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サイパン&テニアン戦跡完全ガイド 小西 誠(著/文) - 社会批評社
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サイパン&テニアン戦跡完全ガイド 玉砕と自決の島を歩く

発行:社会批評社
A5判
228ページ
並製
定価 1,600円+税
ISBN
978-4-916117-91-5
Cコード
C0036
一般 単行本 社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2011年2月
書店発売日
登録日
2011年1月18日
最終更新日
2011年2月9日
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紹介

玉砕と集団自決の島・サイパン―テニアン。数々の戦争の傷跡が残る太平洋の島々、戦争の記憶を呼び起こす戦跡を多数の写真とエッセイで紹介

目次

■戦跡ガイドの読み方

 本書は、サイパン、テニアンの各地に散在する戦跡について、1944年6~8月当時の戦争―サイパン戦、テニアン戦の戦闘経過に沿って記述した。
 当時の戦争について詳しくない読者には、この戦闘経過の流れはいささか退屈かもしれないが、やはり、このサイパン戦、テニアン戦全体の知識なしには、戦跡の理解は難しいので、これを詳しく述べた。
 また、本書では、現地に残されている日本軍の戦跡だけでなく、米軍のメモリアルや先住民たちのメモリアル、そして、当時これらの島々に在住していた民間の沖縄や朝鮮半島の人々、また先住民たちの戦争との関わりも、紙数の許す限り紹介している。

 サイパン、テニアンには、アジア・太平洋戦争の戦跡が今なお、生々しく残されている。日本では戦争の傷痕は、戦後の都市開発などでほとんど消えてしまったが、この地では至るところで見ることができる。これらの戦跡は、年々、戦争体験者の生存と記憶がかすかになっていく中で貴重なものだ。
 この戦争の記憶を、次の世代に残すべきではないか、伝えるべきではないか。このような目的で本書は編集された。 なるほど、サイパン、テニアンの戦跡ガイドもなくはない。サイパンの「バンザイクリフ」などは、観光の名所にさえなっている。だが、そうした一部の観光名所を除いて、これらの島々の至るところにある数々の戦跡は、ほとんど訪れる人もない。時より、ここで亡くなられた戦没者の遺族の方々が、慰霊のために訪れるだけだ。

 北マリアナ諸島自治政府には、「北マリアナ歴史保存部」が置かれているという。この保存部では、日本軍・米軍の数々の戦跡はもとより、日本統治時代の刑務所跡・病院・家屋、神社跡地、そして、古代チャモロ人の遺跡に至るまでしっかりと管理され、保存がなされている。確かに、サイパン、テニアンなどの島々を歩くと、これらの戦跡が丁寧に保存されていることがよくわかる。
 年々、戦争体験者が少なくなっていく中で、戦争の記憶を引き継ぐことが、今ほど大切になっているときはない。それには、文字や映像による記録も大事だ。しかし、戦火にさらされ、風雨に耐えてきたこれらの戦跡そのものは、なによりも戦争の実像を雄弁に語っているのではないか。
 読者の方には、ぜひとも一度、これらの島々の戦跡を訪ねてみていただきたい。

前書きなど

目 次
戦跡ガイドの読み方 5
戦跡の歩き方のヒント 8
Part1
玉砕と自決の島・サイパン 9
――楽園の島はなぜ戦場になったのか
*常夏の島・サイパン
 ――サンゴ礁に囲まれた七色の海 10
■米軍上陸地点その1
 日米の激戦地―チャランカノア・ビーチ①  14
■米軍上陸地点その2
 日本軍の戦車隊が全滅したオレアイ―ラン  ディング・ビーチ② 20
*アジア太平洋戦争その概観
 開戦1年後に敗勢に追いつめられた日本軍 26
*サイパン戦
――その日米軍事力 28
■米軍の砲爆撃で壊滅
 日本海軍のアスリート飛行場跡③ 32
■日本軍砲撃の激戦地・ヒナシス台地
 日本軍野戦重砲大隊の戦跡④ 42
■激しい砲爆撃をうけて残る
 アギンガン岬の砲台跡⑤ 44
■使用されなかった堅固なトーチカ
 アギンガン―オブジャンのトーチカ跡⑥  48
■空襲と砲撃で破壊された街
 生々しい戦争の跡が残るガラパン⑦ 52
■リーフ内のマニャガハ島を望む
 日本灯台跡⑧ 60
*日本統治下のサイパン
 ――先住民への皇民化教育と住民の戦争動員  62
■砂糖キビ工場で栄えた街
 ススペ―チャランカノア周辺の戦跡⑨  68
■山頂争奪と洞窟を巡っての攻防 
 サイパン最高峰のタポチョ山⑩ 72
■傷病兵が自決を強いられた
 ドンニイと極楽谷の野戦病院跡⑪ 80
■日本軍の最後の玉砕の地
  タナパグ―地獄谷の司令部跡⑫ 84
■日本軍の敗残兵と住民が追いつめられた
 ラストコマンドポスト⑬ 90
■住民たちが辿り着いたもう一つの自決の地
 マッピ山―スーサイドクリフ⑭ 100
■住民たちが追いつめられた最後の自決の地
 バンザイクリフ―マッピ岬⑮ 104
■戦では米軍にもたくさんの犠牲
 アメリカン・メモリアルパーク⑯ 110
■未だ知られざる先住民たちの犠牲
 マリアナズ・メモリアル⑰ 114
■軍艦島と呼ばれた景勝の地
 リーフ内の小島・マニャガハ島⑱ 118
■サイパンのリーフ内に沈む
 今も海底に眠る艦船と戦闘機⑲ 124
*チャモロ人もカロリニア人も戦争の犠牲者だった
 ――ススペに設置された島民たちの収容所  128
*戦闘後のサイパンは本土空襲の拠点になった
 ―― アスリート飛行場の米軍とB29  134
*米軍の全島占領後も戦い続けた日本兵
 ――玉砕を拒んで戦い続けた大場隊  136
*常夏の島・サイパンの自然と社会
 ――合衆国主権下のコモンウェルスとは 146

Part2
この世の楽園と謳われたテニアン 151
――原爆基地ともう一つの玉砕・自決の島
■サイパン戦直後に上陸した米軍
 テニアン空港玄関口の戦跡① 152
■星の砂のある美しい砂浜は米軍上陸地点に
 チュル・ビーチのトーチカ② 158
*サイパン戦からテニアン戦へ
 ――圧倒的な戦力を誇った米軍 166
■米軍の空襲と砲爆撃の激しさを物語る
 第1飛行場跡に残る日本海軍司令部跡③  170
■ハゴイ飛行場は囚人労働で造られた!
 東洋一の飛行場と言われた第1飛行場跡④  176
■上陸した米軍はゆっくりと南部へ進撃
 島の北・中部に残る戦争の跡⑤ 178
■米軍の砲爆撃で破壊された街
 サンホセに今も残る戦争の傷跡⑥ 182
■南洋興発はテニアン戦に動員された
 テニアン町と南洋興発の跡⑦ 190
■日本軍はテニアンでまたも玉砕
 司令官も突撃したカロリナス台地⑧  194
■テニアンでも起きた「集団自決」の惨劇
 テニアン・スーサイドクリフ⑨ 198
■テニアン戦後、全島は日本爆撃の基地に
 ノースフィールド跡の原爆ピット⑩  206
■米軍基地はジャングルに埋もれていた
 ノースフィールド跡の米軍飛行場跡⑪  212
*しかし、テニアン島は今も巨大な軍事基地だった
 ――島の70パーセントを借用する米軍  214
*テニアンの自然と社会
 ――南国の楽園と言われる美しい自然  218
おわりに 226

版元から一言

今年2月から、サイパン戦争を描いた映画『太平洋の奇跡』が紹介されます。もう一度、サイパン戦争の記憶を社会的に呼び覚ますのは良い機会です。しかし、実際にサイパンに行ってみて、その数々の戦跡を見ると、この美しい島で起こった「玉砕と集団自決」のむごさをもう一度とらえ返すことができます。ぜひ、本書をガイドに、サイパン・テニアンを訪ねてみてください。

著者プロフィール

小西 誠  (コニシマコト)  (著/文

1949年宮崎県生まれ。航空自衛隊生徒隊第10期生、
 軍事ジャーナリト。
 著書に『自衛隊の対テロ作戦』『ネコでもわかる? 有 事法制』『現代革命と軍隊』『自衛隊そのトランスフ ォーメーション』『日米安保再編と沖縄―最新沖縄・ 安保・自衛隊情報』(以上、社会批評社)ほか多数。

上記内容は本書刊行時のものです。