 社会批評社
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復興支援ボランティア、もう終わりですか? (フッコウシエンボランティア、モウオワリデスカ?) 大震災の中で見た被災地の矛盾と再起 (ダイシンサイノナカデミタヒサイチノムジュントサイキ)

社会一般
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発行:社会批評社
四六判
224ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-916117-97-7   COPY
ISBN 13
9784916117977   COPY
ISBN 10h
4-916117-97-2   COPY
ISBN 10
4916117972   COPY
出版者記号
916117   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2012年5月
書店発売日
登録日
2012年4月11日
最終更新日
2012年6月14日
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紹介

 あの3・11日から1年あまり―炊き出し、ヘドロ撤去、産業支援にまで奮闘する多数のボランティアたち―その東日本大震災ボランティアの活動を、現地からルポ。
 そこには、ボランティア目線で観た復興支援の真実の姿が……。被災地に渦巻く行政の矛盾、報道差別がもたらす悲劇をも描く。

目次

はじめに 2 
第1章 凄まじい被災地の惨状 9
 日本観測史上最大の地震発生 10
 どうやって東北へ? 15
 動き始めたNPO 17
 装備は? 食料は? 宿泊は? 19
 震災20日後の石巻で見たもの 23
 まずは炊き出し 27
 「一番槍」の現場 31
 ヘドロの恐怖、まさに4Kのボランティア活動 40
 初めての入浴 44
 4月7日23時32分、最大の余震発生 47
 エリート揃いの外国人部隊 52

第2章 復旧支援から生活支援へ 57
 個人ボランティアは孤独との闘い 58
 ボランティアの定番作業、物資仕分け 64
 死者増加の一因となった被災者の「慣れ」 71
 避難所への「ゲリラバザー」作戦! 76
 子供と遊ぶのも仕事のうち 83
 復興市で募金お願いしまーす 85
 悲喜こもごも仮設住宅抽選日 91
 テント村に低気圧襲来 94
 一番難しいのは被災者とのスタンス 97
  避難所は「三食昼寝付き」という誤解 102
 井戸端会議は情報の宝庫 106
 ある町の遺体係のお話 109
 自衛隊風呂でいい湯だな♪ 111
 大切な、ボランティアのためのボランティア 115
 真価が問われた平成の市町村大合併 119
 支援物資狂想曲、廃棄の章 124
 報道空白が生み出す被災地差別 129
 尽きぬ被災者の行政への不満 134
 温泉でお背中流しましょ 138
 見棄てられた被災者 141
 密着避難所生活2泊4日 145
 思い出アルバムが持ち主に帰る日 155

第3章 それぞれの想いでボランティアへ 159
 学生ネットワークを活かして~大学生・早奈さん 160
 被災者のコリを少しでも~マッサージ師・木の子さん 163
 被災地に降り立つ白衣の天使~看護師・八重子さん 167
 家族の心配を背負いながら~元探検部・達也さん 172
 被災者から健康をもらって~OL・善子さん 176
 体力も筋力もないけれど~大学生・泰子さん 179
 東北からインドへ愛の手を~保育士・深美さん 182

第4章 初冬の被災地を行く 187
  何も残っていなかった福島県海岸地帯 188
 瓦礫のなくなった被災地、地盤沈下の町を行く 191
 それでも鮭は帰ってきた! 197
 ボランティア1分からどうぞ 200
 自活したら援助なしという不条理 204
 仮設住宅の冬支度 206
 甦った養殖の町、気仙沼市唐桑半島 208

エピローグ そして迎えたあの日 215
 3月11日午後2時46分、石巻にて 215
 最後に残ったのは〝絆〟 218

前書きなど

はじめに
 まず最初に、この本は「ボランティア日記」ではない。自分の活動を通しての話なのでそうなってしまう部分があるのは否めないが、努めてそうならないように書いている。なぜなら伝えたい事は自分の活動ではなく、「被災地の事」「災害ボランティア活動の事」だからである。自分の活動を綴っている箇所も、それを通して被災地の事を伝えたいからに他ならない。
 震災後、ある時は個人で、ある時は友人と、またある時はNPOの一員として、宮城県を中心とする被災地で復興支援ボランティア活動を行った。行く先々で被災者から、「被災地を見た人はそれを他の人や後世に伝え残すのが使命、よろしく頼むよ」と言われ続けた。その約束を果たすために筆をとったのが本書である。
 あの日からついに1年が過ぎた。今、被災者が一番恐れている事、それは「風化」である。何度も被災地へ足を運んだ私でも、少し経つと今被災地がどうなっているのか、想像がつかなくなる。被災地へ行く事も叶わない遠隔地の方々であれば、尚の事であろう。「もう、復興して元気になってるんじゃない?」、そう思っている人も少なくないはずだ。それが、まさに「風化」なのである。
 これからも日本全体で、被災地の復興を支援していかなくてはならない。私の住む神奈川県も、岩手県の瓦礫の受け入れを表明した。私の自宅から約1キロ半、自転車で10分ほどの所に相模原市の最新鋭ゴミ処理施設がある。神奈川で有数の施設であるはずのここにも、当然もうすぐ被災地の瓦礫が運ばれてくるだろう。1年前、海外メディアから賞賛された日本人の〝絆〟の真価が問われているのである。にもかかわらず、福島から遠く離れた岩手(福島から神奈川と概ね同じ距離)の瓦礫に対して、「放射能を持ち込むな!」と感情的な反対運動が一部の人とはいえ沸き起こったのは、私には驚きというより空寒い気がした。〝絆〟は、ただの流行語だったのだろうか?
 そんな人ばかりではないはずだ。この本の中には、自らの生活の少なからぬ部分を犠牲にして、被災地へ馳せ参じた絆の体現者たちがたくさん登場する。彼らのストーリーが、少しでも被災地の方々の希望になれば望外である。そして10年後、誰かが古本屋のワゴンの中からこの本を見つけ、「あ、そういえばあの時は確かにこんなだったな」と、犠牲者や防災への思いを新たにしてくれる事を、心の中では一番望んでいる。
 「風化させない」、被災地を見た人間にできる何よりの事だと思う。この本がその一助になる事を信じている。
 この企画を快く書籍にしてくださった社会批評社の小西社長、インタビューに協力してくれた支援仲間のみなさん、そして、被災地での活動を支えてくれた多くの被災者、ボランティアの方々に改めて御礼を申し上げたい。
 復興へ祈りを!
                                 2012年3月       
                                                   中原健一郎

版元から一言

3・11の東日本大震災から1年あまりがたちます。このところ、その1周年にかかわる出版物も多くなっています。しかし、大震災の背後で、地道に活動するボランティアの人々の記録・報告は、あまりないようです。
この本は、そんなボランティアの活動記録です。

著者プロフィール

中原健一郎  (ナカハラケンイチロウ)  (

中原健一郎(なかはら けんいちろう)
昭和48年神奈川県平塚市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。
大学在学中より国内旅行添乗員として、修学旅行などの教育旅行にて1万人以上の学生を引率する傍ら世界100余国を巡る。
のち、㈱リクルート所属の旅行宿泊誌出版・広告事業で京都・神戸・滋賀を担当。
退職後、東日本大震災の発生に伴い復興支援ボランティア活動に従事。

上記内容は本書刊行時のものです。