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縄文の断片から見えてくる 古谷 嘉章(著) - 古小烏舎
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縄文の断片から見えてくる (ジョウモンノカケラカラミエテクル) 修復家と人類学者が探る修復の迷宮 (シュウフクカトジンルイガクシャガサグルシュウフクノメイキュウ)

社会科学
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発行:古小烏舎
4-6
縦188mm 横128mm 厚さ17mm
248ページ
並製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-910036-04-5   COPY
ISBN 13
9784910036045   COPY
ISBN 10h
4-910036-04-0   COPY
ISBN 10
4910036040   COPY
出版者記号
910036   COPY
Cコード
C0039  
0:一般 0:単行本 39:民族・風習
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年8月30日
書店発売日
登録日
2023年7月7日
最終更新日
2023年8月16日
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書評掲載情報

2023-11-25 毎日新聞  朝刊
評者: 池澤夏樹(作家)
2023-11-25 毎日新聞    朝刊
評者: 池澤夏樹(作家)
2023-11-19 読売新聞    朝刊
評者: 金子拓(東京大学教授・歴史学者)
2023-11-19 読売新聞  朝刊
評者: 金子拓(東京大学教授・歴史学者)
2023-11-15 西日本新聞  
2023-10-20 週刊読書人  
評者: 中村 大(立命館グローバル・イノベーション研究機構准教授、考古学、縄文時代)
2023-10-08 日本農業新聞
2023-09-16 日本経済新聞  朝刊
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紹介

はじめて語られる、縄文土器の修復の世界。
 
修復から考える縄文土器。
熟練の修復家が実際に触れて感じる縄文の技と心と「わからなさ」
 
一般にはほとんど知られていない縄文土器の修復の迷宮を探る。
土の中から破片が発掘され、修復され、私たちが縄文土器として目にするまでには、いくつもの実に厄介な、意外に身近な問題が存在する。
断片と欠損の意味、文様の繰り返し、修復の介入度合い、修復箇所の判別、完形復元にすると見えなくなるもの、現代感覚で修復する危うさ……。そもそも「修復とは何のために何をすることなのか」という問題を抱える考古遺物・考古学の迷宮を、縄文土器の修復という営みから、また世界の修復事例から、人類学者と修復家が探究する。
 
 
 

目次

序章 修復の世界への招待

発掘現場の出土品から展覧会の展示品へ/出土したときの国宝土偶/出土品への修復という介入/考古遺物の修復と美術品の修復/修復における自由裁量の幅/出土品、修復家、監修者/結果を形にしなければならない修復という仕事/修復とはそもそも何なのか

第一章 考古遺物の修復の現場から

1 文化財の保存修復とは何か

文化財修復の現場で触れて感じて考える/考古遺物の修復という仕事/文化財保存修復の理念―四つの原則/文化財修復技術者の規定/修理と修復、復元と復原/考古資料の素材の多様さと保存処理―金属資料を例に

2 縄文土器の修復
土器修復の基本方針とその工程/復元部分の取り扱い/縄文土器を見る現代人の眼/意図的な破壊による欠損/破片の行方/欠損部分の復元―文様は繰り返すとはかぎらない/縄文人は文様で遊ぶ?/文様の図と地

3 考古遺物の複製そしてレプリカ

見取りと型取り/現状記録資料としての複製/デジタル技術によるレプリカ作成/レプリカで構成する展示―複製とは何か、本物とは何か/本物かレプリカか―博物館の役割と視覚偏重/触れる複製の可能性/「クローン文化財」という新技術/「本物のレプリカ」/縄文人の心に触れる楽しみ―あえて不完全を残す?

第二章 修復からみた縄文土器の「わからなさ」

1 縄文とともに現代を生きる

「わからなさ」の魅力

2 修復における厄介な問題

修復を行うのは誰か/共繕い/縄文土器修復の概要/修復する度にかたちが変わる/簡単ではない縄文土器の修復 /なぜ破片が「消える」のか

3 「向こう合わせ」の造形

縄文土器に触れて感じる「わからなさ」/写実性のない縄文時代/「向こう合わせ」による非写実性の生成/規範とは何か/縄文土器に見る規範/「現代人の発想」の危うさ/写すのではなく、この世にないものをつくる/触覚を優先する造形思考/素材の先導力/私たちにもできる「向こう合わせ」の造形

4 現れてくるものを受け入れる

「つくること」からかたちが生まれる/非写実性から現れてくるもの/「ないもの」が現れてくる/現れてくるものを待つ

5 縄文土器修復の目指すところ

修復に代わる推定模造/土器修復の理想像

第三章 遺物の修復について人類学者が考える―断片・経年変化・複製・展示

1 修復とは何のために何をすることなのか

遺物の生涯の一コマとしての修復/本章で考察すること

2 断片より完形を偏重すること

さまざまな断片化/断片と欠損には意味がある/完形に復することが修復の目的か―芸術品修復との比較

3 経年変化とアンチエイジング

実物も修復品も年をとる/修復における「可逆性」の問題

4 実物をとりまく複数の複製

複製とは何か/修復の役割、複製の役割 /さまざまな複製/マテリアルな複製、デジタルな複製

5 保存だけでなく展示のために

保存のための修復、展示のための修復/触れない本物、触れるレプリカ

6 修復は単品では完結しない

独立したオブジェの幻想/修復におけるモノのネットワークと未完の修復
 

著者プロフィール

古谷 嘉章  (フルヤ ヨシアキ)  (

1956年東京都生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。九州大学名誉教授・特任研究者。文化人類学(主たるフィールドはブラジル)。著書に、『異種混淆の近代と人類学―ラテンアメリカのコンタクトゾーンから』(人文書院、2001)、『憑依と語り―アフロアマゾニアン宗教の憑依文化』(九州大学出版会、2003)、『縄文ルネサンス―現代社会が発見する新しい縄文』(平凡社、2019)、『人類学的観察のすすめ―物質・モノ・世界』(古小烏舎、2020)、『「物質性」の人類学―世界は物質の流れの中にある』(同成社、2017、共編著)。

石原 道知  (イシハラ ミチトモ)  (

1965年熊本県生まれ。武蔵野美術短大学卒業。考古資料の修復・複製の会社で勤務後、武蔵野文化財修復研究所を設立。東京藝術大学の非常勤講師(材料技術論、埋蔵文化財土器修復を担当)。重要文化財、東山遺跡出土瓦塔瓦堂、道訓前遺跡出土縄文土器、上福岡貝塚出土土器修復。文化財保存修復学会、日本文化財科学会、日本陶磁芸術教育学会、特定非営利活動法人文化財保存支援機構会員。縄文コンテンポラリーアート展(船橋市飛ノ台史跡公園博物館)参加。

堀江 武史  (ホリエ タケシ)  (

1967年東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒業。文化財修復・複製、縄文遺物と現代美術の展示などを手掛ける府中工房主宰。
主な共著、編著に『ひとが優しい博物館―ユニバーサル・ミュージアムの新展開』(共著、青弓社、2016)、『総覧 縄文土器』(共著、アム・プロモーション、2008)、『縄文遺物と現代美術 考古学から生まれるアート』(編著、府中工房、2018)他。

上記内容は本書刊行時のものです。