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芸術のわるさ コピー、パロディ、キッチュ、悪
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年6月10日
- 書店発売日
- 2023年6月10日
- 登録日
- 2022年12月10日
- 最終更新日
- 2023年7月25日
書評掲載情報
2023-09-23 |
朝日新聞
朝刊 評者: 椹木野衣(美術評論家・多摩美術大学教授) |
2023-09-23 |
朝日新聞
朝刊 評者: 椹木野衣(多摩美術大学教授・美術評論家) |
2023-09-17 |
読売新聞
朝刊 評者: 川添愛(言語学者・作家) |
2023-09-08 |
アイデア
10月号 評者: BOOK新刊紹介 |
2023-09-08 |
美術手帖
10月号 評者: 中島水緒(美術評論家) |
2023-09-06 |
読売新聞
朝刊 9月6日 文化面 評者: 森田睦(文化部記者) |
2023-08-26 |
東奥日報
8月26日 評者: 小倉孝誠(慶応義塾大学教授) |
2023-08-25 |
週刊読書人
8月25日号 評者: 松井茂(情報科学芸術大学院大学教授) |
2023-08-20 |
徳島新聞
朝刊 8月20日 評者: 小倉孝誠(慶応大学教授) |
2023-08-19 |
長崎新聞
朝刊 8月19日 評者: 小倉孝誠(慶応大学教授) |
2023-08-13 |
宮崎日日新聞
朝刊 8月13日 評者: 小倉孝誠(慶応大学教授) |
2023-08-12 |
山陰中央新報
評者: 小倉孝誠(慶応義塾大学教授) |
2023-08-12 |
沖縄タイムス
8月12日 評者: 小倉孝誠(慶応義塾大学教授) |
2023-08-07 |
新潮
9月号 評者: 大竹昭子(作家) |
2023-08-01 |
artscape
8月1日号 評者: 星野太(東京大学大学院総合文化研究科准教授) |
2023-07-28 |
週刊読書人
3499号 評者: 堀部篤史(誠光社) |
2023-07-25 |
芸術新潮
8月号 評者: 編集部のおすすめ! |
2023-07-25 |
アートコレクターズ
2023年8月号 評者: 著者インタビュー(編集部) |
2023-06-09 |
週刊金曜日
6月9日号 評者: 鈴木沓子 |
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紹介
転換期にはいつも、持たざる者の技術があらわれる――
雑誌、マンガ、広告、テレビなど1970年代前後の複製文化を読みとき、
機知と抵抗の技術として今に甦らせる。
〈わるさ〉が語る、もうひとつの戦後日本文化史。
パロディ裁判、岡本太郎への疑問、ディスカバー・ジャパン論争、
コピーと芸術家のもつれあい、マンガと美術のすれちがい、石子順造の思想、
赤瀬川原平と器用人、そして「食人」の教え……。
美術と雑種的な視覚文化を混交させる展覧会を企画してきた
異色の学芸員による、ゆかいな複製文化論。
アウトかセーフかの呪縛からの解放のために。
すべての持たざる者たちのために。
硬直化した思考をときほぐす、笑える批評の登場!
目次
不幸なる芸術
ファウルブックは存在しない(解題・不幸なる芸術)
Ⅰ コピー
コピーの何が怖いのか?
ゼログラフィック・ラヴ
ディスカバー、ディスカバー・ジャパン
すべては白昼夢のように――中平卓馬、エンツェンスベルガー、今野勉
植田正治にご用心――記念写真とは何か
Ⅱ パロディ
「パロディ、二重の声」のための口上
パロディ辞典(第二版)
未確認芸術形式パロディ――ことのあらましと私見
オリジナリティと反復の満腹――パロディの時代としての一九七〇年代前後左右
二重の声を聞け――いわゆるパロディ裁判から
パロディの定義、テクストの権利
Ⅲ キッチュ
「的世界」で考えたこと
石子順造小辞典
匿名の肉体にさわるには――石子順造的世界の手引き
石子順造的世界――脈打つ「ぶざまさ」を見据えて
石子順造と千円札裁判
「トリックス・アンド・ヴィジョン展――盗まれた眼」――一九六八年の交点と亀裂
Ⅳ 悪
口上 歌が生まれるとき(祈祷師たちのマテリアリズム)
「岡本」と「タロー」は手をつなぐか
俗悪の栄え――漫画と美術の微妙な関係
岡本太郎の《夜明け》と《森の掟》についての覚え書き
リキッド・キッドの超能力――篠原有司男(ギュウちゃん)の音声と修辞学
目が泳ぐ――いわさきちひろの絵で起こっていること
(有)赤瀬川原平概要
神農の教え
あとがき
前書きなど
風邪はほどよく引いたほうが健康のためになるのだと申します。
規制だ自粛だ炎上だ、殺虫滅菌消毒無害を追い求め、
僅かなほこりも逃さぬ不健康な迄の徹底した衛生潔癖の果てに、
いつしか虫菌毒害の澱は タールの如く黒々と粘り気を増す一方でございます。
かの柳田國男が悪の技術の必要を説いてはや80年、
型通りの道徳の修得の裏で悪徳の術はもはや衰微の極み。
じつにきれいに棲み分けた個と個とが、ひとたび接触して差し迫れば、
シネの一言で事を荒立てる稚拙を培い、読んで字の如く単刀直入に斬り込む 芸なき安易さがはびこっております。
火を使わねば火事が起こらぬわけでも無し。
火の育て方の忘却が消し方の喪失につながるのと同様に、
合理に溺れて悪の修練を怠ったが故にこそ、残虐を進んで招き入れているのではありますまいか。
関係を主題に謳う芸術に数あれど、その大方が掲げる「善き」関係は、
窮屈と退屈で編まれた世の道理に収まるのが落ちでありましょう。
(続きはためし読みでご覧ください)
版元から一言
■著者は、東京国立近代美術館主任研究員。
一橋大学商学部の学生だったとき、現代美術作家に出会い、19歳で初めて美術館を訪ねたといいます。雑種的な視覚文化を美術館にもちこんで〈芸術〉をくすぐってきた学芸員の、満を持してのデビュー作。大道芸のような語りで表現の可能性を呼び覚ます、痛快な読みものをぜひお楽しみください。
■法と芸術をめぐる「二重の声を聞け」は本邦初公開。16年に及んだパロディ裁判の全判決に対する、美術の側からの精緻な分析は他に類をみません。法曹関係者、クリエイター必読の論考です。
上記内容は本書刊行時のものです。