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なぜ基地と貧困は沖縄に集中するのか? 安里 長従(著/文) - 堀之内出版
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なぜ基地と貧困は沖縄に集中するのか? (ナゼキチトヒンコンハオキナワニシュウチュウスルノカ) 本土優先、沖縄劣後の構造 (ホンドユウセン オキナワレツゴノコウゾウ)

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発行:堀之内出版
A5変形判
縦210mm 横138mm 厚さ23mm
336ページ
並製
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-909237-75-0   COPY
ISBN 13
9784909237750   COPY
ISBN 10h
4-909237-75-5   COPY
ISBN 10
4909237755   COPY
出版者記号
909237   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年8月31日
書店発売日
登録日
2022年6月24日
最終更新日
2023年9月26日
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書評掲載情報

2023-03-25 図書新聞  3584
評者: 大野光明
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重版情報

2刷 出来予定日: 2023-02-10
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書評の掲載や反響も大きく非常に好評となっています。沖縄の基地と貧困の問題を考えるうえで欠かせない一冊です。

紹介

「本土復帰」から50年を経てもなお、いまだに基地と貧困が集中している沖縄。

安全保障のためには基地の集中は仕方ないという、一方的な主張に加え、近年、沖縄の貧困問題は、沖縄の人びとの文化や性質に原因があるとする自己責任論が増えてきた。

本書では、このような主張に対して真正面から対峙する。

沖縄の基地問題と貧困問題に共通する原因として、「本土優先―沖縄劣後」という差別構造によりつくられた「自由の不平等」に焦点をあて、基地と貧困の公正で民主的な一体的解決をめざす提案の書。

【推 薦】
基地があることも、貧しいのも沖縄の「運命」なんかじゃない。
本書は「基地か経済か」を選ばされてきた私たちが言語化したかったものが凝縮されている。
オリエンタリズムやイデオロギーに回収されることなく、
構造的差別にメスを入れ、本土と沖縄の人びとがマットーバー(まっすぐ)に歩いていくための待望の書!
親川志奈子 沖縄大学

目次

目次

はじめに――本書で伝えたいこと
なぜこの二人なのか/立場の違い
用語について

第1章/貧困問題と基地問題を貫く差別の問題
1貧困とは何か?
2差別とは何か?
3不平等と四つの言説類型
4いま必要な議論とは――「自由の平等」のために

第2章/沖縄の基地問題の歴史と課題
1基地問題を貫く差別の問題
2「手段」としての沖縄
3沖縄の基地問題の本質
(1)沖縄の「自己決定」の軽視と阻害
(2)「本土の理解が得られないから沖縄」
(3)模索されてきた「本土」移設
(4)法の下の平等と積極的差別是正
(5)差別と民主主義
(6)民主主義の実践

第3章/沖縄の貧困問題の歴史と課題
1沖縄の貧困問題の現状
2沖縄の貧困問題の本質
(1)歴史的要因
(2)沖縄の経済と産業
(3)一九七二年という年の意味
(4)沖縄振興(開発)特別措置法の制定
(5)本土資本による経済開発
(6)置き去りにされた福祉と労働者の権利
(7)社会的排除論が浮き彫りにする沖縄の現状
3沖縄県の貧困対策が向き合うべきこと
4当事者による反差別実践の一例

第4章/平等と平和
1不正義の是正と平等化
2平和とは

第5章/沖縄論の変遷
1「沖縄論」の系譜
2沖縄不在の「沖縄論」
3沖縄イメージの定着
4沖縄ヘイトの過熱とリベラルの変容
5商品化され消費される沖縄

補論1/現代的レイシズム論からみた沖縄
1はじめに
2構造的レイシズム(制度的レイシズム)
3文化的レイシズム
4新自由主義的市場原理
5ナショナリズムと生権力
6レイシズムの定義
7構造的レイシズムからみた沖縄
8文化的レイシズムからみた沖縄
9小括

第6章/新しい提案
1法理論から検討する沖縄の差別
2「新しい提案」の核心
3県民投票と「新しい提案」について
4ボールを投げ続けるということ

補論2/日本国憲法には「平等権」が保障されていない?
1憲法一四条再考―国際人権法と共通の人権規範の確立に向けて
2「平等権」は「積極的平和」と両輪
3憲法一四条の「平等権=empty(空虚)論」
4「個人の尊厳」と「構造的差別」
5「平等権」は自由権か社会権か
6構造的差別の廃絶には「平等権」の確立が不可欠

第7章/シティズンシップを求めるアイデンティティ・ポリティクス
1アイデンティティによる結集
2政治的アイデンティティとは何か
(1)社会的アイデンティティ
(2)政治的アイデンティティ
3単一のアイデンティティを回避する必要性
4ポジショナリティとアイデンティティの関係
5アイデンティティ・ポリティクスとシティズンシップ
6対外的防御の実践と対内的制約の解消
7感情の回復と構造的解決

第8章/沖縄の貧困問題と基地問題の一体的解決を目指して
1問題の本質である「自由」の「不平等」
2「自由」の「平等」とシティズンシップの諸権利
3共同性の「広がり」と「深まり」
4アイデンティティ・ポリティクスと差別の是正
5公正で民主的な解決

おわりに

参考文献一覧

コラム/すこし視点を変えて
1沖縄はアメリカの「施政権下」に置かれていた?
2国境に面した島嶼の軍事化(要塞化)は国際常識か?
3憲法の適用よりも政治的思惑が優先された復帰関連法
4階層論的貧困論の弊害
5社会福祉・社会保障と労働者
6沖縄は男尊女卑社会?

前書きなど

沖縄は本土に対して何度もボールを投げてきたのだ。
にもかかわらず、沖縄が声を上げるたびに、本土は「このボールではない」として沖縄にそれを投げ返してきた。
そして、そのボールが投げ返されるときには、必ず小さくなって返ってきた。
すなわち、問題を矮小化して投げ返してくるということである。社会構造上の問題であるはずのものが、地域問題に矮小化され、沖縄の人びと自身の振る舞いやあり方にその原因が還元されてきたのである。
(本文より)

版元から一言

装 丁 木下悠(YKD)
印 刷 中央精版印刷 株式会社

著者プロフィール

安里 長従  (アサト ナガツグ)  (著/文

安里長従 あさと・ながつぐ
沖縄県石垣市出身、司法書士。沖縄国際大学非常勤講師。石垣市住民投票裁判原告弁護団事務局。「辺野古」県民投票の会元副代表。沖縄生活保護基準引下げに基づく保護費(減額)処分取消請求裁判原告弁護団事務局。
基地問題などに関心を持ったのは、2002年に司法書士となり多重債務者の対応などをしているなかで沖縄の構造的な問題に気づいたのがきっかけ。それ以来、「基地」と「貧困」の一体的な解決を求めて活動を続けている。
主な著書:『沖縄発 新しい提案―辺野古新基地を止める民主主義の実践』(共著、新しい提案実行委員会 編、2018年、ボーダーインク)、『福祉再考―実践・政策・運動の現状と可能性』(共著、田中聡子/志賀信夫 編著、2020年、旬報社)。

志賀 信夫  (シガ ノブオ)  (著/文

志賀信夫 しが・のぶお
宮崎県日向市出身、県立広島大学保健福祉学部准教授。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、博士(社会学)。専門は、貧困問題、社会政策。
個人的経験から貧困問題に関心を持ち始め、貧困研究をはじめる。2017年に安里と出会い意気投合し、沖縄の問題に強い関心を持ちはじめ、社会的排除理論を通して考え、本書の執筆に至った。
主な著書:『貧困理論入門』(単著、2022年、堀之内出版)、『貧困理論の再検討―相対的貧困から社会的排除へ』(単著、2016年、法律文化社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。