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見捨てられた命を救え! 星 広志(著/文) - 社会批評社
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見捨てられた命を救え! 3・11アニマルレスキューの記録

発行:社会批評社
A5判
181ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-916117-96-0
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2012年2月
書店発売日
登録日
2012年1月11日
最終更新日
2012年2月2日
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紹介

3・11後の、フクシマのもうひとつの記録―政府・東電はおろか、すべてのメディアからも見捨てられた命―それは「同伴避難」を許されなかった(生き物持ち出し禁止)犬・猫を始めとした動物たちだ。その数は、犬・猫だけでも万の単位に上る。そして、あれからおよそ1年、フクシマ原発警戒区域には、今なお多くの動物たちが、飢えと渇きの中で待ち続けている。その多くはすでに餓死した。この警戒区域内に「突入」し、動物たちを命がけで救出しているのが、著者たちのレスキュー隊だ。この記録は350枚の写真とエッセイで描くその物語である。

目次

はじめに 2
プロローグ 警戒区域内で餓死する動物たち 9
     ●死臭のする街 10
     ●多くの動物たちが死に絶えようとしている! 16
     ●餓死した犬たち 18
     ●私たちを変えた1匹の犬 21
     ●猫も、ダチョウも、ニワトリも、次々と餓死していった 22

第1章 地震・津波・原発被災のフクシマ 29
     ● 被災地への旅立ち 30
     ●津波で流された新地町の光景 32
     ●原発の街・浪江町 39
     ●カバンを放置したままの浪江小学校 41
     ●原発厳戒後のフクシマ―富岡町・双葉町 44
     ●30キロ圏内の広野町 48

 第2章 警戒区域内に残されたペットたち 49
     ●原発〝厳戒令〟後の状況 50
     ●大熊町にたむろする数十匹の犬たち 54
     ●双葉町立入禁止区域 57
     ●遠くからレスキュー隊を見つめる猫たち 69
     ●飼い主からのメッセージ 72
     ●福島第1原発内で救出された2匹の犬 73
     ●facebookの友人たちに―必死のお願いです 74
     
 第3章 残された家畜の放浪と〝殺処分〟 77
     ●日本全体が「家畜の檻」 78
     ●パトカーにぶつかった牛 82
     ●浪江郵便局の豚ちゃん 85
     ●原子力の街のシンボル・ダチョウ 87
     ●生きていたニワトリは飢えた猛獣に食べられた! 88
     ●ヤギが屋根の上で助けを求めて呼んでいた! 90
     ●瀕死の豚 92

第4章 20キロ圏内のレスキュー作戦 93
     ●フクシマ原発20キロ圏内で起きている真実 94
     ●原発被災のペット救済・緊急要請のお願い 98
     ●逮捕覚悟で警戒区域に突入 100
     ●警戒区域内の封鎖と検問の強化 102
     ●逮捕報告 104
     ●レスキュー・ゲリラ装備 106
     ●私たちのレスキュー憲章  108
     ●高円寺ニャンダラーズとの合同レスキュー 110
     ●初めて20キロ圏内に潜入した外国人フォトグラファー 114
     ●解放され、浜辺にたむろする牛たち 118
     ●星ファミリーの紹介 120
 
第5章 救出された動物たち 125
     ●レスキュー隊の決意 126
     ●これでいいのか!「こんな犬は迷惑だ」 128
     ●大熊町付近での猫の捕獲作戦 130
     ●富岡町付近での猫の捕獲作戦1 131   
     ●富岡町付近での猫の捕獲作戦2 132
     ●富岡町付近での犬の捕獲作戦 133
     ●6号線で発見された高齢の犬 134
     ●飼い主さんが自宅に餌を運び続けたが…… 135
     ●4匹の子犬は見つけたが…… 138
     ●飼い主に捨てられたシンノスケ 139
     ●里親の元で暮らすノア 140
     ●皮膚病のシェルティー発見・救出 142
     ●物乞いをする街道の犬 143
     ●救出された多くの猫たち 144
     ●タマゴを産んだダチョウ 150

第6章 避難した家族と再会した動物たち 151
     ●6か月ぶりに家族と再会したコロちゃん 152
     ●7か月ぶりの再会・救援した西井絵里さん談 154
     ●里親が見つかったコーギー 155
     ●いわき市の菅野さんに猫の「チャトちゃん」をお届け 156
     ●海くん、里親さんのもとですっかり元気に! 157
     ●「原子力犬」の里親になったアメリカ人 158
     ●家族全員と再会し、はしゃぐプータ 159
     ●HOSHI FAMILY・福島原発動物本気で救う会のメンバーは
環境省の民間捕獲計画に参加しません 161

 第7章 忘れ去られ、報道されない命を救え! 163
     ■共に警戒区域内で活動した日々 164
     ■残された動物たちの歴史的な記録 166
     ■1匹でも多く飼い主さんの元へ 167
     ■今も警戒区域では動物たちが生きている 168
     ■毎週皆で警戒区域にレスキューに 169
     ■人間としての責任を果たせれば…… 170
     ■人間として、全てに謝らなければ…… 172 
     ■神隠しにでもあったような不気味な空間 173
     ■動物は純粋で家族を疑わない! 174
     ■アメリカで取り組まれたペットの避難計画 176
     ■ツイッターで協力者を呼びかけた広島「写真展」 177  
     ■法律を破ったとしても間違っていない 179
     ■20キロ圏内には救助を待ち見放されたペットたちが残る 180

前書きなど

はじめに
 私が福島に通い始めて10か月が過ぎました。思いを馳せれば、自分が福島生まれであったこと、福島の一番津波の被害が大きかった相馬と新地で幼いころを過ごしたこと、母方の親類がほとんどいた地域がこの津波で消え去るなど、記憶にのこる場所のすべてが失われてしまいました。
 4月に被災地を訪ね、目にした光景は、車に寄ってくるたくさんの動物たちでした。3月12日と14日に福島第1原子力発電所では、大きな爆発が起こり、家や飼い主を失った動物たちは、それでも人間を信じて待っていました。そして、東京から故郷の福島を訪ね、家族3人で動物たちに餌をやりに行ったのが、この運動のきっかけでした。
 4月22日、管直人首相は突然、警戒区域内の立ち入り禁止を布告しました。あの動物たちが見捨てられる、あの繋がれた動物たちを助けなければならないという焦り……。しかし、前に立ちはだかるバリケード。そして、私たち家族は、4月28日にバリケードを突破し助けに入りました。それは、一介の庶民にとっては犯罪です。捕まることが当たり前の状況の中で、あえて罪を犯すことに決めました。
 その日救った三つの命、それがこの福島のレスキュー物語の原点です。フェンスに首を入れたまま死んだ犬、私たちはその前で泣きました。人間が、これほど恐ろしいものであることを知りました。そのとき、私たちだけは、最後まで福島のこの小さな命を見捨てないと誓ったのです。あれから、延べ80日間も警戒区域に入りました。多くの仲間も増えましたが、すべて個人の有志です。
 6月、フォトグラファーのディビッド・グッテンフィルダーとの出会い。彼を連れて、福島第1原子力発電所の中にいた2匹の犬を救いました。7月、彼は第2政府隊と言われた、獣医師チームの捕獲にも参加しました。そして、我々からも10名以上のメンバーが応援隊として参加しました。これでもう動物たちは救われると思った矢先、たった2日の活動で解散。国は動物たちを助けることを本気で望んでいないと知ったときでした。
 義援金争奪を巡る、動物愛護団体同士の醜い争いや妨害にもあいましたが、我々のチームはそんなことには目もくれず、一心に救出を行いました。動物救援本部の6億円もの義援金という利権を巡る中で行われた、福島シェルターと一時帰宅支援という虚像は、わずか犬350匹と猫250匹を保護しただけでした。
 それに対して、3月11日から4月22日までに民間愛護団体は、約1500匹を保護しましたが、それでも救出されたペットはわずか10%程度のものでしかなく、それ以後の救援はほとんどありません。
 我々は、警察に見つかったときは、発電所に向かって逃げるのが習わしでした。そうすれば捕まらないということを経験で学びました。誰も来ない発電所の近くで、我々のチームは、放射線を浴びながら、星空を眺め野営していましたが、まさに死人の街でした。
 あの4月22日の立ち入り禁止のときから、12月まで100匹あまりの動物たちを救いました。100の命を救うことにどれだけの労力と時間、費用をついやしたことか……。
 そして、facebookとの出会い。私たちは警戒区域の情報を流し続けました。言論統制の中で、唯一情報を流しても安全なところがfacebookでした。最初に反応してくれたのは、アメリカの愛護団体の皆さんでした。その輪は、日本の皆さんにも広がりました。今では、「星ファミリー」(HOSHI FAMILY)の名を知らない愛護家はいないほど有名になりました。googleのリンク数では、日本財団や動物救援本部をも上回るまでになりました。そして、多くの個人有志が集まり、日本だけでなく、私が撮影した4千枚の写真を世界中の方が共感して写真展を催してくださいます。
 これだけ多くの方が、福島の動物を通じて悲しみ、私たちの運動を支援してくれていますが、その思いは未だに国には通じません。私たちは、動物のみならず、生きるという尊厳の答えを求めて、今週も福島にレスキューに通います。この日本で一番小さな個人チームの望みは、全頭救出。その願いは永遠と続いています。
 この本を、警戒区域で朽ち果てた多くの動物たちと、運動を支えてくれたfacebookの3千人の皆さん、その他、多くのインターネットの同胞たちに捧げます。
                             2011年12月25日
                                              星 広志

版元から一言

3・11後の、フクシマのもうひとつの記録―政府・東電はおろか、すべてのメディアからも見捨てられた命―それは「同伴避難」を許されなかった(生き物持ち出し禁止)犬・猫を始めとした動物たちだ。その数は、犬・猫だけでも万の単位に上る。そして、あれからおよそ1年、フクシマ原発警戒区域には、今なお多くの動物たちが、飢えと渇きの中で待ち続けている。その多くはすでに餓死した。この警戒区域内に「突入」し、動物たちを命がけで救出しているのが、著者たちのレスキュー隊だ。この記録は350枚の写真とエッセイで描くその物語である。

著者プロフィール

星 広志  (ホシ ヒロシ)  (著/文

1955年10月11日、福島県相馬市生まれ。
1999年、日産自動車欠陥車問題で2万人の有志を束ね、日本人初のネットを利用したPL問題運動家として、メーカーが欠陥を認めた成果がPL国際会議などでも紹介される。
2000年、仙台市立町で母子家庭を対象にした無料パソコン教室「インターネットちゃちゃ」を3年間運営。
2001年、モンゴル文化協会仙台支部事務局長。交通行政評論家として交通違反不起訴110番を主催、裁判所鑑定人などを務めるが、文句を言うだけでは何も変わらないと悟り2005年、同会を解散。
32歳から三つの会社経営を経て、現在、ROSSAM株式会社代表取締役社長。
「福島原発被害の動物たち」コミュニティーを主催。
http://www.facebook.com/fukushimaanimal

関連リンク

『フクシマ・ゴーストタウン―全町・全村避難で誰もいなくなった放射能汚染地帯』
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/shakai/top/95-3.htm

上記内容は本書刊行時のものです。